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企業のX(旧Twitter)がなぜ炎上するのか?主な原因や対策方法・事例をまとめて解説

企業のX(旧Twitter)がなぜ炎上するのか?主な原因や対策方法・事例をまとめて解説

X(旧Twitter)を運営する企業にとって、炎上リスクには注意しなければなりません。しかしどれほど気をつけていても、ふとしたきっかけで炎上するケースは少なからずあるものです。

そこで本記事では、X(旧Twitter)で企業が炎上する原因、炎上が起こる状態と理由、炎上を防ぐポイントと対策などを詳しく解説していきます。実際に炎上した企業の事例についても紹介するので参考にしてください。

目次

X(旧Twitter)の炎上とは?

インターネットにおける炎上とは、「特定の個人への批判が殺到して収集がつかない状態」や「特定の話題に対して議論が巻き起こり、ブログ、掲示板、SNSなどでバッシングが続く状態」を指す言葉です。

代表的なSNSであるX(旧Twitter)の炎上とは、「投稿したツイートに対するリプライでの誹謗中傷や、リツイートによる拡散が激しく続く状態」といえるでしょう。

日本での炎上発生件数は、2011年から右肩上がりに増加しています。その理由として、モバイル端末とSNSの普及が大きいと考えられています。炎上は個人・企業を問わないため、まずは主な原因を把握することが大切です。

画像引用:総務省|令和元年版 情報通信白書|ネット上での炎上を巡る議論

企業に対するX(旧Twitter)の炎上が起きる主な原因

X(旧Twitter)の企業アカウントが炎上する主な原因に以下があります。

  • ● ユーザーに投稿内容が不適切と思われる
  • ● 商品・サービスに関する過失
  • ● 操作・社員の投稿ミス
  • ● 会社関係者の問題発言による炎上
  • ● 悪質な第三者のなりすまし行為による炎上
  • ● 話題性やバズりを求めすぎたため
  • ● センシティブな話題への配慮のなさ

それぞれ解説していきます。

ユーザーに投稿内容が不適切と思われる

不適切と判断されやすいツイートには炎上のリスクがあります。たとえば日本の歴史上、大きな出来事が起こった日にもかかわらず、配慮がないツイートを行うと炎上しやすいでしょう。

また、「今日お店に芸能人の〇〇さんが来ました」といったツイートも、プライバシーの侵害として問題視されることがあり、炎上リスクが高くなります。

このように、失言や非常識な内容、時代錯誤に該当するツイートには注意してください。

商品・サービスに関する過失

X(旧Twitter)の炎上リスクはツイート内容に限りません。商品・サービスに過失があったり、従業員の態度に問題があったりした場合も爆発的にリツイートされる可能性があります。その背景にはユーザーの正義感があると考えられています。

たとえば、不良品を返送してきたユーザーに対して、企業側が「私どもには一切の責任がありません」といった内容の手紙を送付したとしましょう。この場合にユーザーが手紙の画像をツイートすれば、「このような対応をする企業は許せない」として一気にリツイートされるかもしれません。

その状況を黙殺すれば、さらに批判的なツイートやリツイートが積み重なり、炎上へと繋がるリスクがあります。

操作・社員の投稿ミス

企業の公式X(旧Twitter)にもかかわらず、社員が個人アカウントと間違えてツイートすると炎上する可能性があります。特に前述したような失言、非常識な内容、時代錯誤のツイートは爆発的に拡散されるリスクがあるでしょう。

X(旧Twitter)の運用を外注している場合も注意が必要です。委託先の担当者の過失により、不適当なツイートが投稿された事例もあります。

その後に企業が謝罪しても、ネガティブなイメージは消えづらいため、事前の対策が必要です。自社でX(旧Twitter)を運用する場合は、時間をかけてSNS担当者の教育を行ったり、外部に任せる場合も丸投げせず、細かくツイート内容を確認したりなど、慎重な対応が求められます。

会社関係者の問題発言による炎上

社員や外注先の誤操作だけでなく、会社関係者の問題発言によって炎上することがあります。たとえば、従業員が会社の秘密を家族に漏らし、その家族がツイートを行うといったケースです。

具体的には、「今日、お父さんの会社に芸能人の〇〇が来たみたい。住んでる家も近くだから嬉しい」や「お母さんがパートで働いてる会社、今度倒産するみたい」などのツイートが該当します。

このようなツイートを完全に防ぐのは難しいものですが、「会社の秘密は漏らさない」という基本ルールの周知が大切です。

悪質な第三者のなりすまし行為による炎上

企業に責任がなくても悪質な第三者のなりすましによって炎上することがあります。たとえば「大手企業の〇〇で働いています」とプロフィールに掲載しているユーザーが、自社への批判的なツイートを繰り返すケースです。社員のフルネームを名乗っている場合もあるので、慎重に対応しなければなりません。

なりすまし被害は常に起こる可能性があるため、事前に対応方法を協議した上で粛々と調査を進めることが大切です。調査の過程でなりすましと判明した場合は、「弊社の従業員ではないと確認できたのでお知らせいたします」などの声明を出す必要があるでしょう。

話題性やバズりを求めすぎたため

X(旧Twitter)を上手に活用すれば、コストを抑えながら商品・サービスの存在を知ってもらえます。今まで多額の広告費用をかけていた企業にとってX(旧Twitter)は魅力的なツールです。

効率的に商品・サービスを知ってもらうには、「いかに口コミが拡散されるか」がポイントになります。そのためにSNS担当者は話題性を求めたり、バズを狙ったりしますが、過度に意識しすぎると炎上に繋がります。

例えば、商品・サービスと無関係なトレンドを繰り返しつぶやいたり、あえて過激な言葉でツイートしたりといった行為です。「X(旧Twitter)のユーザーにどのような印象を与えるか」という視点を常に意識してください。仮に短期的にバズったとしても、リツイートによって拡散されれば、中長期的に炎上するリスクがあります。

センシティブな話題への配慮のなさ

X(旧Twitter)のユーザーの見解が分かれやすい話題に対して、配慮のないツイートを行うと炎上する可能性があります。政治、戦争、宗教といった話題です。LGBTQのようなセンシティブな内容にも注意が必要です。

特に「男性は強くあるべき」「女性は優しくあるべき」といった発言や、性的マイノリティを蔑視するような表現は炎上リスクが高いといえます。

普段は気をつけていても、ふとした瞬間にSNS担当者の本音が出たり、不適当な言葉を選択したりといったケースも考えられるため、企業アカウントの運用は慎重に行ってください。

【段階別】X(旧Twitter)の炎上が起こる流れ

ここでは、段階別にX(旧Twitter)の炎上が起こる流れについて解説します。具体的には以下の順序を辿るケースが多いでしょう。

  • ● 炎上の火種ができる
  • ● 火種が深堀りされる
  • ● 事態が大きくなり炎上する

それぞれ解説していきます。

炎上の火種ができる

初めは少数のユーザーが企業の不祥事を発見し、引用リツイートやツイートをすることで炎上の火種がくすぶります。まだ大多数のユーザーに発見されてはいないものの、着実に炎上のきっかけが芽生えている状態です。

炎上自体は他のSNSでも起こり得るものですが、特にX(旧Twitter)は問題の温床になるケースが多いといわれています。その理由として、X(旧Twitter)を利用しているユーザーの多さや、リツイートによる拡散力の高さがあります。

火種が深堀りされる

炎上の火種が深掘りされ、X(旧Twitter)の中での拡散が始まります。引用リツイートだけでなく、通常のリツイートやリプライも増える段階です。仮に原因となったツイートを企業が削除したとしても、すぐに鎮火する可能性は低いでしょう。

事態が大きくなり炎上する

炎上の火種が深掘りされた後、さらに事態が深刻化する段階です。X(旧Twitter)の中で本格的な炎上が進行した結果、ニュースサイトやテレビニュースなどで取り上げられる可能性もあります。そうなると、より長期的に炎上が続く傾向があります。

炎上を放置するとどうなる?

炎上に対処せず放置した場合、どのようなことが起こるのでしょうか? 考えられる状況に以下があります。

  • ● さらなる炎上へと繋がる
  • ● 企業の信用やイメージの悪化

それぞれ解説します。

さらなる炎上へと繋がる

企業が炎上をスルーすると、さらに火が大きくなる可能性があります。「このまま黙殺していれば沈静化するだろう」と考えて説明責任を放棄しても、スムーズに鎮火しないのが炎上です。

芸能人の不祥事と同じように、公の場で真摯な対応をしなければ、人々は納得しない傾向があります。「なぜ非を認めないのか」と多数のユーザーの反感を買った場合、より一層、批判が強くなるでしょう。仮に素早く対応したとしても、必要な謝罪を意図的に避けたり、虚偽の事実を話したりしていれば、やはり炎上は収まりません。

ユーザーが誤った解釈やねつ造を行ったり、過去の出来事を持ち出したりする可能性もあるので、炎上に対しては迅速かつ誠実な対応が必要です。

企業の信用やイメージの悪化

X(旧Twitter)の炎上をスルーすると社会的な信用が失墜し、企業のイメージが大幅に低下します。問題を起こした役員や従業員の氏名・住所が特定される可能性もゼロではありません。

さらに企業イメージの低下による売上不振や、不買運動が起こって利益が落ち込むことも十分に考えられます。「このまま働き続けても先がない」と判断して優秀な社員が退職したり、新規採用で人が集まらなかったりといった状況もあり得るでしょう。

一旦ネガティブなイメージが定着した場合、通常は信頼の回復に長い年月がかかります。そのため「炎上が起こった場合どのように対処するか」を事前に定めたうえで、しっかり対応する必要があります。

X(旧Twitter)の炎上が起こりやすい理由

X(旧Twitter)の炎上が起こりやすい理由に以下があります。

  • ● 多くの人が利用している
  • ● 匿名で使う人が多い
  • ● サイバーカスケード現象が起きる

それぞれ解説していきます。

多くの人が利用している

総務省の調査によると、X(旧Twitter)の利用率はLINEやYouTubeに次ぐ結果となっています。2019年度の調査結果は次のとおりです。

【主なソーシャルメディア系サービス/アプリなどの利用率(全年代・年代別】

1.LINE:86.9%
2.YouTube:76.4%
3.X(旧Twitter):38.7%
4.Instagram:37.8%
5.Facebook:32.7%

上記のうち、LINEは友人知人との連絡ツール、YouTubeは動画視聴という要素が強いため、純粋なSNSの中で、X(旧Twitter)の利用率は最も高い状況です。このようにX(旧Twitter)は多数のユーザーが利用するため、拡散力が強く炎上しやすい媒体といえます。

出典:総務省情報通信政策研究所「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

匿名で使う人が多い

X(旧Twitter)は匿名ユーザーが多いため、「何をつぶやいてもバレないから大丈夫」という思いから、攻撃的なツイートを繰り返すケースがあります。

SNSでは度々、誹謗中傷が問題になっていますが、実名制のFacebookでは大きな炎上が起こりづらいといわれています。「FacebookよりもX(旧Twitter)のユーザー数のほうが多い」という理由を差し引いても、匿名が可能なX(旧Twitter)は炎上しやすいでしょう。

サイバーカスケード現象が起きる

サイバーカスケードとは、少人数の先鋭化した意見によって、まるで大多数が同じ意見を持っているかのように誤解する現象をいいます。

X(旧Twitter)において一部の人間だけが執拗にバッシングしているにもかかわらず、多くの人間が同じように集中攻撃していると錯覚するのもサイバーカスケード現象です。その結果、「みんなが誹謗中傷に加担しているから、自分も同じようなツイートをしてもいい」と考えたユーザーによって、X(旧Twitter)の中で炎上が広がりやすくなります。

X(旧Twitter)の炎上を防ぐためのポイント

ここではX(旧Twitter)の炎上を防ぐ方法について解説します。具体的には以下7つのポイントがあります。

  • ● 企業としての責任が持てない情報は発信しない
  • ● 不確かな情報は発信しない
  • ● センシティブな話題には触れない
  • ● SNS運用マニュアルを作成する
  • ● ダブルチェックできる体制を整える
  • ● ブランディングに力を入れる
  • ● 炎上しそうな投稿を素早く発見できる体制を整える

それぞれ解説していきます。

企業としての責任が持てない情報は発信しない

企業アカウントは組織全体の意見としてユーザーに受け止められる傾向があります。そのため、SNS担当者の個人的な見解や、他人のプライバシー(個人情報)が含まれるツイートは避けましょう。

仮にキャラクターを立てて運営している場合も、何でも気軽に発信していいわけではありません。本人はキャラクターになりきって発信しているつもりでも、ユーザーはキャラクターの裏側にある企業を意識しているものです。

たとえ強気な性格のキャラクターでも、他者を攻撃するようなツイートや、物議をかもす内容は避ける必要があります。常に企業の代表としてツイートしていることを忘れてはいけません。

不確かな情報は発信しない

不確かな情報を企業アカウントが発信すると信頼を損ないます。自らツイートするだけでなく、真偽不明な投稿に「いいね」をつけたり、リプライしたり、リツイートしたりといった行為にも注意が必要です。

他のユーザーから「この会社は誤った情報を拡散している」と思われれば、炎上の火種がくすぶることになります。

一見、正しく思える投稿でも、信憑性が疑わしい二次情報、三次情報という可能性もあります。そのため、企業アカウントは信頼できる一次情報を扱うことが大切です。

自社の顧客と思われるユーザーの好意的なレビューをリツイートする場合も、そのユーザーの他のツイートを確認してください。仮にそのユーザーが、日常的に虚偽の情報をツイートしている場合、企業アカウントとして取り上げるのはふさわしくありません。

センシティブな話題には触れない

前述したように、企業アカウントとしてセンシティブな情報には触れないほうがよいでしょう。X(旧Twitter)の担当者が特に気をつけたいトピックとして、政治・思想、スポーツ、宗教、性があります。それぞれの頭文字を取って4Sと呼ばれていますが、ユーザーによって意見が分かれる可能性が高いテーマであるため、気軽にツイートするのは危険です。

「スポーツもそうなの?」と意外に思うかもしれませんが、メジャーなプロスポーツを中心に、各チームには熱狂的なファンが存在するものです。特定のスポーツやチームを批判した場合、攻撃的なリプライを受ける可能性があるので注意してください。

SNS運用マニュアルを作成する

適切にX(旧Twitter)を運用するためには、2種類のSNSマニュアルの作成がおすすめです。

1つ目のマニュアルは「投稿ガイドライン」です。ツイート内容、文体、雰囲気、ルールなどをまとめたものです。SNS担当者が迷いなく運用するためのマニュアルといえます。

2つ目は「炎上対策マニュアル」です。前述した3つの段階(炎上の火種ができる、火種が深堀りされる、事態が大きくなり炎上する)に分け、それぞれの対応方法を記載したマニュアルです。対策フロー、報告フロー、対応部門などを明確に規定することが大切です。

このようなマニュアルを常備することにより、SNS担当者と部門間の情報共有だけでなく、炎上リスクの回避や、実際に炎上が発生した場合の素早い対応が可能になります。

ダブルチェックできる体制を整える

SNS担当者が単独でX(旧Twitter)を運用するのではなく、ツイートやリプライへの返信が適切かどうかをダブルチェックする仕組みが重要です。複数名が異なる視点から確認することにより、炎上リスクを減らせます。

具体的には、X(旧Twitter)の担当者に全ての権限を与えるのではなく、ツイートや引用リツイートの内容、投稿する時間帯、リプライへの対応などを他の社員がチェックする体制を構築しましょう。

ただしチェック体制を強化しすぎると、X(旧Twitter)の魅力であるリアルタイム性が犠牲になるため、どこまでダブルチェックを行うかを明確に定める必要があります。

ブランディングに力を入れる

企業アカウントが発したツイートに対して、フォロワーが日頃から「いいね」やリプライ、リツイートを行っている場合、一定のブランディングが形成されている可能性があります。フォロワーとの間に信頼関係が築かれていれば、炎上時に助け舟を出してもらえるかもしれません。

具体的には、企業アカウントに寄せられた批判的なリプライに対して、「この会社はそのような意図でツイートしているわけではない」とリプライで否定してもらえたり、自身のタイムラインで味方してもらえたりといった対応です。その結果、早期に炎上が鎮静化する可能性があります。

ただし、一朝一夕で信頼関係は構築できないため、日頃から共感を生むツイートを発信し続けたり、リプライで交流を続けたりといった労力が必要です。

炎上しそうな投稿を素早く発見できる体制を整える

炎上のきっかけには第三者のツイートがあります。「この会社の対応には問題がある」「商品に明らかな欠陥がある」などのツイートが発端となり、拡散されて炎上するという流れです。

企業アカウントに寄せられたリプライやリツイートは早期に気づきやすいものの、第三者のツイートまで確認する余裕はないかもしれません。ただし、対処しないまま放置すれば、やがて騒動が燃え広がるリスクがあります。問題あるツイートの早期発見にはソーシャルリスニングツールの活用がおすすめです。

ソーシャルリスニングツールとは、膨大なインターネットの世界から、自社に関する投稿を発見できるビジネスツールです。事前にキーワードを指定することにより、炎上に繋がるツイートを見つけやすくなります。

企業のX(旧Twitter)炎上を解決する方法

企業のX(旧Twitter)炎上を解決する方法には以下があります。

  • ● 状況を正しく把握する
  • ● 投稿を保存
  • ● すぐに投稿を削除して謝罪
  • ● 企業の公式サイトで表明する
  • ● 事実を確認し、状況説明を行う
  • ● 投稿した人物を調査する
  • ● 検索候補キーワードの削除依頼を申請
  • ● 再発防止のガイドラインを作成する

それぞれ解説するので参考にしてください。

状況を正しく把握する

炎上した際、まずは状況の把握に努めます。一口に炎上といっても性質は様々です。X(旧Twitter)の中でエゴサーチやハッシュタグ検索をしたり、X(旧Twitter)以外のSNSを検索したりなど、どのような経緯で炎上したのか、どこまで炎上範囲が広がっているのかを確認します。

全てを手動で行うのは現実的ではないため、前述したソーシャルリスニングツールの活用を検討してください。

投稿を保存

状況を正確に把握した後、きっかけとなったツイートを保存します。企業アカウントとして行ったツイートが原因のケースもあれば、第三者のツイートがきっかけの場合もあるでしょう。どちらのパターンにおいても、発端となったツイートの保存が大切です。

仮に企業が原因となったツイートを削除したとしても、X(旧Twitter)の炎上はすぐに止まらないものです。逆にフェイク画像が作成され、よりネガティブな印象が広がることもあります。そのためにも元ツイートの保存は重要です。

投稿を取り消し線で訂正して謝罪

自社アカウントのツイートが炎上した原因の場合は、該当ツイートを取り消し線で訂正します。炎上した投稿を訂正する場合、その部分を削除したり、書き換えたりするとさらに炎上してしまう可能性があるからです。そのまま無かったことにしようとしても炎上した元の投稿は、閲覧したユーザーによって保存されている可能性があります。都合よく無かったことにすることで更なる炎上につながるかもしれません。

取り消し線を用いて問題部分を訂正した後は企業アカウントで謝罪を行います。企業として意に反した炎上であっても、まずは炎上という現象に対して、真摯に謝罪する姿勢が大切です。

企業の公式サイトで表明する

X(旧Twitter)の企業アカウントで謝罪した後、公式サイト内でも謝罪します。謝罪の方向性は企業アカウントと同様です。ただし事実確認を行う前なので、「炎上によって世間を騒がせていること」への謝罪になります。同時に「今後、事実確認を行うこと」や「確認後にあらためて状況説明を行うこと」の表明もポイントです。

炎上は企業の信用問題に影響を与えるだけでなく、経営が傾く原因になる可能性があるため、迅速な対応が求められます。

事実を確認し、状況説明を行う

X(旧Twitter)と公式サイトで謝罪した後、事実関係を確認します。炎上の原因が社内にあるのか、それとも社外の第三者にあるのかの確認です。自社だけで調査が難しい場合は、外部機関に頼る必要があるかもしれません。

事実関係を把握した後、あらためてX(旧Twitter)の企業アカウントと公式サイトを更新して、「なぜ炎上が起こったのか」を説明しましょう。

投稿した人物を調査する

事実確認と状況説明を行った後、あらためてツイートした人物の調査を進めます。社内の担当者は特定しやすいものの、社外の人間は時間がかかるだけでなく、完全な特定は難しいかもしれません。その場合は法律の専門家も含め、対応を協議する必要があるでしょう。

また、社内の担当者が原因であっても、感情的に叱責するのではなく、「どのような目的でツイートしたのか」「ツイートのチェック体制はどうなっていたのか」など、全社的な問題として捉える必要があります。「今後どのように対策するのか」といった再発防止策も重要です。

検索候補キーワードの削除依頼を申請

検索候補キーワードの削除依頼を申請するステップです。検索候補にマイナスイメージに繋がるキーワードが表示されていると、企業や商品・サービスへのネガティブなイメージが離れません。

ただし実際に検索候補キーワードの削除が可能かどうかは分かりません。その時々のX(旧Twitter)の対応によっても変わるため、ダメ元で申請してみるとよいでしょう。

再発防止のガイドラインを作成する

最後に再発防止のガイドラインを作成します。些細なミス、不注意、配慮不足など、軽い気持ちでツイートしたにもかかわらず、燃え広がるのが炎上の恐ろしさです。前述した「投稿ガイドライン」と「炎上対策マニュアル」を作成してSNS担当者に周知します。

また、アルバイト、パートも含めて、個人でSNSを使用する際に「どこまで会社について言及してよいのか」を伝えることも重要です。

【不適切な投稿内容が原因】X(旧Twitter)の炎上事例

不適切な投稿内容が原因となったX(旧Twitter)の炎上事例を紹介します。不動産会社、テーマパーク、タイツメーカー、卸売業の各事例です。

不動産会社の炎上事例

某不動産会社では、X(旧Twitter)の公式アカウントで「社畜」という不適切な言葉を使用しました。キャラクターとしてのツイートなので、そこまで深く考えず、気軽につぶやいた可能性もあります。しかし不適切な言葉によって多くのユーザーから非難され、炎上したのです。

このように、たとえキャラクターがつぶやいているという設定でも、配慮のない言葉遣いや内容には気をつけなければなりません。ユーザーはキャラクターと企業を結び付けて考える傾向があるからです。

エンタメ企業の炎上事例

某エンタメ企業の公式アカウントが日本の国民感情を逆なでした結果、炎上した事例です。過去の戦争に関する重大な日であったにもかかわらず、配慮に欠けるツイートをしたことが原因と考えられています。ツイートは戦争について直接的には言及していないものの、「今日は何でもない日」という投稿内容が批判に繋がったようです。

企業アカウントを運用する際は、「歴史的に何があった日なのか」に関しても注意する必要があります。

タイツメーカーの事例

某タイツメーカーの公式アカウントが投稿したイラストによって炎上した事例です。イラストの内容として、若い女性がスカートを捲り上げていたり、脚や胸を強調して描かれていたりといった部分に問題があったと考えられています。女性を性的に消費するタイプのイラストに非難が殺到した事例です。

X(旧Twitter)を運用する際は性的な表現に注意するだけでなく、時代錯誤的な表現にも気をつけなければなりません。

卸売業の事例

某卸売業社が旧キャラクターの言葉を使用したツイートで炎上した事例です。「女は〇〇です」「男は〇〇です」といった表現に問題があったと考えられています。以前は一般的だった表現でも、現代は「ジェンダーバイアスを助長する」として炎上するケースがあります。

先ほどのタイツメーカーのようにイラストを使用していなくても、性差別に繋がる言葉には注意が必要です。時代錯誤的だと批判が殺到する可能性があります。

【商品・サービスに関する過失】X(旧Twitter)の炎上事例

商品・サービスに関する過失が原因の炎上事例を紹介します。食品会社とサプリメント企業のケースです。

食品会社の事例

某食品会社の人気商品、インスタント食品の焼きそばに異物混入が原因で炎上した事例です。消費者が調理前の焼きそばの画像を投稿したことにより、炎上が起こったと考えられています。

その後の企業側の対応にも問題があり、「元の写真を削除してほしい」や「圧力をかけてきた」という消費者からの再ツイートも炎上に拍車をかけたようです。その結果、1日40万食あったカップ焼きそばが、一時生産中止に追い込まれました。

企業として発信するツイートに問題はなくても、商品に欠陥があったり、その後の対応を誤ったりした場合、炎上が加速するリスクがあります。

サプリメント企業の事例

某サプリメント企業による薬機法と景品表示法違反が原因の炎上です。インフルエンサーを介した商品PRの中で「乾燥を知らない〇〇肌」といった内容に問題があり炎上したと考えられています。企業側の初動として、公式発表前に関係者が私見を発信したり、ユーザーに説明しないまま投稿を削除したりといった対応にも問題があったようです。

薬機法に規制を受ける商品・サービスを提供している場合や、景品表示法の違反にはくれぐれも注意しなければなりません。外部のインフルエンサーと提携する場合も、事前に適切な表現方法を伝える必要があるでしょう。

【操作ミス・社員による投稿】X(旧Twitter)の炎上事例

操作ミス・社員による投稿が原因の炎上事例を紹介します。ECサイト、地方放送局、民間企業のケースです。

ECサイトの事例

某ECサイトの担当者が個人アカウントと間違えて炎上した事例です。ツイート内で日本人歌手の容姿を中傷した結果、その歌手からツイートを受けたことがきっかけで炎上したと考えられています。同企業は迅速に謝罪文を発表したものの、X(旧Twitter)のユーザーを中心に批判を受けたようです。

企業としてX(旧Twitter)を運用する際は、SNS担当者のミスに気をつけなければなりません。特に担当者の属人性が高い場合や、ダブルチェック体制が整っていない場合に起こり得るミスといえます。

地方放送局の事例

地方放送局の社員が企業アカウントで政党を批判して炎上し、懲戒解雇となった事例です。社員は「〇〇党はいらない」といった趣旨のハッシュタグをつけ、汚い言葉で特定の政党を批判したようです。放送局の社員のツイートということで、社会的な影響も大きかったと考えられています。

某ECサイトと同じように、SNS担当者のミスによる事例ですが、企業としては「そもそも担当者としてふさわしい人材かどうか」という観点も重要です。個人ツイートと間違えて発信したとしても、ツイート内容に問題がなければ、大きな炎上には繋がらないからです。

民間企業の事例

某民間企業の人事担当者が待遇面に関するツイートをして炎上した事例です。「給料や待遇で会社を選ぶ人とは働きたくない」といった趣旨の投稿でしたが、「そもそも待遇に問題があるのでは?」という批判が集まったようです。

このように、担当者が問題ないと考えて発信した内容でも、世間と価値観がずれている場合、炎上に繋がるリスクがあります。防止するには、公平な観点からのダブルチェックが必要です。

X(旧Twitter)の炎上が治まったその後の対応

X(旧Twitter)の炎上が沈静化した後の対応を解説します。以下について検討することが大切です。

  • ● ツイートはダブルチェックしてから発信する
  • ● 企業プランニングに力を入れる
  • ● 炎上の元となる投稿を素早く見つける

ツイートはダブルチェックしてから発信する

前述したように、企業アカウントのツイートはダブルチェックが大切です。事前にダブルチェック体制が構築されていれば、避けられた炎上も多いはずです。今後のために複数名(少なくとも2名以上)のチェック体制を整えてください。

また、担当チームにお客様対応の経験者がいるかどうかもポイントになります。SNSはコミュニケーションツールなので、「インターネットに詳しいから」という理由だけで担当者を選任しても、スムーズに機能しない可能性が高いからです。ツイート内容だけではなく、リプライに対して感情的に反応したり、汚い言葉で罵ったりする行為も炎上に繋がります。

何気ない言葉が問題視されることもあるので、メイン担当者が作成したツイートの内容をダブルチェックしてください。

企業ブランディングに力を入れる

企業アカウントに多数のファンがついていれば、炎上しかけた際に助けてもらえる可能性があります。そのために質の高いツイートを心がけるだけでなく、積極的なコミュニケーションを図ることも大切です。

例えばリプライにお礼のコメントを返したり、商品・サービスの感想をツイートしたユーザーにリプライやリツイートをしたりといった対応です。

普段から好意的なリプライが多い企業アカウントに関しては、ひやかしのリプライをしづらいものです。ひやかしのリプライが少なければ、炎上リスクを抑えられます。そのためにはX(旧Twitter)の中で多くのファンを獲得することを意識してください。

炎上の元となる投稿を素早く見つける

社外の第三者がきっかけで炎上した場合、再発を防ぐための継続的なリサーチが大切です。企業アカウントのツイート自体に問題はなくても、商品・サービスに不満を持ったユーザーが批判的なツイートを行うかもしれません。そのようなツイートを早期発見できれば、企業として対応できます。

具体的には、ソーシャルリスニングツールの活用を検討してください。前述したようにソーシャルリスニングツールを導入することで、自社に関するツイートを発見しやすくなります。

X(旧Twitter)の炎上対策にも『Quid Monitor(旧NetBase)』の活用がおすすめ

X(旧Twitter)の炎上とは「ツイートへのリプライでの誹謗中傷や、リツイートによる拡散が爆発的かつ長期的に続く状態」といえます。

X(旧Twitter)の企業アカウントが炎上する原因として、不適切な投稿内容や商品・サービスに関する過失、操作・社員の投稿ミスなどがあります。

最初は小さな火種でも、深掘りされて事態が大きくなり、炎上するケースがあるので注意が必要です。炎上に対処しなかった場合、企業の信用やイメージが悪化することが考えられます。

SNSの中でも、特にX(旧Twitter)は炎上しやすいといわれていますが、防止するには正しい情報の発信やSNS運用マニュアルの作成、ダブルチェック体制などが大切です。

特に炎上しそうなツイートを素早く発見することにより、事前に炎上を防ぎやすくなります。そのためには、ソーシャルリスニングツールの利用がポイントです。

『Quid Monitor(旧NetBase)』は企業名やブランド名など、特定のキーワードに関して、「SNS上で誰がどのように発信しているか」をモニタリングできます。

また、『Rivai IQ』はX(旧Twitter)のいいね、リプライ、リツイート、エンゲージメントなどを自動収集・分析できるツールです。

どちらも炎上の防止が見込めるツールなので、まずはお気軽にお問い合わせください。

Quid Monitor(旧NetBase)の詳細・資料ダウンロードはこちら
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