導入事例

日本航空株式会社

BI ツール連携とリアルタイムでの投稿情報の分析・即時社内共有により、全社的なソーシャルリスニング文化を醸成

総務本部広報部Webコミュニケーショングループグループ長 山名 敏雄氏

日本航空株式会社(以下JAL)様は、「ネットコミュニケーションは即時性が重要で、デイリーベースで社内共有の仕組みが作れないか」 という課題感から、2017年11月にQuid Monitor(旧NetBase)を導入。 日々刻々と変化するソーシャルの声を、BIツールを用いて別データを組み合わせて調査・分析。施策評価やリスク管理に活用されて います。自社・競合他社の投稿情報を、日々CSVに出力し投稿情報を確認。自社に関係のあるコメントを日報として情報共有を積み 重ねることで、社内からグループ会社に至るまでソーシャルリスニング文化を醸成することに成功しました。 Quid Monitor(旧NetBase)導入決定のきっかけから現在の運用について、広報部 Webコミュニケーショングループ グループ長 山名敏雄様にお話を 伺いました。

複数ツールをテスト導入して要件を絞る

Quid Monitor(旧NetBase) 導入以前の御社のソーシャ ルリスニング状況をお聞かせください。

2016年、ブランディングを行うコミュニケーション本部(現在廃止)において、な角度から施策評価なWebを活用したユーザーとのコミュニケーション戦略を検討する新部署が開設されました。それ以前のソーシャルリスニングは、別部署で別のツールを使い、定期的に月報という形で行われていましたが、頻繁にチェックしていた訳ではありません。
以前から社内でも「ネットコミュニケーションは即時性が重要、今の状況ではいけない」という課題感があったようです。新部署が開設した時に、もっと便利なツールを使って、デイリーベースで社内共有できるソーシャルリスニングの仕組みが作れないかという話が具体化しました。

ツール探しはどのように?

最初は安価なツールを3つほどテスト導入して比較検討を行いました。使っているうちに、ソーシャルリスニングツールを単体で導入するというより、BIツールにデータを流し込んで他のデータと組み合わせて、さまざまな角度から施策評価などを行っていきたいと考えるようになりました。そこでBIツールとの連動のためのAPIが装備されているなど、いくつか新たな要件が絞り込めました。

導入のための要件整理
● BIツールとAPIで連携ができる(必須条件)
● BIツール側で連動のためのコネクタが用意されている(必須条件)
● 基本料金内でどのくらいのデータが取得できるか?/過去のデータはどこまで遡れるか?
● 1回にDLできる制限数はどのくらいか

2017年からは、当社の要件に合ったツールを再度探し始めました。
最初の1年くらいは、テスト的に使いながらツール毎のメリット/デメリットを知るという感じでした。正直、すべての要件をカバーするツールは、当時まだありませんでした。ツール探しには、デジタルマーケティングの第一線で活躍している人たちの生の声が役立ちました。
カンファレンスやセミナーでの情報収集は大切ですね。

最終3社比較の絞り込みでQuid Monitor(旧NetBase)に決定

Quid Monitor(旧NetBase)を知ったきっかけは?

たまたまセミナー講演会場でQuid Monitor(旧NetBase)のブースに偶然出会いました。その後、訪問いただいて説明をよく伺って、最終選定で絞り込んだ3社のツールのひとつとなりました。

3社比較でQuid Monitor(旧NetBase)に決定したポイントは何でしょう?

10社程度の候補から最終的に絞り込んだポイントは、「BIツールとのAPI連携があるかどうか」でした。日本製ツールは使いやすいが、単体で完結して設計されているためほとんどBIツールと連携できるAPIがありません。絞り込んだ3社のツールは、当社が希望する要件はすべて満たしていました。ただ、1社はAPI連携でオプション料金が高くなる、もう1社は過去データの遡りができるために基本料金が高かった。
私は、今起きていることを日々追いたいという方針でしたので、過去データは重視していません。そこでQuid Monitor(旧NetBase)導入を決定しました。

1日300件の投稿情報を社内へ即時日報共有へ

現在の運用をお聞かせください。

X(旧Twitter)だけでいえば、1日5千件をダウンロードしていますが、ボタンをクリックしてからダウンロードまでのレスポンスは数秒。待たされることはありません。ダウンロードしたCSVデータ自体も見やすいため、複雑な加工をする必要はない。必要な本文と投稿日時だけ拡大して、時間をかけずに日々の業務が出来ています。
私の毎日のルーチンワークとして、自社1500件・他社1500件の関連投稿をすべて目視チェックしています。そこからJALに対するユーザーの感情が含まれているものを中心に300件くらいを抜き取って、HTMLメールに貼り付けて社内へ即時配信。「JALに関わっている人には最低限これだけは見てほしい」という、自分からの情報発信の意味合いも強いです。

全社配信で工夫されていることはありますか?

日報は文字情報だけのテキストメールではなかなか見てもらえません。メールのプレビュー機能を利用したHTMLメールで配信しています。HTMLメールへの編集作業は多少時間はかかりますが、編集した方が圧倒的に見てもらえる確率が高まります。ダウンロードした全件分のCSVデータもメールに添付しているので、「もっと詳細を確認したい」「他の投稿も見たい」という人は、添付ファイルを開いて確認できます。また、毎日日報を見ていない人にもわかるように、週報には先週の概況について5行ほどのコメントをプラスして配信しています。

たった1件のつぶやきからリスクヘッジや改善に

全件目視チェックというのは大変な作業ではないでしょうか?

お客さま一人一人の投稿には、重要なこと・意味のあること・リスクなどが必ず含まれているはずです。私はマーケティングの目的だけでなくリスク管理の面でも見ているので、全件目視チェックは必要なことだと考えています。ある施策があって、その時の投稿を全件追いかけてみると、ネガ・ポジ比率の割合が体感としてわかります。重要なのは「本文をしっかり見ていくこと」です。
そのためには、Quid Monitor(旧NetBase)のように素早くデータが取り出せて、複雑な加工なく見やすいレイアウトであるということは重要だと思います。どのツールもそうですが、画像表示には1画面あたりの表示数に限りがあり、次を見るための読み込みに時間がかかります。CSVで全件落とした方が、より多く一瞬で見ることができて間違いなく早いですね。

全件目視チェックで得た効果などはありますか?

全件目視チェックで、当社の動画広告の間違いがわかり、リスクヘッジにつながったことがあります。その動画広告はお預かりした手荷物を丁寧に取り扱っていることを伝える内容でしたが、スーツケースの中にiPadを収納している1場面がありました。リチウムイオンバッテリー搭載のデバイスは手荷物預けにはできません。これを指摘するツイートがたった1件だけあったのです。関連部署にすぐ連絡して、動画広告は即日配信停止としました。他にも、JALラウンジ内のトイレットペーパーがシングルロールで切れやすいというお客さまのツイートを見て、翌月からダブルロールに変えたなどのサービス改善事例もあります。一人のお客さまの声が、他の大勢のお客さまの声を代弁していることは多くあります。1件のツイートにも大きな意味が含まれていると思います。

全社的なソーシャルリスニング文化の醸成へ

会社的にSNSへの意識の変化はありましたか?

日報と週報によって、全社にSNSへの意識が浸透したと思います。他部署から施策やキャンペーンの定量評価や調査を行って欲しいという依頼もあります。部署によっては、業務に関連したネガティブなコメントをお客さまの声として検討する会議を開いているという話を聞いたことがあります。社内で多様な活用が行われています。グループ会社もソーシャルリスニングに興味を持って、すでに自社でやり始めている会社がありますし、他にもやってみたいという話が来ています。グループ各社が「自分の会社に関する部分は自分たちで見ていく」というソーシャルリスニング文化が醸成されていき、その輪がもっと広がっていくと良いと思います。

今後は複数のデータをマージして可視化したい

Quid Monitor(旧NetBase)を活用して今後やっていきたいことはありますか?

たとえばQuid Monitor(旧NetBase)のデータを使えば、インスタグラムでJALのことを積極的に発信しているお客さまについて、JAL公式アカウントの投稿に「いいね」をどのくらい押してくれているか?1年間にどのくらい投稿しているか?というインサイトデータを取得できます。BIツールでSNSツールを横断したデータをマージすれば、いままでバラバラに施策効果を見ていたものも、まとめて可視化して比較検討できるようになると思います。今後やっていきたいことのひとつです。

本記事の監修者

プロダクト本部 副本部長 山本 豊

山本 豊 プロダクト本部 副本部長

リクルートでキャリアを開始し、マクロミルに入社。マクロミルにて、リサーチ・データ事業の拡大に従事。その後、コロプラにて、リサーチ・データ関連の新規事業の立案・推進。複数のIT企業にてデータ関連事業に関わった後、2021年7月より現職。生成AIアプリ開発ツール「Dify」、ソーシャルリスニングツール「QUID」の拡大に従事。

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