Facebook、InstagramやX(旧Twitter)、LINE、TikTokなど、さまざまなプラットフォームに広告を出稿できます。
SNS広告の費用は課金方式や広告媒体によって変わりますが、具体的にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
本記事では、SNS広告の費用相場や料金を計算する仕組み、主要なSNS広告ごとの料金相場、SNS広告の選び方や費用対効果を高めるポイントを詳しく解説します。
目次
SNS広告とは? SNSに配信する広告のこと
そもそもSNS広告とは、SNS上に配信する広告を指す言葉です。例えばSNSの投稿やタイムライン(フィード)、アプリ画面などに広告が表示され、自由に配信面(配信場所)を選べます。
出稿できる広告の種類も、SNSによってさまざまです。
例えばテキストやバナー、画像、動画、ストーリーズ(24時間で消える広告)、カルーセル広告(スライドショー形式の広告)などがあります。
商品やサービスに合わせて、広告の種類を選べるのがSNS広告のメリットの一つです。また、SNSの高い拡散力を活かして、多くのユーザーに自社の商品やサービスについての情報をシェアしてもらえます。
インターネット広告の中でも、SNS広告の需要は右肩上がりに伸びています。
総務省の令和4年通信利用動向調査によると、SNSを利用している人の割合は80.0%で、ほぼ全ての年代で利用率が増加していることが分かりました。
また、SNSの利用目的を見ると、「知りたいことについて情報を探すため」と回答した人の割合は64.5%です。(※)
SNSで情報収集をする人が増えた結果、SNS広告が商品やサービスの売れ行きや、企業ブランディングに大きな影響を及ぼすようになりました。
※参考:総務省. 「令和4年通信利用動向調査」. https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/230529_1.pdf, (2023-10-10).
リスティング広告との違い
SNS広告と誤解されやすいのが、リスティング広告と呼ばれる広告形態です。SNS上に広告が表示されるSNS広告と違って、GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジン上に広告が表示されるのがリスティング広告です。
またSNS広告とリスティング広告では、ターゲティング(広告を表示するユーザーを絞り込む仕組み)の方法も違います。
SNS広告の場合はユーザーの年齢や性別、興味関心、行動履歴に応じてターゲティングが行われ、関連性が高い広告が表示されます。
リスティング広告は、ユーザーの検索キーワードに連動して広告を配信するのが特徴です。
そのため、SNS広告は潜在層(ぼんやりとした興味関心しかないユーザー)へのアプローチを、リスティング広告は顕在層(興味関心がはっきりしているユーザー)へのアプローチを得意としています。
主要なSNSの利用率
主要なSNSとして挙げられるのが、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTokなどです。この5つのSNSを合わせて5大SNSと呼びます。
SNSによって中心となるユーザー層が違うため、自社のターゲットに合ったSNSに広告を出稿する必要があります。
総務省の令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書によると、主要なSNSの利用率は以下のとおりです。(※)
|
全年代 |
10代 |
20代 |
30代 |
40代 |
50代 |
60代 |
男性 |
女性 |
LINE |
94.0% |
93.6% |
98.6% |
98.0% |
95.0% |
93.8% |
86.0% |
91.3% |
96.8% |
X(旧Twitter) |
45.3% |
54.3% |
78.8% |
55.5% |
44.5% |
31.6% |
21.0% |
44.3% |
46.2% |
|
29.9% |
11.4% |
27.6% |
46.5% |
38.2% |
26.7% |
20.2% |
31.6% |
28.2% |
|
50.1% |
70.0% |
73.3% |
63.7% |
48.6% |
40.7% |
21.3% |
41.4% |
58.9% |
TikTok |
28.4% |
66.4% |
47.9% |
27.3% |
21.3% |
20.2% |
11.8% |
25.7% |
31.2% |
例えば、Instagramは10代や20代の女性ユーザーが多く、X(旧Twitter)は30代のユーザー層が中心であることが分かります。
こうした年代別の利用率も考慮しながら、SNS広告を配信する媒体を選びましょう。
※参考:総務省. 「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」. https://www.soumu.go.jp/main_content/000887588.pdf, (2023-10-10).
SNS広告の料金を計算する仕組み
SNS広告は、運用型広告と呼ばれる仕組みを採用している場合がほとんどです。運用型広告では、広告を運用した成果に応じてリアルタイムに広告費用が課金(入札)されます。
SNS広告の課金方式は、大きく分けて6つあります。
課金方式 |
仕組み |
主要なSNS |
クリック課金(CPC) |
広告のクリック数に応じて課金される仕組み |
|
インプレッション課金(CPM) |
広告が表示された回数に応じて課金される仕組み |
|
インストール課金(CPI) |
アプリがインストールされた回数に応じて課金される仕組み |
|
エンゲージメント課金(CPE) |
ユーザーが広告に対して何らかの反応を行った回数に応じて課金される仕組み |
|
動画再生時間課金(CPV) |
広告動画が視聴された時間に応じて課金される仕組み |
|
フォロー課金 |
SNSのフォロワーを獲得した回数に応じて課金される仕組み |
|
SNS広告にかかる費用は、課金方式によって差があるため、大まかな相場を知っておくことが大切です。
課金方式別に見たSNS広告の費用相場
ここでは、課金方式別に見たSNS広告の費用相場を紹介します。- クリック課金(CPC)
- インプレッション課金(CPM)
- インストール課金(CPI)
- エンゲージメント課金(CPE)
- 動画再生時間課金(CPV)
- フォロー課金
特にクリック課金やインプレッション課金は、ほとんどのSNSで採用されているため、大まかな予算感を覚えておきましょう。
クリック課金の費用相場
クリック課金は、広告がクリックされた回数に応じて費用が発生する課金方式です。クリック課金はFacebookとInstagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTokの5大SNS全てで利用できます。
クリック課金の単価は、以下の計算式で求められます。
- 広告費÷クリック数
クリック課金の費用相場は、1クリック当たり24~200円です。
広告の競合他社が多ければ多いほど、クリック課金の単価が上がります。
クリック課金は広告費がやや高めですが、広告が表示されただけでは費用がかかりません。
ユーザーが広告をクリックし、ランディングページやキャンペーンサイトにアクセスした段階で広告費が発生するため、コンバージョンに結びつきやすい課金方式だといわれています。
インプレッション課金の費用相場
インプレッション課金とは、広告が表示された回数(インプレッション)に応じて料金がかかる課金方式のことです。インプレッション課金は、広告の表示回数1,000回ごとに広告費が発生するのが特徴です。
インプレッション課金の単価は、以下の計算式で求められます。
- 広告費÷インプレッション数×1,000回
インプレッション課金の費用相場は、表示回数1,000回につき400~650円です。
広告が表示された後、ユーザーが広告をクリックしても追加料金は発生しません。
そのため、広告のコンバージョン(クリック数)が多ければ多いほど、費用対効果が高くなるのが特徴です。
インプレッション課金は、幅広い層のユーザーに広告を配信し、自社について知ってもらいたい場合に適しています。
例えば、新商品のプロモーションやブランディングを目的としたSNS広告で、インプレッション課金が選ばれる傾向にあります。
インストール課金の費用相場
インストール課金は、SNS広告を通じて自社のアプリがインストールされた回数に応じて料金が発生する課金方式です。主要なSNSでは、InstagramやX(旧Twitter)でインストール課金を選択できます。
インストール課金の費用相場は、インストール1件につき100~250円です。
広告が表示されたりクリックされたりしても、インストールに結びつかなければ広告費は発生しません。
そのため、自社アプリのインストールが目的の場合は、費用対効果が高い課金方式です。
エンゲージメント課金の費用相場
エンゲージメント課金は、主要なSNSではX(旧Twitter)のみが採用している課金方式です。エンゲージメント課金では、広告に対して、ユーザーが「いいね」や「リポスト(リツイート)」などのアクションを起こしたときに広告費が発生します。
エンゲージメント課金の費用相場は、アクション1件につき40~100円です。
X(旧Twitter)では、ユーザーの「いいね」や「リポスト(リツイート)」を通じて、他のユーザーに投稿が表示される仕組みになっています。
自社の広告をどんどん拡散して欲しい場合は、エンゲージメント課金を選びましょう。
動画再生時間課金の費用相場
動画再生時間課金はFacebookやInstagram、X(旧Twitter)、TikTokなど、動画広告を配信可能なSNSで利用される課金方式です。動画再生時間課金では、動画広告の視聴時間に応じて広告費が発生します。
ただし指定した再生数に達しなかった場合、広告費は一切かかりません。
動画再生1回当たりの課金額を平均すると、5~20円です。
SNSによっては、動画が長時間視聴されると、追加の広告費が発生する場合があります。
例えば、Facebookの動画広告の場合、15秒より長い動画の再生時間が15秒を超したときに料金が発生する課金オプションがあります。
フォロー課金の費用相場
フォロー課金は、主要なSNSではX(旧Twitter)でのみ採用されている課金方式です。Xアカウントがフォローを獲得した件数に応じて、広告費が課金されます。
フォロー課金の費用相場は、フォロー1件につき40~100円です。
Xアカウントを開設して間もない時期の広告出稿や、自社のファンを増やしたい場合に効果的な方法です。
Facebook広告の特徴や費用の目安
ここでは、Facebook広告の特徴や主なターゲット層、広告を出稿した場合の費用相場を解説します。Facebook広告の特徴
Facebookは他の主要SNSと違って、実名制のSNSです。ユーザーが実名でアカウントを取得するため、広告のターゲティングに実生活に関わる情報が反映されます。
ターゲティングの精度が高く、狙ったターゲットに広告を配信できます。
広告の配信画面も自由に設定が可能です。
具体的にはニュースフィードやストーリーズ、検索画面など、幅広い場所に広告を表示できます。
同じMeta社のSNSであるInstagramや、メッセージサービスのMessengerと連動して広告を配信することも可能です。
Facebook広告のターゲット層
Facebookは比較的ユーザーの年齢層が高く、30代から40代にかけての男性がメインのターゲット層です。また、ビジネスパーソンの登録者が多いため、企業や法人をターゲットとしたBtoB向けの広告に適しています。
Facebook広告の課金方式と費用相場
Facebook広告で採用されている課金方式は以下の3つです。
課金方式 |
費用相場 |
クリック課金 |
1クリックにつき24~200円 |
インプレッション課金 |
インプレッション1,000回につき400~650円 |
動画再生時間課金 |
動画再生1回につき5~20円 |
広告の出稿量にもよりますが、毎月の広告予算のイメージは2~3万円です。
Facebook広告では、銀行振込の他、クレジットカードやデビットカード、PayPalなどの支払い方法が利用できます。
Facebook広告を出稿する流れ
Facebook広告を出稿する場合は、あらかじめFacebookアカウントとFacebookページを作成するのがおすすめです。広告のターゲットや予算については、Metaビジネスマネージャ(Facebookビジネスマネージャ)で管理するとよいでしょう。
Metaビジネスマネージャは、同じMeta社のInstagramでも使えるツールです。
Facebook広告を出稿する流れは以下のとおりです。
- 広告キャンペーンの目的を選択する
- オーディエンス(広告ターゲット)を設定する
- 広告の配置(配信面)を設定する
- 広告の予算を設定する
- 画像や動画、ストーリーズ、カルーセルなど、広告フォーマットを選択する
Instagram広告の特徴や費用の目安
ここでは、Instagram広告の特徴や主なターゲット層、広告を出稿した場合の費用相場を解説します。Instagram広告の特徴
Instagramは、写真や動画を中心としたビジュアル重視のSNSです。ファッションやコスメ、グルメ、ホテルなど、写真映えする商品やサービスの訴求効果が高いとされています。
また、Instagramのショッピング機能を活用すれば、広告から直接商品購入ページにリンクできます。
宣伝色が薄く、自社の商品やサービスについての情報を自然に発信できるSNSです。
Instagram広告のターゲット層
Instagramのメインユーザーは、10代から30代にかけての年齢層です。特に女性ユーザーの割合が高いため、女性向けのコンテンツを発信すると、広告がクリックされたり、動画が再生されたりする可能性が高くなります。
Instagram広告の課金方式と費用相場
Instagram広告で採用されている課金方式は以下の4つです。
課金方式 |
費用相場 |
クリック課金 |
1クリックにつき24~200円 |
インプレッション課金 |
インプレッション1,000回につき400~650円 |
インストール課金 |
インストール1回につき100~250円 |
動画再生時間課金 |
動画再生1回につき5~20円 |
Instagram広告は、クリック課金やインプレッション課金が中心ですが、自社アプリに誘導するインストール課金や、動画広告を配信する動画再生時間課金なども利用できます。
Instagram広告の動画再生時間課金は、動画の再生時間が10秒未満の場合、広告費用が発生しません。
Instagram広告を新しく始める場合は、毎月の広告予算を2~3万円程度と見積もっておきましょう。
Instagram広告を出稿する流れ
Instagram広告はFacebook広告と同様、Metaビジネスマネージャ(Facebookビジネスマネージャ)で広告を管理します。Instagramアカウントだけでなく、Facebookアカウントが必要な点に注意してください。
Instagram広告を出稿する流れは以下のとおりです。
- InstagramアカウントとFacebookアカウントを連携する
- 広告キャンペーンの目的を選択する
- オーディエンス(広告ターゲット)を設定する
- 広告の配置(配信面)を設定する
- 広告の予算を設定する
- 画像や動画、ストーリーズ、カルーセルなど、広告フォーマットを選択する
X広告(旧Twitter広告)の特徴や費用の目安
ここでは、X広告(旧Twitter広告)の特徴や主なターゲット層、広告を出稿した場合の費用相場を解説します。X広告(旧Twitter広告)の特徴
X(旧Twitter)は、ユーザーの「いいね」や「リポスト(リツイート)」によって、情報の二次拡散を狙いやすいSNSです。二次拡散には広告費用がかからないため、ユーザーの興味を引く広告を出稿することで、コストをかけずに高い宣伝効果を得られます。
以前はX(旧Twitter)という名称でしたが、2023年7月よりブランド名やロゴが「X」に変更されました。
従来のX(旧Twitter)広告は、新たにX広告としての運用が可能です。
X広告は、タイムラインに表示されるテキスト広告やバナー広告、動画広告、カルーセル広告などの種類から選べます。
X広告(旧Twitter広告)のターゲット層
X(旧Twitter)のユーザーは、10代から30代にかけての年齢層が多く、主に若年層をターゲットとした広告に向いています。特に20代のユーザーの利用率は約80%と非常に多いため、ターゲットの年齢層に合わせて広告を出稿しましょう。
また、Xにはポストを検索する機能があるため、SNSで情報収集を行うユーザー層へのリーチも期待できます。
ハッシュタグやトレンドのキーワードなども活用しながら、キーワード検索に引っかかるように広告内容を工夫しましょう。
X広告(旧Twitter広告)の課金方式と費用相場
X広告(旧Twitter広告)で採用されている課金方式は以下の6つです。
課金方式 |
費用相場 |
クリック課金 |
1クリックにつき24~200円 |
インプレッション課金 |
インプレッション1,000回につき400~650円 |
インストール課金 |
インストール1回につき100~250円 |
エンゲージメント課金 |
アクション1回につき40~100円 |
動画再生時間課金 |
動画再生1回につき5~20円 |
フォロー課金 |
フォロー1件につき40~100円 |
X広告では、他の主要SNSにはないエンゲージメント課金やフォロー課金も選択できます。
またX広告の動画広告は、プレロール広告(提携している200以上のコンテンツ配信パートナーの動画の、本編前に再生される動画広告)も配信でき、プレロール再生数に応じた料金がかかります。(※)
X広告の予算感は、毎月2~3万円程度を目安にしましょう。
他のSNSと違って、広告費の支払いはクレジットカードのみで可能です。
※参考:X. 「プレロール再生数キャンペーンを作成する」. https://business.twitter.com/ja/help/campaign-setup/create-a-pre-roll-views-campaign.html, (2023-10-10).
X広告(旧Twitter広告)を出稿する流れ
X広告(旧Twitter広告)を出稿する場合、まず広告アカウントを用意する必要があります。旧Twitter広告と違って、認証されたアカウントが必要な点に注意してください。
Xプレミアム(旧Twitter Blue)に加入するか、組織の認証バッジ(ゴールド認証バッジ)を取得したアカウントが必要です。
その後広告マネージャを活用し、広告キャンペーンの作成やターゲティングを行います。
X広告を出稿する流れは以下のとおりです。
- Xの広告アカウントを開設する
- 広告マネージャから広告キャンペーンを作成する
- 過去にポストした投稿(オーガニックツイート)か、新しく作成した投稿を広告として利用する
- 広告キャンペーンの審査を受ける
X広告では、広告ポリシーに基づく審査を通過しなければ他のユーザーに広告が表示されません。審査状況は、広告キャンペーンのクリエイティブセクションで確認できます。
LINE広告の特徴や費用の目安
ここでは、LINE広告の特徴や主なターゲット層、広告を出稿した場合の費用相場を解説します。LINE広告の特徴
LINEは、主に家族や友人とのコミュニケーションツールとして利用されることが多いSNSです。LINEはX(旧Twitter)などのSNSと異なり、二次拡散は期待できません。
その一方で、タイムラインやトークリストの上部、LINE VOOM、LINEマンガ、LINEニュース、LINEショッピングなど、さまざまな場所に広告を配信できるところが強みです。
LINE広告のターゲット層
LINEは幅広い年齢層で利用されており、シニア世代へのリーチも期待できます。50代の利用率は93.8%、60代の利用率は86.0%で、男女差もほとんどありません。
またコミュニケーションツールという性質上、アクティブユーザーが多いのもLINEの特徴です。
若年層が中心のInstagramやTikTokなどではリーチしづらいユーザーに広告を配信できるのが、LINE広告のメリットです。
LINE広告の課金方式と費用相場
LINE広告で採用されている課金方式は以下の2つです。
課金方式 |
費用相場 |
クリック課金 |
1クリックにつき24~200円 |
インプレッション課金 |
インプレッション1,000回につき400~650円 |
LINE広告の場合、クリック課金かインプレッション課金のいずれかを選ぶことになります。
LINE広告では、タイムラインなどに動画広告を表示できますが、課金方式は動画再生時間課金ではなく、インプレッション課金が適用されます。
動画広告が完全に表示された回数(=インプレッション)に応じて、広告費が計算されることを知っておきましょう。
LINE広告は最低出稿額が決められていないため、100円や1,000円などの低予算から始めることもできます。
LINE広告を出稿する流れ
LINE広告を出稿する場合の流れは以下の通りです。- LINE Business ID(公式アカウント)を取得する
- LINE for Businessで広告キャンペーンを作成する
- ターゲットや入札単価、日予算(1日当たりの広告予算)を設定する
- LINE広告のガイドラインに基づく審査を受ける
LINE Business IDは、送信できるメッセージ数などの制限はあるものの、公式アカウントは無料で開設可能です。
TikTok広告の特徴や費用の目安
ここでは、TikTok広告の特徴や主なターゲット層、広告を出稿した場合の費用相場を解説します。TikTok広告の特徴
TikTokは、ショート動画の投稿や共有に特化したSNSです。
中国のByteDance(バイトダンス)社がリリースし、日本国内でも10代の若者を中心に人気を集めています。
TikTok広告のメインは動画広告です。
歌やダンスを取り入れ、短い時間でキャッチーなメッセージをまとめた広告が主流です。
TikTok広告の主な種類として、アプリ起動時広告の他、ショート動画の間に再生されるインフィード広告などがあります。
また、人気のTikTokerを起用し、自社の商品やサービスをPRしてもらう広告手法(タイアップ広告)も効果的です。
TikTok広告のターゲット層
TikTokは比較的新しいプラットフォームで、10代を中心とした若年層がメインユーザーです。TikTokの利用率は、全年代を平均すると28.4%ですが、10代のユーザーに限定すると66.4%もあります。
10代から20代にかけての若年層にリーチしたい場合は、TikTok広告を出稿してみましょう。
TikTok広告の課金方式と費用相場
TikTok広告で採用されている課金方式は以下の3つです。
課金方式 |
費用相場 |
クリック課金 |
1クリックにつき24~200円 |
インプレッション課金 |
インプレッション1,000回につき400~650円 |
動画再生時間課金 |
動画再生1回につき5~20円 |
アプリ起動時広告の課金方式はインプレッション課金が採用されており、インプレッション1,000回につき24~200円の広告費が発生する仕組みになっています。
他のSNSと異なるのは、インフィード広告の料金形態です。
TikTok広告では、インフィード広告の最低出稿額が決められており、広告予算が42万円以上の場合のみ運用できます。
インフィード広告は一定の成果が期待できるものの、まとまった金額の広告予算を準備する必要があることを知っておきましょう。
TikTok広告を出稿する流れ
TikTok広告を出稿する流れは以下の通りです。- TikTok For Businessのページから広告用のアカウントを作成する
- 審査を受ける
- TikTok広告マネージャーを使用して、広告キャンペーンの目的やユーザーの性別や年齢、言語、興味関心を設定する
- TikTokアカウントで投稿した動画もしくは別途撮影した動画をアップロードして配信する
TikTok広告の場合、アカウントを開設した段階で審査が行われるのが特徴です。
審査期間の目安は、約1営業日ほどで完了します。
また、すでにTikTokアカウントを登録している場合は、「Sign up with TikTok」を押し、会社名や住所などのビジネス情報を入力しましょう。
SNS広告の選び方
SNS広告といっても、媒体によって強みや弱みがあります。SNSのユーザー層に合った広告や、マーケティングの目的に合った広告を出稿することで、より宣伝効果を高められます。
SNS広告を出稿するときは、以下の2つの視点で媒体を選びましょう。
- SNSのユーザーで選ぶ
- 広告を出稿する狙いで選ぶ
SNSのユーザーで選ぶ
SNS広告を出稿する媒体で迷ったら、SNSの中心となるユーザー層で選びましょう。前述のとおり、SNSによってユーザー層の年齢や性別、主な属性が違います。
例えば、Instagramは若い女性に人気があり、TikTokは10代のユーザーが中心です。
自社のターゲットが企業や法人の場合(BtoBなど)は、ビジネスパーソンの利用者が多いFacebookがおすすめです。
ターゲット |
主要なSNS |
全年代 |
LINE |
女性 |
|
若年層 |
X(旧X(旧Twitter))、TikTok |
企業や法人 |
|
幅広いターゲットに広告を出稿したい場合は、ほとんどの年齢層で利用率が90%を超えているLINEが適しています。
このようにSNSごとのメインユーザーを分析して、反響が得られそうな媒体を選びましょう。
広告を出稿する狙いで選ぶ
SNS広告を出稿する狙いによっても、選ぶべき媒体が変わってきます。例えば、自社のファンを獲得したい場合は、フォロワーを増やしやすいX(旧Twitter)に広告を出稿すると、目的を達成できる可能性が高くなります。
また、広告のターゲットを細かく絞り込みたい場合は、ターゲティングの精度が高いFacebookやInstagramがおすすめです。
広告を出稿する目的 |
主要なSNS |
ターゲットを細かく絞り込んで、顕在層にアプローチしたい |
Facebook、Instagram |
広告をリポストしてもらい、どんどん拡散して欲しい |
X(旧X(旧Twitter)) |
幅広い年代のユーザーに広告を配信したい |
LINE |
宣伝色を薄くして、自然な形で広告を配信したい |
|
自社の認知度を高め、ブランディングしたい |
TikTok |
フォロワーを増やし、自社のファンを育てたい |
X(旧X(旧Twitter)) |
自社の認知拡大やブランディングを狙う場合は、3DやARなどの先端技術を活用して、ブランドを擬似的に体験できるTikTokも適しています。
SNSによってできることとできないことを整理し、広告の運用目的を達成しやすい媒体を選びましょう。
SNS広告の費用対効果を高めるポイント
SNS広告の費用対効果を高めるポイントは、主に3つあります。- ターゲットの自動最適化を利用する
- フリークエンシーキャップを設定する
- リターゲティング広告を配信する
主要なSNSには広告ターゲットの自動最適化や、フリークエンシーキャップの設定など、広告運用をサポートする機能が用意されています。
SNS広告の機能を有効活用して、費用対効果を高めましょう。
ターゲットの自動最適化を利用する
SNS広告のターゲットは年齢や性別、地域、興味関心などの属性に基づいて、自由なカスタマイズが可能です。ターゲティングによって、自社の顧客になる可能性が高いユーザーを絞り込み、優先的に広告を配信できます。
SNS広告の運用が不慣れな方の場合は、手動でターゲティングを行うよりも、ターゲットの自動最適化機能を利用するのがおすすめです。
例えば、X(旧Twitter)の自動ターゲティングや、Facebookのオーディエンス機能が一例です。
主要なSNSには、ユーザーの行動履歴をアルゴリズムが自動で学習して、コンバージョンにつながる可能性が高いターゲットを絞り込む機能が用意されています。
ターゲットの自動最適化を利用すれば、SNS広告の費用対効果を高めることが可能です。
FacebookやInstagramなどのMeta社の広告の場合、ターゲットを狭くしすぎるよりも、ある程度幅広いターゲットに配信した方が平均的なパフォーマンスが高いというデータもあります。(※)
SNS広告では、ターゲットの自動最適化を利用しつつ、細かい部分を微調整する形でターゲティングを行いましょう。
※参考:Meta. 「顧客はMetaにいます。Meta広告を使って開拓しましょう。」. https://www.facebook.com/business/ads, (2023-10-10).
フリークエンシーキャップを設定する
同一のユーザーに広告が表示された回数のことをフリークエンシーと呼びます。FacebookやX(旧Twitter)、LINEなどのSNSには、フリークエンシーの上限(キャップ)を設定し、ユーザーに同じ広告が表示されるのを防ぐ機能があります。
SNS広告の費用対効果を高めるため、フリークエンシーキャップを設定しましょう。
フリークエンシーキャップの設定により、1日に何度も同じ広告が表示される状態を防ぎ、見込みのないユーザーへの広告費用をカットできます。
同じ広告が何度も表示されると、ユーザーに不快感を与えてしまう可能性もあるため、広告の運用をつづけながら適したフリークエンシーを探っていくことが大切です。
リターゲティング広告を配信する
リターゲティング広告とは、過去に自社と接点があったユーザーに対して、時間を空けて広告を配信する機能を指します。自社の商品やサービスをすでに認知しているユーザーがターゲットとなるため、コンバージョンにつながりやすいのが特徴です。
リターゲティング広告というと、Google広告やYahoo!JAPAN広告などのリスティング広告で利用されているイメージがあるかもしれません。
SNSによっては、ユーザーの行動履歴を分析し、リターゲティング広告を配信する機能を利用することも可能です。
例えば、Facebookでは自社のFacebookページの訪問履歴を分析し、過去にアクセスしたユーザーへリターゲティング広告を配信できます。
また、X(旧Twitter)では自社サイトに専用のタグを埋め込むことで、訪問したユーザーのXアカウントにリターゲティング広告を配信する手法もあります。
リターゲティング広告を賢く活用し、SNS広告の費用対効果を改善しましょう。
SNS広告の料金や費用相場を知り、自社に合った広告媒体を選ぼう
SNS広告はFacebookやInstagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTokなど、SNS上に配信できる広告です。SNS広告の料金は、課金方式によって変動します。
クリック課金やインプレッション課金、インストール課金、エンゲージメント課金といった課金方式別の費用相場を知り、予算に合った広告を出稿しましょう。
SNS広告は、運用方法によって費用対効果に差が出ます。
ターゲットを自動で最適化する機能や、フリークエンシーキャップを設定する機能を賢く活用し、無駄な広告費用を減らすのが広告運用のポイントです。
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