近年マーケティング手法の一つとして、SNSマーケティングが重視されるようになってきています。
SNSマーケティングによる効果を上げるためには、自社にとってのメリットや具体的な方法を確認しておくことが大切です。
そこで本記事ではSNSマーケティングの概要やメリット・デメリット、代表的な手法や具体的な実施方法、成功のポイントなどを詳しくまとめました。
SNSマーケティングについての理解を深め、自社での運用にお役立てください。
そもそもマーケティングは、市場調査やデータ分析、データを活かした商品開発、広告宣伝活動、販売促進活動などを行い、購買につなげるための仕組みを作ることを意味する言葉です。
SNSマーケティングではSNSの持つ特性を活かし、自社製品の認知度を向上させたりファンを増やしたりして、最終的に購買につなげます。
SNSを活用して行うSNSマーケティングはソーシャルメディアマーケティングの一部に該当しますが、「SNSマーケティング=ソーシャルメディアマーケティング」ではありません。
ソーシャルメディアとは、多くの人に情報伝達を行うことを目的としたメディアの総称です。
SNSもソーシャルメディアの一つで、他にはブログや動画共有サイト、情報共有サイト、メッセージアプリ、ソーシャルブックマークなどがあります。
ソーシャルメディアマーケティングは、これらのメディアを使って行うマーケティング施策のことです。
SNSはFacebookやX(旧Twitter)、Instagram、TikTokなど、ユーザー同士がつながりを作り、情報発信や情報共有を行うプラットフォームのことです。
他のソーシャルメディア同様、情報共有を行うメディアであることに変わりはありませんが、SNSはよりコミュニケーションを重視したメディアを指します。
SNSマーケティングが重視されるようになった背景について解説します。
総務省が発表した「令和4年通信利用動向調査の結果」によると、平成30年は64.7%だったスマートフォンの普及率が、令和4年には77.3%にまで伸びていることが分かりました。
これに伴いSNSを利用する人も増加しており、同調査の「SNSの利用動向(個人)」では以下のような結果も出ています(※)。
上記のように13〜39歳ではSNSの利用率は90%を超えており、40〜59歳でも80%以上、80代以上でも半数以上の人がSNSを利用していることが分かりました(※)。
かつては若年層を中心に普及していたSNSですが、今や年齢に関わらず利用率が増えています。
SNSを使ったマーケティングが幅広い世代に届くようになったことで、SNS運用を始める企業も増加傾向にあります。
※参考:総務省.「令和4年通信利用動向調査の結果」.“1 情報通信機器の普及状況”“3 SNSの利用動向(個人)” https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/230529_1.pdf ,(2023-05-29).
従来インターネットを使って検索する方法は、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンが中心でした。
しかし近年、SNSを検索エンジン代わりにしている人が増えてきています。
調べものを行う際のツールとしてはまだまだ検索エンジンの需要が根強いですが、SNSを使って検索する人も増えていることから、SNSを使ったマーケティング施策は無視できないものとなってきているのです。
近年はSNSで見かける情報に影響を受ける消費者が多く、SNSを活用したマーケティング施策が、企業のマーケティング戦略において重視されるようになってきています。
SNSの特徴の一つに拡散力の高さがあります。
拡散力の程度は利用するプラットフォームによっても異なりますが、SNSは従来の情報伝達方法よりも、短期間で多くの人に情報を拡散できる可能性があります。
自社アカウントでの発信やインフルエンサーを活用した発信はもちろん、ユーザーによる商品やサービスに関する投稿が行われることで、さらに多くの人の目に商品やサービスが知られるようになるでしょう。
投稿が多数の人から注目される「バズる」状態になれば、狙っていたよりも高い認知拡大効果が得られる可能性もあります。
認知度が高まれば高まるほど、新規顧客の獲得につながっていくでしょう。
また幅広く認知されれば、潜在顧客にもアプローチできます。
リアルタイム性はSNSの特徴の一つです。
24時間365日、常にさまざまな情報が更新されているSNS上であれば、伝えたい情報をリアルタイムで発信できます。
また、発信した内容に対するユーザーの反応をリアルタイムで知ることも可能です。
ユーザーの反応に即座に対応することで、ユーザーの満足度を高める効果も期待できるでしょう。
手法によっては費用が発生するものもありますが、基本的にSNSのアカウント運用は無料で始められます。
これまでマーケティングにそれほどの予算を割けなかった会社でも、SNSマーケティングならコストを抑えて効果的な施策を行うことが可能です。
またSNSマーケティングは、ターゲットを絞った施策を打ち出しやすいです。
例えばSNSで広告を配信するSNS広告は、詳細なターゲティングができるため、ターゲット層に絞った広告配信ができ、高い費用対効果が見込めます。
自社や自社製品の価値を高め、特定のイメージを持ってもらうブランディングは、マーケティング同様、企業戦略に欠かせないものです。
SNSを使ってマーケティングを行い、多くのユーザーに自社や自社製品の認知を促せば、ブランドメッセージを伝えられます。
例えば、「◯◯といえばこの会社」と認識してもらったりポジティブなイメージを持ってもらったりと、具体的なブランディング効果が得られる可能性があるでしょう。
これまでの広告は、企業側からユーザーに一方的に情報を伝えるのが一般的でした。
しかし、ユーザーの反応に対して企業から「いいね」や返信などのアクションを取れるSNSを使えば、双方向でのコミュニケーションが可能です。
また、ユーザーのリアクションもダイレクトに確認できます。
人はコミュニケーションを密に取れば取るほど、親近感や共感を覚えやすいです。
例えば、堅い印象を持たれがちな企業がユーモアに溢れた投稿を行えば、ユーザーのイメージは変わり、より親近感を持ってもらえる可能性があるでしょう。
ロイヤリティとは、ユーザーが特定の企業やブランド、製品に対して愛着や忠誠心を持つことです。
SNSを通して積極的にコミュニケーションを取り、ユーザーと良好な関係を築けるようになると、ユーザーはその企業に対して愛着を持つようになります。
顧客ロイヤリティが向上すれば、ユーザーが自社や自社ブランドのファンになって長期的に製品を購入してくれるようになります。
そのため、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上も目指せるでしょう。
匿名性があるSNSを活用したSNSマーケティングは、ユーザーの率直な声を集めやすい傾向にあります。
ユーザーが自社や自社製品に関して投稿する内容にはポジティブなものもあれば、ネガティブなものもありますが、リアルな声を拾ってマーケティングに活かすことで、よりユーザーのニーズに合った施策が行えるでしょう。
ユーザーのニーズを満たすことで、顧客満足度の向上にもつながります。
またリアルタイムでユーザーの声を集め、即座に施策に反映できるようになります。
デメリットをカバーする方法を検討するためにも、以下2つについて、それぞれ押さえておきましょう。
拡散力が高く、リアルタイム性があるSNSは、ネガティブな内容もすぐに拡散されてしまう恐れがあります。
個人ユーザーであればそれほど問題視されないような内容だったとしても、企業アカウントの場合は大きなイメージダウンとなり、信用が失墜してしまう可能性もあるでしょう。
また、企業側の投稿が誤った解釈で拡散され、炎上につながることも考えられます。
炎上を防ぎ、最悪の場合でも最小限に食い止めるには、SNS運用に関わる担当者に対する教育の徹底が重要です。
さらに、チェック体制の整備や炎上予防ができるツールの導入を行う他、炎上してしまった場合の対処法のマニュアル化なども行う必要があるでしょう。
前述したとおり、SNSのアカウント運用は基本的に無料です。
しかしSNSマーケティングを行って効果を得るためには、長期的に運用を行いながらフォロワーを増やし、改善を繰り返す必要があります。
すぐに結果が出るものではないので、長期的に人材を確保し、運用にもそれなりにコストをかけなければなりません。
またアカウントを育てるためには定期的な投稿を行い、ユーザーと密にコミュニケーションを取る必要があります。
データ分析を行い、SNSごとの特徴を踏まえて運用するためには、知識のある人材の採用や担当者への教育も重要です。
以上のことから、SNSマーケティングは長期的に見ると、人的・時間的・経済的な運用負担が大きくなってしまうかもしれません。
しかし、効果的な施策を打ち出すことができれば、運用負担を上回る結果が得られるでしょう。
効果的なSNSマーケティングを行うには、自社やターゲットに合ったプラットフォームを選定する必要があるため、プラットフォームごとの特徴を理解しておくことが大切です。
代表的な5つのSNSの特徴を見ていきましょう。Facebook
Facebookは、SNSの中では珍しく実名登録を原則としているプラットフォームです。
実名の他、年齢・性別・仕事・ライフスタイルなどの細かい属性情報が登録されるため、詳細なターゲティングを得意としています。
日本では30〜50代のビジネスパーソンを中心に利用されており、比較的年齢層が高めなSNSといえるでしょう。
ビジネスアカウントであるFacebookページの機能が充実しており、オフィシャルな情報発信の場としても活用されています。
国内でのユーザーは減少傾向にありますが、世界的には多くのユーザーを抱えているので、海外向けのマーケティングにも適しているでしょう。
実名制のため、どちらかといえばリアルなつながりを重視する傾向にありますが、広告出稿をすれば多くのユーザーに見てもらえる可能性があります。
ターゲティングが細かくできるので、費用対効果の高い広告出稿もしやすいです。
なお動画や画像も一緒に投稿できます。
情報をシェアするときはリポスト(旧リツイート)するだけと、SNSの中でも拡散性が高いところが特徴です。
またリアルタイム性が高く、「今起きていること」を調べるのに適しています。
ニュースやトレンドもリアルタイムで一気に拡散されるため、バズったり炎上したりといった現象が起こりやすいSNSです。
リアルタイムでのコミュニケーションが取りやすいため、ユーザーと積極的にコミュニケーションを取っている企業アカウントもあります。
近年はXで高い人気を集める企業アカウントも多く、親近感を覚えてもらいやすいSNSといえるでしょう。
またリポストを活用したフォロー&リポストキャンペーンは、ユーザーが手軽に参加しやすいキャンペーンとして、多くの企業アカウントが積極的に行っています。Instagram
画像や動画をメインとするInstagramは、ビジュアルでのアプローチを得意とするSNSです。
Instagramは特に女性のユーザーが多く、美容業界やアパレル業界、インテリア業界、飲食業界、旅行業界など視覚的なアプローチが効果的な業界のSNSマーケティングに向いています。
Instagram内で商品販売ができるInstagramショッピング機能があるため、SNSで認知拡大やユーザーとのコミュニケーションを取るだけでなく、そのまま商品購入につなげられるところがメリットです。
またインフルエンサーとのタイアップを行うインフルエンサーマーケティングとの相性が良いプラットフォームとしても知られています。
X(旧Twitter)と比べると拡散性は高くありませんが、検索ツールとしてInstagramを利用する人は多いです。
Instagramはハッシュタグで検索するのが基本なので、どのようなハッシュタグ選定を行うかが効果的な運用のカギとなります。
なおInstagramはFacebookと同じMeta社が運営しているため、詳細なターゲティングにより、効率的なターゲット層へのアプローチが可能です。
24時間で消える「ストーリーズ」や、ライブ配信でユーザーとつながれる「Instagram Live」などもあり、多様な方法でユーザーにアプローチできます。
アプリ上で簡単に動画にエフェクトをかけたり音楽を追加したりできるので、特別な動画編集技術がなくてもおしゃれでキャッチーな動画を作成できます。
またTikTokは独自のアルゴリズムによって、フォロワー以外にも投稿が表示される可能性があります。
そのため、まだ育っていない企業アカウントでもバズる可能性が十分にあるところがメリットです。
アプリを起動した際に広告が表示される起動広告や、ユーザーを巻き込んだキャンペーンが行える「ハッシュタグチャレンジ」など、TikTokならではのユニークな広告配信もあります。
SNSの中では比較的新しいプラットフォームで、まだ参入している企業もそれほど多くないので、SNSマーケティングで差別化を図りたい企業にもおすすめです。
TikTokは10〜20代の若年層に人気が高いSNSですが、近年は30代以降のユーザーも増加傾向にあります。
施策の打ち出し方によって、幅広い世代にアプローチができるでしょう。
SNSを利用している人の大半がLINEを利用しており、そのうちの一定数はLINEしか使用していないため、他のSNSではリーチが難しい層にもアプローチしやすい傾向にあります(※)。
LINEを使ったSNSマーケティング施策としてよく行われているのが、LINE公式アカウントです。
LINE公式アカウントを利用すれば、企業のオフィシャルアカウントを作成でき、そこから情報発信やクーポンの配布、一対一でのコミュニケーションなども取れます。
チャットボットを設置すれば、ユーザーからのメッセージに対する自動返信機能も利用が可能です。
人的コストの軽減によって、ユーザーとの関係構築に注力することもできるでしょう。
また、ユーザーからの問い合わせに対応するツールとして、LINEを導入している企業も多いです。
なおLINEで出稿できる広告は、LINEのタイムラインやトーク一覧だけでなく、LINEマンガやLINEニュースなど、LINE関連の別のサービスにも表示されます。
※参考:LINEヤフー for Business.「LINE広告」. https://www.lycbiz.com/jp/service/line-ads/ ,(入手日付2024-04-09).
ここからはSNSマーケティングの手法について、それぞれ詳しく解説します。
SNSで自社の公式アカウントを作成し、自社や自社製品に関する情報、自社製品と関連するユーザーに役立つ豆知識などの発信を行いながら、認知拡大やファンの獲得を目指します。
その他の手法でSNSマーケティングを行う際も、まずは自社アカウントの作成が必要です。
自社アカウントを作成するとユーザーとの双方向のコミュニケーションが可能となり、気軽に情報発信できます。
その反面、炎上リスクも高いため、注意して運用を行わなければなりません。
また自社アカウントが企業のイメージにもつながるため、しっかりとアカウント設計をすることも大切です。
SNSごとにさまざまな広告形式が用意されています。
SNS広告は一般的な広告配信と異なり、詳細なターゲティングを行って、ターゲット層に効果的な広告配信ができるのが特徴です。
自社や自社製品に興味を持つユーザーに効果的に情報を届けられるため、費用対効果が高い傾向にあります。
また一般的な投稿に紛れて広告配信できる形式も用意されているので、広告感を弱められ、ネガティブな印象を持たれにくいこともメリットです。
配信期間を柔軟に設定でき、低予算で始められる広告もあるため、予算に応じた広告配信が可能となります。
代表的なものには、Xのフォロー&リポストキャンペーンや、Instagramでのハッシュタグ投稿キャンペーンなどがあります。
フォロワーの獲得や認知拡大につながるだけでなく、自社のUGC(ユーザー生成コンテンツ)の増加も狙えるため、注目を集めている企業・製品といったイメージの定着を図れるでしょう。
自社アカウントを開設して間もない企業であっても、SNSキャンペーンを行うことで効果的にフォロワーを増やし、認知を拡大させれば、短期間でアカウントを育てられる可能性があります。
インフルエンサーを起用して、商品やサービスのPRを行ってもらうことで、そのインフルエンサーのフォロワーに自社製品をアピールできます。
ターゲット層に合うインフルエンサーを選定すれば、効果的に認知拡大や販売促進が行えるでしょう。
ユーザーにとってはファンであるインフルエンサーからの発信なので、広告感への抵抗感が持たれにくいこともメリットです。
インフルエンサーマーケティングは、投稿によるPRだけでなく、ライブ配信への出演や店舗への来店、新製品の監修、アンバサダーとしてのパートナーシップ契約などさまざまな施策があります。
ユーザーのリアルな声を集められるだけでなく、自社が行った投稿や実施したキャンペーンの効果を測定したり、トレンドを把握・予測したりすることもできます。
自社アカウント以外も分析できるツールを用いれば、競合他社のアカウントや投稿を分析し、自社のマーケティング施策に活かすことも可能です。
また表面的には見えない潜在的なニーズを探ることもできます。
ソーシャルリスニングツールの中には、炎上のきっかけとなりそうな投稿などを監視できるものもあるので、炎上対策にも最適な手法です。
SNSマーケティングを実施するときの、5つのステップをご紹介します。
実施目的は市場調査・認知拡大・販売促進・集客など、さまざまなものがあります。
実施目的によって最適な施策が変わってくるため、最初に目的を明確にしておきましょう。
また、効果的なSNSマーケティングを行うためには、ターゲットを明確にしておくことも欠かせません。
単に「20代・男性」というようなターゲット設定をするのではなく、どのようなライフスタイルで、どのような趣味嗜好があるのかなど、詳細なペルソナを設定しておきましょう。
プラットフォームを選定する上では、SNSごとの特性を踏まえて、自社やターゲットに適したプラットフォームかどうかを吟味することが大切です。
プラットフォームが決まったら、実施目的に応じてSNSマーケティングの手法を決めていきます。
下記の表を参考にしながら、自社に適した手法を検討しましょう。
KPIは目標をどの程度達成しているかを評価する指標です。
後に分析がしやすいよう、「1カ月で1,000人のフォロワーを獲得する」「ユーザーからのUGCを月100件獲得する」など、具体的な数値を用いて設定することが大切です。
SNS担当者を選定して専門チームを作り、どのような方針で運用していくかを明確にしましょう。
担当者がSNS運用に注力できるような環境整備も重要です。
運用方法や炎上への対処方法なども細かく決め、マニュアル化しておくとよいでしょう。
運用体制が整ったら、施策を実施します。
設定したKPIの達成度合いをチェックし、目標を達成できていない場合は、何が要因なのかを分析します。
達成できていた場合も、何が成功につながったのかを分析することで、次の施策に活かせるはずです。
効果的なSNSマーケティングを行うためには、定期的に分析を行いながら改善を繰り返し、長期的な運用を続けることが欠かせません。
SNSごとの特性を理解しておけば、そのSNSの持つ強みを活かしたマーケティング施策が打ち出せます。
またトラブルが起きないように、ガイドラインもしっかり理解しておくことが大切です。
各SNSの特性を理解しておけば、実施目的に合わせて複数のプラットフォームをうまく使い分けることもできます。
ターゲット層がどのような投稿を好むのかを分析し、自社アカウントの世界観や発信内容を統一した上で、アカウント設計を行いましょう。
世界観や投稿内容に一貫性を持たせれば、ブランディング効果も期待できます。
またターゲット層に好まれるアカウント設計を行い、競合他社との差別化を図るには、人気のあるアカウントや競合他社のアカウントの分析を行うことも大切です。
ユーザー一人ひとりとコミュニケーションを取ることを意識しておけば、より親近感を覚えてもらえるため、自社のファンの獲得につながります。
またユーザー目線に立って、どのような情報やコンテンツ、キャンペーンが喜ばれるかを検討することも大切です。
SNSマーケティングは現代のマーケティング戦略に欠かせないものです。
しかし、あらゆる面において万能なマーケティング手法ではありません。
他のソーシャルメディアマーケティングや、マスマーケティング、ダイレクトマーケティングなどとも組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
効果的なSNSマーケティングを行うには、データの分析が欠かせません。
アカウントを運用することで利用できる無料のインサイト分析機能もありますが、インサイト分析機能だけで必要なデータを集め、十分な分析を行えるとはいえません。
外部のSNS分析ツールには、より細かい分析ができるものや、他社アカウントの分析ができるものなどもあります。
自社が求める機能を搭載したSNS分析ツールを導入して定期的に分析を行い、改善を繰り返してより効果的なSNSマーケティングを行いましょう。
SNSマーケティングは現代のマーケティング戦略において欠かせない手法です。
ご紹介した手法や実施方法、成功させるポイントを参考にして、自社に合ったSNSマーケティングを始めましょう。
効率的なSNSマーケティングを実施するなら、SNS分析ツールを用いたデータ分析が欠かせません。
Quid Monitor(旧NetBase)は、さまざまなプラットフォーム上のデータを収集し、膨大なデータをリアルタイムで分析できるソーシャルリスニングツールです。
自社サービスに関するデータ収集や実施した施策の効果測定はもちろん、競合他社に関するデータの分析も行えます。
導入から運用まで専任アナリストがしっかりとサポートするので、まずはお気軽に無料デモからお試しください。
Quid Monitor(旧NetBase)の詳細・資料ダウンロードはこちら
Quid Compete(旧Rival IQ)の詳細・資料ダウンロードはこちら
SNSマーケティングによる効果を上げるためには、自社にとってのメリットや具体的な方法を確認しておくことが大切です。
そこで本記事ではSNSマーケティングの概要やメリット・デメリット、代表的な手法や具体的な実施方法、成功のポイントなどを詳しくまとめました。
SNSマーケティングについての理解を深め、自社での運用にお役立てください。
目次
SNSマーケティングとは?
SNSマーケティングとは、「SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用した、効率良く製品が売れる仕組みづくり」を意味します。そもそもマーケティングは、市場調査やデータ分析、データを活かした商品開発、広告宣伝活動、販売促進活動などを行い、購買につなげるための仕組みを作ることを意味する言葉です。
SNSマーケティングではSNSの持つ特性を活かし、自社製品の認知度を向上させたりファンを増やしたりして、最終的に購買につなげます。
SNSマーケティングとソーシャルメディアマーケティングの違い
SNSマーケティングと混同しやすい言葉に、ソーシャルメディアマーケティングがあります。SNSを活用して行うSNSマーケティングはソーシャルメディアマーケティングの一部に該当しますが、「SNSマーケティング=ソーシャルメディアマーケティング」ではありません。
ソーシャルメディアとは、多くの人に情報伝達を行うことを目的としたメディアの総称です。
SNSもソーシャルメディアの一つで、他にはブログや動画共有サイト、情報共有サイト、メッセージアプリ、ソーシャルブックマークなどがあります。
ソーシャルメディアマーケティングは、これらのメディアを使って行うマーケティング施策のことです。
SNSはFacebookやX(旧Twitter)、Instagram、TikTokなど、ユーザー同士がつながりを作り、情報発信や情報共有を行うプラットフォームのことです。
他のソーシャルメディア同様、情報共有を行うメディアであることに変わりはありませんが、SNSはよりコミュニケーションを重視したメディアを指します。
SNSマーケティングが重視されるようになった背景
マーケティング自体は長らく企業戦略として行われてきたものですが、なぜ近年、SNSマーケティングが重視されるようになってきたのでしょうか。SNSマーケティングが重視されるようになった背景について解説します。
個人も企業もSNSを活用する時代
SNSマーケティングが重視される大きな理由は、個人・企業を問わず広くSNSが活用されるようになったことです。総務省が発表した「令和4年通信利用動向調査の結果」によると、平成30年は64.7%だったスマートフォンの普及率が、令和4年には77.3%にまで伸びていることが分かりました。
これに伴いSNSを利用する人も増加しており、同調査の「SNSの利用動向(個人)」では以下のような結果も出ています(※)。
令和3年 |
令和4年 |
|
全年代 |
78.7% |
80.0% |
6〜12歳 |
36.8% |
41.8% |
13〜19歳 |
90.7% |
92.0% |
20〜29歳 |
93.2% |
91.7% |
30〜39歳 |
89.5% |
90.8% |
40〜49歳 |
87.3% |
88.3% |
50〜59歳 |
79.6% |
81.9% |
60〜69歳 |
71.7% |
73.4% |
70〜79歳 |
60.7% |
63.9% |
80歳以上 |
47.4% |
53.8% |
上記のように13〜39歳ではSNSの利用率は90%を超えており、40〜59歳でも80%以上、80代以上でも半数以上の人がSNSを利用していることが分かりました(※)。
かつては若年層を中心に普及していたSNSですが、今や年齢に関わらず利用率が増えています。
SNSを使ったマーケティングが幅広い世代に届くようになったことで、SNS運用を始める企業も増加傾向にあります。
※参考:総務省.「令和4年通信利用動向調査の結果」.“1 情報通信機器の普及状況”“3 SNSの利用動向(個人)” https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/230529_1.pdf ,(2023-05-29).
検索をSNSで行うユーザーが増加
検索をSNSを利用して行うユーザーが増えていることも、SNSマーケティングが重視されるようになった理由の一つです。従来インターネットを使って検索する方法は、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンが中心でした。
しかし近年、SNSを検索エンジン代わりにしている人が増えてきています。
調べものを行う際のツールとしてはまだまだ検索エンジンの需要が根強いですが、SNSを使って検索する人も増えていることから、SNSを使ったマーケティング施策は無視できないものとなってきているのです。
SNSは購入する際の重要な判断材料
SNSで収集した情報が、商品やサービスを購入する際の重要な判断材料になっていることも、SNSマーケティングが重視されるようになった背景の一つです。近年はSNSで見かける情報に影響を受ける消費者が多く、SNSを活用したマーケティング施策が、企業のマーケティング戦略において重視されるようになってきています。
SNSマーケティングのメリット
次に、SNSマーケティングによって得られる7つのメリットをご紹介します。1. 認知拡大につながる
SNSマーケティングを行うメリットの一つは、認知拡大につながることです。SNSの特徴の一つに拡散力の高さがあります。
拡散力の程度は利用するプラットフォームによっても異なりますが、SNSは従来の情報伝達方法よりも、短期間で多くの人に情報を拡散できる可能性があります。
自社アカウントでの発信やインフルエンサーを活用した発信はもちろん、ユーザーによる商品やサービスに関する投稿が行われることで、さらに多くの人の目に商品やサービスが知られるようになるでしょう。
投稿が多数の人から注目される「バズる」状態になれば、狙っていたよりも高い認知拡大効果が得られる可能性もあります。
認知度が高まれば高まるほど、新規顧客の獲得につながっていくでしょう。
また幅広く認知されれば、潜在顧客にもアプローチできます。
2. リアルタイムで発信ができる
次に、リアルタイムで情報を発信できることもSNSマーケティングのメリットです。リアルタイム性はSNSの特徴の一つです。
24時間365日、常にさまざまな情報が更新されているSNS上であれば、伝えたい情報をリアルタイムで発信できます。
また、発信した内容に対するユーザーの反応をリアルタイムで知ることも可能です。
ユーザーの反応に即座に対応することで、ユーザーの満足度を高める効果も期待できるでしょう。
3. コストを抑えられる
またコストを抑えられることも、SNSマーケティングのメリットです。手法によっては費用が発生するものもありますが、基本的にSNSのアカウント運用は無料で始められます。
これまでマーケティングにそれほどの予算を割けなかった会社でも、SNSマーケティングならコストを抑えて効果的な施策を行うことが可能です。
またSNSマーケティングは、ターゲットを絞った施策を打ち出しやすいです。
例えばSNSで広告を配信するSNS広告は、詳細なターゲティングができるため、ターゲット層に絞った広告配信ができ、高い費用対効果が見込めます。
4. ブランディング効果を得られる
SNSマーケティングのメリットとしては、ブランディング効果を得られることも挙げられます。自社や自社製品の価値を高め、特定のイメージを持ってもらうブランディングは、マーケティング同様、企業戦略に欠かせないものです。
SNSを使ってマーケティングを行い、多くのユーザーに自社や自社製品の認知を促せば、ブランドメッセージを伝えられます。
例えば、「◯◯といえばこの会社」と認識してもらったりポジティブなイメージを持ってもらったりと、具体的なブランディング効果が得られる可能性があるでしょう。
5. 双方向のコミュニケーションが取れる
双方向のコミュニケーションが取れることも、SNSマーケティングで得られるメリットです。これまでの広告は、企業側からユーザーに一方的に情報を伝えるのが一般的でした。
しかし、ユーザーの反応に対して企業から「いいね」や返信などのアクションを取れるSNSを使えば、双方向でのコミュニケーションが可能です。
また、ユーザーのリアクションもダイレクトに確認できます。
人はコミュニケーションを密に取れば取るほど、親近感や共感を覚えやすいです。
例えば、堅い印象を持たれがちな企業がユーモアに溢れた投稿を行えば、ユーザーのイメージは変わり、より親近感を持ってもらえる可能性があるでしょう。
6. 顧客ロイヤリティ向上につながる
さらにSNSマーケティングは、顧客ロイヤリティの向上にもつながります。ロイヤリティとは、ユーザーが特定の企業やブランド、製品に対して愛着や忠誠心を持つことです。
SNSを通して積極的にコミュニケーションを取り、ユーザーと良好な関係を築けるようになると、ユーザーはその企業に対して愛着を持つようになります。
顧客ロイヤリティが向上すれば、ユーザーが自社や自社ブランドのファンになって長期的に製品を購入してくれるようになります。
そのため、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上も目指せるでしょう。
7. ユーザーのリアルな声を集められる
最後に、ユーザーのリアルな声を集められることも、SNSマーケティングのメリットです。匿名性があるSNSを活用したSNSマーケティングは、ユーザーの率直な声を集めやすい傾向にあります。
ユーザーが自社や自社製品に関して投稿する内容にはポジティブなものもあれば、ネガティブなものもありますが、リアルな声を拾ってマーケティングに活かすことで、よりユーザーのニーズに合った施策が行えるでしょう。
ユーザーのニーズを満たすことで、顧客満足度の向上にもつながります。
またリアルタイムでユーザーの声を集め、即座に施策に反映できるようになります。
SNSマーケティングのデメリット
メリットの多いSNSマーケティングですが、デメリットも存在しています。デメリットをカバーする方法を検討するためにも、以下2つについて、それぞれ押さえておきましょう。
1. 炎上する恐れがある
まず、炎上の恐れがあることは、SNSマーケティングの大きなデメリットです。拡散力が高く、リアルタイム性があるSNSは、ネガティブな内容もすぐに拡散されてしまう恐れがあります。
個人ユーザーであればそれほど問題視されないような内容だったとしても、企業アカウントの場合は大きなイメージダウンとなり、信用が失墜してしまう可能性もあるでしょう。
また、企業側の投稿が誤った解釈で拡散され、炎上につながることも考えられます。
炎上を防ぎ、最悪の場合でも最小限に食い止めるには、SNS運用に関わる担当者に対する教育の徹底が重要です。
さらに、チェック体制の整備や炎上予防ができるツールの導入を行う他、炎上してしまった場合の対処法のマニュアル化なども行う必要があるでしょう。
2. 運用負担が大きい傾向にある
次に、運用負担が大きい傾向にあることも、SNSマーケティングのデメリットです。前述したとおり、SNSのアカウント運用は基本的に無料です。
しかしSNSマーケティングを行って効果を得るためには、長期的に運用を行いながらフォロワーを増やし、改善を繰り返す必要があります。
すぐに結果が出るものではないので、長期的に人材を確保し、運用にもそれなりにコストをかけなければなりません。
またアカウントを育てるためには定期的な投稿を行い、ユーザーと密にコミュニケーションを取る必要があります。
データ分析を行い、SNSごとの特徴を踏まえて運用するためには、知識のある人材の採用や担当者への教育も重要です。
以上のことから、SNSマーケティングは長期的に見ると、人的・時間的・経済的な運用負担が大きくなってしまうかもしれません。
しかし、効果的な施策を打ち出すことができれば、運用負担を上回る結果が得られるでしょう。
SNSマーケティングで活用される代表的なプラットフォーム
SNSと一口にいってもさまざまなプラットフォームがあり、プラットフォームごとに特徴が異なります。効果的なSNSマーケティングを行うには、自社やターゲットに合ったプラットフォームを選定する必要があるため、プラットフォームごとの特徴を理解しておくことが大切です。
代表的な5つのSNSの特徴を見ていきましょう。
実名の他、年齢・性別・仕事・ライフスタイルなどの細かい属性情報が登録されるため、詳細なターゲティングを得意としています。
日本では30〜50代のビジネスパーソンを中心に利用されており、比較的年齢層が高めなSNSといえるでしょう。
ビジネスアカウントであるFacebookページの機能が充実しており、オフィシャルな情報発信の場としても活用されています。
国内でのユーザーは減少傾向にありますが、世界的には多くのユーザーを抱えているので、海外向けのマーケティングにも適しているでしょう。
実名制のため、どちらかといえばリアルなつながりを重視する傾向にありますが、広告出稿をすれば多くのユーザーに見てもらえる可能性があります。
ターゲティングが細かくできるので、費用対効果の高い広告出稿もしやすいです。
X(旧Twitter)
幅広い世代に使われているX(旧Twitter)は、全角140文字以内のテキストベースの投稿がメインのSNSです。なお動画や画像も一緒に投稿できます。
情報をシェアするときはリポスト(旧リツイート)するだけと、SNSの中でも拡散性が高いところが特徴です。
またリアルタイム性が高く、「今起きていること」を調べるのに適しています。
ニュースやトレンドもリアルタイムで一気に拡散されるため、バズったり炎上したりといった現象が起こりやすいSNSです。
リアルタイムでのコミュニケーションが取りやすいため、ユーザーと積極的にコミュニケーションを取っている企業アカウントもあります。
近年はXで高い人気を集める企業アカウントも多く、親近感を覚えてもらいやすいSNSといえるでしょう。
またリポストを活用したフォロー&リポストキャンペーンは、ユーザーが手軽に参加しやすいキャンペーンとして、多くの企業アカウントが積極的に行っています。
Instagramは特に女性のユーザーが多く、美容業界やアパレル業界、インテリア業界、飲食業界、旅行業界など視覚的なアプローチが効果的な業界のSNSマーケティングに向いています。
Instagram内で商品販売ができるInstagramショッピング機能があるため、SNSで認知拡大やユーザーとのコミュニケーションを取るだけでなく、そのまま商品購入につなげられるところがメリットです。
またインフルエンサーとのタイアップを行うインフルエンサーマーケティングとの相性が良いプラットフォームとしても知られています。
X(旧Twitter)と比べると拡散性は高くありませんが、検索ツールとしてInstagramを利用する人は多いです。
Instagramはハッシュタグで検索するのが基本なので、どのようなハッシュタグ選定を行うかが効果的な運用のカギとなります。
なおInstagramはFacebookと同じMeta社が運営しているため、詳細なターゲティングにより、効率的なターゲット層へのアプローチが可能です。
24時間で消える「ストーリーズ」や、ライブ配信でユーザーとつながれる「Instagram Live」などもあり、多様な方法でユーザーにアプローチできます。
TikTok
TikTokは短いショート動画を簡単に配信できるSNSです。アプリ上で簡単に動画にエフェクトをかけたり音楽を追加したりできるので、特別な動画編集技術がなくてもおしゃれでキャッチーな動画を作成できます。
またTikTokは独自のアルゴリズムによって、フォロワー以外にも投稿が表示される可能性があります。
そのため、まだ育っていない企業アカウントでもバズる可能性が十分にあるところがメリットです。
アプリを起動した際に広告が表示される起動広告や、ユーザーを巻き込んだキャンペーンが行える「ハッシュタグチャレンジ」など、TikTokならではのユニークな広告配信もあります。
SNSの中では比較的新しいプラットフォームで、まだ参入している企業もそれほど多くないので、SNSマーケティングで差別化を図りたい企業にもおすすめです。
TikTokは10〜20代の若年層に人気が高いSNSですが、近年は30代以降のユーザーも増加傾向にあります。
施策の打ち出し方によって、幅広い世代にアプローチができるでしょう。
LINE
リアルなつながりのコミュニケーションツールとして、世代を問わず利用されているLINEは、2023年12月末時点で国内ユーザー数が9,600万人を超えているSNSです(※)。SNSを利用している人の大半がLINEを利用しており、そのうちの一定数はLINEしか使用していないため、他のSNSではリーチが難しい層にもアプローチしやすい傾向にあります(※)。
LINEを使ったSNSマーケティング施策としてよく行われているのが、LINE公式アカウントです。
LINE公式アカウントを利用すれば、企業のオフィシャルアカウントを作成でき、そこから情報発信やクーポンの配布、一対一でのコミュニケーションなども取れます。
チャットボットを設置すれば、ユーザーからのメッセージに対する自動返信機能も利用が可能です。
人的コストの軽減によって、ユーザーとの関係構築に注力することもできるでしょう。
また、ユーザーからの問い合わせに対応するツールとして、LINEを導入している企業も多いです。
なおLINEで出稿できる広告は、LINEのタイムラインやトーク一覧だけでなく、LINEマンガやLINEニュースなど、LINE関連の別のサービスにも表示されます。
※参考:LINEヤフー for Business.「LINE広告」. https://www.lycbiz.com/jp/service/line-ads/ ,(入手日付2024-04-09).
SNSマーケティングの代表的な手法
各プラットフォームを活用したSNSマーケティングの代表的な手法として挙げられるのは、自社アカウント運用とSNS広告、SNSキャンペーン、インフルエンサーマーケティング、ソーシャルリスニングの5つです。ここからはSNSマーケティングの手法について、それぞれ詳しく解説します。
自社アカウント運用
自社アカウント運用は、多くの企業がSNSマーケティングの一環として導入している手法です。SNSで自社の公式アカウントを作成し、自社や自社製品に関する情報、自社製品と関連するユーザーに役立つ豆知識などの発信を行いながら、認知拡大やファンの獲得を目指します。
その他の手法でSNSマーケティングを行う際も、まずは自社アカウントの作成が必要です。
自社アカウントを作成するとユーザーとの双方向のコミュニケーションが可能となり、気軽に情報発信できます。
その反面、炎上リスクも高いため、注意して運用を行わなければなりません。
また自社アカウントが企業のイメージにもつながるため、しっかりとアカウント設計をすることも大切です。
SNS広告
SNS広告は、SNSのタイムラインなどに広告を出すマーケティング手法です。SNSごとにさまざまな広告形式が用意されています。
SNS広告は一般的な広告配信と異なり、詳細なターゲティングを行って、ターゲット層に効果的な広告配信ができるのが特徴です。
自社や自社製品に興味を持つユーザーに効果的に情報を届けられるため、費用対効果が高い傾向にあります。
また一般的な投稿に紛れて広告配信できる形式も用意されているので、広告感を弱められ、ネガティブな印象を持たれにくいこともメリットです。
配信期間を柔軟に設定でき、低予算で始められる広告もあるため、予算に応じた広告配信が可能となります。
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンは、SNS上で認知拡大やフォロワー数増加などを目的として行われるキャンペーンのことです。代表的なものには、Xのフォロー&リポストキャンペーンや、Instagramでのハッシュタグ投稿キャンペーンなどがあります。
フォロワーの獲得や認知拡大につながるだけでなく、自社のUGC(ユーザー生成コンテンツ)の増加も狙えるため、注目を集めている企業・製品といったイメージの定着を図れるでしょう。
自社アカウントを開設して間もない企業であっても、SNSキャンペーンを行うことで効果的にフォロワーを増やし、認知を拡大させれば、短期間でアカウントを育てられる可能性があります。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、SNS上で強い影響力を持つインフルエンサーを起用して行うSNSマーケティングの手法です。インフルエンサーを起用して、商品やサービスのPRを行ってもらうことで、そのインフルエンサーのフォロワーに自社製品をアピールできます。
ターゲット層に合うインフルエンサーを選定すれば、効果的に認知拡大や販売促進が行えるでしょう。
ユーザーにとってはファンであるインフルエンサーからの発信なので、広告感への抵抗感が持たれにくいこともメリットです。
インフルエンサーマーケティングは、投稿によるPRだけでなく、ライブ配信への出演や店舗への来店、新製品の監修、アンバサダーとしてのパートナーシップ契約などさまざまな施策があります。
ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングとは、SNS上のユーザーの声や投稿の傾向などを分析し、自社のマーケティングに活かす手法です。ユーザーのリアルな声を集められるだけでなく、自社が行った投稿や実施したキャンペーンの効果を測定したり、トレンドを把握・予測したりすることもできます。
自社アカウント以外も分析できるツールを用いれば、競合他社のアカウントや投稿を分析し、自社のマーケティング施策に活かすことも可能です。
また表面的には見えない潜在的なニーズを探ることもできます。
ソーシャルリスニングツールの中には、炎上のきっかけとなりそうな投稿などを監視できるものもあるので、炎上対策にも最適な手法です。
SNSマーケティングを実施する5ステップ
SNSマーケティングを実施する場合、どのようなプロセスで進めればよいのでしょうか。SNSマーケティングを実施するときの、5つのステップをご紹介します。
1. 実施目的とターゲットを明確にする
まずSNSマーケティングを実施する目的とターゲットを明確にしましょう。実施目的は市場調査・認知拡大・販売促進・集客など、さまざまなものがあります。
実施目的によって最適な施策が変わってくるため、最初に目的を明確にしておきましょう。
また、効果的なSNSマーケティングを行うためには、ターゲットを明確にしておくことも欠かせません。
単に「20代・男性」というようなターゲット設定をするのではなく、どのようなライフスタイルで、どのような趣味嗜好があるのかなど、詳細なペルソナを設定しておきましょう。
2. プラットフォームと手法を決める
次にSNSマーケティングに活用するプラットフォームと手法を決めます。プラットフォームを選定する上では、SNSごとの特性を踏まえて、自社やターゲットに適したプラットフォームかどうかを吟味することが大切です。
プラットフォームが決まったら、実施目的に応じてSNSマーケティングの手法を決めていきます。
下記の表を参考にしながら、自社に適した手法を検討しましょう。
SNSマーケティングの手法 |
実施目的 |
自社アカウント運用 |
ファン獲得・顧客ロイヤリティ向上・情報発信 |
SNS広告 |
新製品の認知拡大・販売促進 |
インフルエンサーマーケティング |
新製品の認知拡大・販売促進 |
SNSキャンペーン |
フォロワー増加・季節に合わせた集客 |
ソーシャルリスニング |
製品開発・改善 |
3. KPIを設定する
次にKPIを設定しましょう。KPIはKey Performance Indicatorの略称で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。KPIは目標をどの程度達成しているかを評価する指標です。
後に分析がしやすいよう、「1カ月で1,000人のフォロワーを獲得する」「ユーザーからのUGCを月100件獲得する」など、具体的な数値を用いて設定することが大切です。
4. 運用体制を整えて施策を実行する
KPIを設定したら、運用体制を整えて施策の実行に移ります。SNS担当者を選定して専門チームを作り、どのような方針で運用していくかを明確にしましょう。
担当者がSNS運用に注力できるような環境整備も重要です。
運用方法や炎上への対処方法なども細かく決め、マニュアル化しておくとよいでしょう。
運用体制が整ったら、施策を実施します。
5. 結果を分析して改善する
施策を実施したら、結果を分析して改善すべきポイントを洗い出しましょう。設定したKPIの達成度合いをチェックし、目標を達成できていない場合は、何が要因なのかを分析します。
達成できていた場合も、何が成功につながったのかを分析することで、次の施策に活かせるはずです。
効果的なSNSマーケティングを行うためには、定期的に分析を行いながら改善を繰り返し、長期的な運用を続けることが欠かせません。
SNSマーケティングを成功させるポイント
最後にSNSマーケティングを成功させるための5つのポイントをご紹介します。1. 選定したプラットフォームの特性を理解する
選定したプラットフォームの特性を理解することは、SNSマーケティングの成功に欠かせません。SNSごとの特性を理解しておけば、そのSNSの持つ強みを活かしたマーケティング施策が打ち出せます。
またトラブルが起きないように、ガイドラインもしっかり理解しておくことが大切です。
各SNSの特性を理解しておけば、実施目的に合わせて複数のプラットフォームをうまく使い分けることもできます。
2. アカウント設計をしっかり練る
アカウント設計は、SNSマーケティングの土台ともなる重要なポイントです。ターゲット層がどのような投稿を好むのかを分析し、自社アカウントの世界観や発信内容を統一した上で、アカウント設計を行いましょう。
世界観や投稿内容に一貫性を持たせれば、ブランディング効果も期待できます。
またターゲット層に好まれるアカウント設計を行い、競合他社との差別化を図るには、人気のあるアカウントや競合他社のアカウントの分析を行うことも大切です。
3. 一対一のコミュニケーションを意識する
SNSでの発信は不特定多数に向けたものと認識しやすいですが、一対一のコミュニケーションを意識するようにしましょう。ユーザー一人ひとりとコミュニケーションを取ることを意識しておけば、より親近感を覚えてもらえるため、自社のファンの獲得につながります。
またユーザー目線に立って、どのような情報やコンテンツ、キャンペーンが喜ばれるかを検討することも大切です。
4. 他の施策と組み合わせる
SNSマーケティングを成功させるためには、他の施策と組み合わせることも大切です。SNSマーケティングは現代のマーケティング戦略に欠かせないものです。
しかし、あらゆる面において万能なマーケティング手法ではありません。
他のソーシャルメディアマーケティングや、マスマーケティング、ダイレクトマーケティングなどとも組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
5. SNS分析ツールを導入する
SNSマーケティングを行う際は、SNS分析ツールの導入も検討しましょう。効果的なSNSマーケティングを行うには、データの分析が欠かせません。
アカウントを運用することで利用できる無料のインサイト分析機能もありますが、インサイト分析機能だけで必要なデータを集め、十分な分析を行えるとはいえません。
外部のSNS分析ツールには、より細かい分析ができるものや、他社アカウントの分析ができるものなどもあります。
自社が求める機能を搭載したSNS分析ツールを導入して定期的に分析を行い、改善を繰り返してより効果的なSNSマーケティングを行いましょう。
SNS分析ツールを導入して効果的なSNSマーケティングを実施しよう
本記事ではSNSマーケティングの概要やメリット・デメリット、代表的な手法や具体的な実施方法、成功のポイントなどを詳しくご紹介しました。SNSマーケティングは現代のマーケティング戦略において欠かせない手法です。
ご紹介した手法や実施方法、成功させるポイントを参考にして、自社に合ったSNSマーケティングを始めましょう。
効率的なSNSマーケティングを実施するなら、SNS分析ツールを用いたデータ分析が欠かせません。
Quid Monitor(旧NetBase)は、さまざまなプラットフォーム上のデータを収集し、膨大なデータをリアルタイムで分析できるソーシャルリスニングツールです。
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