
SNS運用では、ユーザーが実際にどのような行動や反応を示したかが重要です。
単なるフォロワー数やアクセス数ではなく、いいねやコメント、シェア、リンククリックといったアクション、いわゆる「エンゲージメント」が、投稿やブランドに対するユーザーの関心度合いを表すと考えられています。
本記事ではエンゲージメントについて、指標の重要性からSNSごとの特徴、成果を高めるための施策、成功事例、注意点まで網羅的に解説します。
SNSマーケティング担当者や広報担当者、中小企業のオーナーの方はぜひ参考にして、自社アカウントの改善に直結する実践的なヒントを探してみてください。

この言葉は本来「つながり」「絆」「関与」といった意味を持っており、単なる認知や一方的な情報発信ではなく、相互のやり取りを通じて関心や信頼が深まっていく状態を表しています。
SNSにおけるエンゲージメントとは、ユーザーが企業やアカウントに対して示す具体的な反応のことです。
これらは「どれだけユーザーに届き、心を動かしたか」を可視化する、重要な要素と言えます。
その中で、Instagramでは保存やストーリーズへの返信、X(旧Twitter)ではリプライや引用リポスト、YouTubeやTikTokでは動画の視聴完了率や再生数が重視される傾向にあります。
どの指標を重視するかは、目的によっても変わるでしょう。
例えばブランド認知を広げたい場合はシェアやリポストが重要です。
一方で購入や問い合わせにつなげたい場合は、クリック数や商品ページへの誘導数が評価軸となります。
このように目的と指標を結びつけて分析することが、効果的なSNS運用の第一歩です。
この数値は、SNS上でどれだけのユーザーが投稿に反応したかを示す割合を指しています。
単にフォロワー数やインプレッション数(表示回数)だけを見るのではなく、実際にユーザーがどの程度関与したかを測定するため、エンゲージメント率が分かれば投稿の効果をより正確に把握できます。
どの式を採用するかは目的やプラットフォームによって異なります。
例えば広告効果を測る際はインプレッション数を分母にする方が適しており、フォロワーとの関係性を知りたい場合はフォロワー数を分母にするのが一般的です。
例えばXでは、1%未満でも標準的な数値と評価される場合があります。
Instagramは1〜3%前後が一般的であり、画像やリールなどの視覚的な投稿は比較的高い数値を出しやすいです。
TikTokのような動画中心のプラットフォームでは、再生やシェアを通じてエンゲージメントが発生しやすく、他のSNSよりも高い割合が期待できます。
ただしSNSはそれぞれ利用者の行動特性が異なるため、単純にプラットフォーム間で比較するのではなく、各SNSの特性を踏まえて判断することが大切です。
また時代が変わると水準も大きく変わる可能性があります。
実際に、全てのプラットフォームでエンゲージメント率が低下したという報告をしている、2025年2月の調査も存在しています。
一般消費者向けのBtoC業界では、商品レビューやキャンペーン投稿に対して高い反応が集まりやすい傾向があります。
一方でBtoB業界では、専門性の高い情報を扱うケースが多く、エンゲージメント率は比較的低くなりやすいと言われています。
ただし、これらの数値はあくまで参考値に過ぎません。
重要なのは、自社アカウントの過去の実績と比較し、改善傾向を把握することです。
外部データに振り回されるのではなく、自社の成長指標として活用する視点が求められます。
その理由を詳しく解説します。
つまり、いいねやコメント、シェアといったエンゲージメントが多い投稿ほど、多くの人のタイムラインに表示されやすくなるのです。
特に投稿直後の反応は、拡散力を左右する重要な要素です。
初動で高いエンゲージメントを得られれば、アルゴリズムに「価値のある投稿」と判断され、さらに多くのユーザーに広がる好循環が生まれます。
このため企業や個人がSNSで影響力を拡大するには、エンゲージメントを意識した投稿設計が欠かせません。
アクティブでないフォロワーや興味の薄い層が多ければ、数字だけが大きくても効果的な情報発信につながらないでしょう。
近年では「どれだけのフォロワーが実際に動いているか」が重視されるようになっています。
その点、いいねやコメント、リンククリックなどのエンゲージメントは、ユーザーが実際に関心を示した証拠と言えます。
つまり表面的な数字に頼る指標ではなく、実際の反応を示す指標として、エンゲージメントが重視されているのです。
単なる一時的な反応ではなく、長期的な関係性構築の第一歩となります。
また、エンゲージメントの積み重ねはブランド認知の拡大に寄与します。
高い関心を持つユーザーは自然に口コミやシェアを行ってくれる可能性が高いので、結果的に、新しい見込み顧客を呼び込むことにもなるでしょう。
最終的には売上やリード獲得といった具体的な成果へ波及し、企業の成長を後押しする存在となると考えられます。
そのため同じ施策を行っても、成果の出方はそれぞれ異なるでしょう。
各SNSの特徴を理解することで、より適切な戦略を立てられるようになるはずです。
ここでは、各SNSにおけるエンゲージメントの捉え方を詳しく解説します。
※参考:総務省.「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 (概要)」.
https://www.soumu.go.jp/main_content/001017240.pdf ,(参照2025–08-20).
リポストや引用リポストを通じ、投稿が一気に広がる可能性を持っています。
しかし1投稿当たりの反応率は他のSNSと比べると低い傾向にあり、フォロワー数に対してエンゲージメント率が1%未満でも、健闘していると評価されるケースがあるのが特徴です。
XでのSNS運用なら、リアルタイム性に強い点を生かし、ニュースや時事ネタ、キャンペーンの即時告知などを行うのが効果的でしょう。
初動の反応がその後の拡散につながりやすいため、タイミングを意識した施策であることが重要です。
Instagram
Instagramは写真や動画を中心としたSNSであり、他のプラットフォームと比較してエンゲージメント率が高い傾向にあります。
特に視覚的に訴えるコンテンツは反応を得やすく、商品やサービスの魅力を伝えるのに有効です。
Instagramの中で、近年はリールやストーリーズといった新機能が注目されています。
これらを活用するとアルゴリズムに評価されやすくなり、より多くのフォロワー以外のユーザーへ情報を届けられるため、戦略的に取り入れることが成果向上につながると考えられます。
Facebook
Facebookは実名制が基本となっているため、他のSNSと比べて信頼度の高いコミュニケーションが期待できます。
特にビジネス向けのBtoBマーケティングや、地域密着型のコミュニティ形成で活用されるケースが多いのが特徴です。
また年齢層が高いユーザーが一定割合居ることから、若年層向けSNSとは異なる層へリーチしやすい点も特徴的です。
企業ページやグループ機能を利用すれば、コミュニティの形成や長期的な関係の強化につながるでしょう。
アルゴリズムによるレコメンド機能が強力で、フォロワー数に関係なく拡散される可能性を秘めているのが魅力です。
普及当初はZ世代を中心に人気を集めているSNSという印象が強かったですが、現在では幅広い年代に利用が拡大しています。
企画性のある動画や音楽に合わせたコンテンツが好まれるため、エンターテインメントとしての見せ方を重視した運用をすると、高いエンゲージメントにつながるはずです。
LINE公式アカウントを活用することで、メッセージ配信やクーポン配布など、ユーザーとの直接的なコミュニケーションが可能になります。
メッセージ配信においては開封率・クリック率が比較的高く、情報を確実に届けられる点が特徴です。
またPinterestやLinkedInといった他のSNSもそれぞれに特性があるため、目的に応じた選択によって、マーケティングの幅を広げられるでしょう。
投稿内容を改善するだけでなく、ユーザーとの双方向コミュニケーションやキャンペーンの実施、配信タイミングの最適化など、複数の有効な施策を組み合わせて実行すると、エンゲージメントを着実に高められます。
具体的な、5つの施策をご紹介します。
文字だけではなく写真や動画、インフォグラフィックといったビジュアル要素を取り入れると、目を引きやすくなり、反応が増える傾向にあります。
また単なる情報の羅列で終えるのではなく、ストーリー性や感情に訴えかける表現を用いると効果的です。
共感を得られるコンテンツは、シェアやコメントといったユーザーの積極的な行動につながりやすいです。
コメントへの丁寧な返信や、アンケート機能を用いた意見収集、DMでの個別対応など、双方向のやり取りを意識することが信頼構築に直結します。
一方通行の投稿を繰り返すだけでは、フォロワーの関心は薄れてしまうでしょう。
会話を重ねるような姿勢を持っていれば、ユーザーは「自分ごと」としてブランドを捉えやすくなり、結果としてエンゲージメント率の向上につながると考えられます。
特にハッシュタグを活用すると、キャンペーンにユーザーとの一体感が生まれ、拡散力を高められるでしょう。
また、ユーザー自身が作成するコンテンツであるUGC(User Generated Content)は、他のユーザーにとって信頼度の高い情報となります。
企業側が自社のSNSアカウントでUGCを積極的に紹介すれば、ユーザーの参加意欲がさらに高まり、自然とエンゲージメントが拡大していく可能性があります。
フォロワーが最もアクティブな時間帯を分析し、彼らのタイムライン上で目に入りやすい時間を狙って発信することが大切です。
また投稿の頻度にも注意が必要です。
多過ぎると飽きられ、少な過ぎると存在感を失ってしまいます。
適切な頻度を見極め、継続的に発信すれば、安定したエンゲージメントを確保できるでしょう。
信頼されている人物がブランドに触れることで情報が拡散され、フォロワー以外にもエンゲージメントが波及しやすくなります。
また動画コンテンツは、SNS全般で高いエンゲージメントを生みやすい形式のため、積極的に活用することをおすすめします。
特にTikTokやInstagramリールなどでは、短尺動画がシェアや再生を通じて拡散されやすく、多くのユーザーの関心を集めます。
こうした手法を戦略的に取り入れることで、エンゲージメントの底上げが期待できます。
このプロセスを継続することで、ユーザーとの関係性を深めながら運用の質を高めていけます。
基本的な方法には以下のようなものが挙げられます。
例えばInstagramのアカウントのインサイトでは、リーチ数やエンゲージメント数を無料で確認できます。
Xのアナリティクスでも、コンテンツへのオーディエンスの反応を把握可能です。
これらの機能を活用すると、費用をかけずに自社アカウントの現状を把握できます。
特に投稿単位の反応を確認し、どのようなコンテンツがユーザーに届きやすいのかを把握するのに役立つでしょう。
※参考:Meta.「インサイトを把握して、成長につなげる」.
https://creators.instagram.com/grow/insights?locale=ja_JP ,(参照2025-08-20).
※参考:X.「アナリティクス アナリティクスを活用して、テスト、確認、最適化する」.
https://business.x.com/ja/advertising/analytics ,(参照2025-08-20).
海外ではいろいろな総合管理ツールが広く利用されており、複数アカウントを横断的に管理できるようなものもあります。
また国産ツールも多数登場しています。
国産ツールは日本市場に特化した分析機能を持ち、特に日本語の口コミ解析やトレンド把握に長けているのが特徴です。
これらを組み合わせることで、より深い分析と効率的な運用が可能になります。
基本となるのは、投稿ごとのエンゲージメント率を比較し、どのコンテンツがユーザーに響いたかを特定することです。
さらに、週次や月次などの一定期間でデータを追うことで、一時的な変動ではなく長期的な傾向や改善の方向性を見極められます。
内訳に着目すれば、例えばいいねが多い投稿は共感を生みやすく、コメントが多い投稿は対話を促進しているなど、ユーザーが求める関与の種類が見えてくるでしょう。
加えて、自社だけの数字にとらわれず、業種平均や競合アカウントと比較することも有効です。
これにより、自社の位置づけや改善余地をより客観的に把握できます。
いいねやコメントはもちろん、クリックやシェアといった具体的な行動を通じて、ユーザーがどの程度関心を持ち、ブランドと関わっているかを知るための要素となります。
エンゲージメント率を高めるには、投稿内容を工夫する他、ユーザーとの双方的なコミュニケーションを実施したり、キャンペーンなどを活用したりするのが効果的です。
また投稿タイミングや頻度を最適化し、時にはインフルエンサーなどを活用するのも良いでしょう。
なおエンゲージメント率の改善は、単発の数値ではなく比較と推移を継続的に見ることが重要です。
投稿ごとの反応を比べれば強みが分かり、週次・月次で追えば長期的な傾向が見えてくるはずです。
さらに、いいねやコメントの内訳を読み解くことで、ユーザーが求める関わり方を把握できるでしょう。
こうした測定と改善の積み重ねは、ブランド価値や顧客ロイヤルティの向上につながります。
日々の運用で小さな改善を積み重ね、焦らず継続的に取り組む姿勢が、最終的にブランド価値を高める近道となるでしょう。
Quid Monitorは、SNSのエンゲージメントを高めるためのデータ収集や多彩な分析をサポートするツールです。
自社アカウントの改善に課題を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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単なるフォロワー数やアクセス数ではなく、いいねやコメント、シェア、リンククリックといったアクション、いわゆる「エンゲージメント」が、投稿やブランドに対するユーザーの関心度合いを表すと考えられています。
本記事ではエンゲージメントについて、指標の重要性からSNSごとの特徴、成果を高めるための施策、成功事例、注意点まで網羅的に解説します。
SNSマーケティング担当者や広報担当者、中小企業のオーナーの方はぜひ参考にして、自社アカウントの改善に直結する実践的なヒントを探してみてください。
目次

SNSにおけるエンゲージメントとは?
「エンゲージメント」という言葉は、ビジネスやマーケティングの分野において、ブランドや商品に対してユーザーが積極的に関わることを示す概念として使われています。この言葉は本来「つながり」「絆」「関与」といった意味を持っており、単なる認知や一方的な情報発信ではなく、相互のやり取りを通じて関心や信頼が深まっていく状態を表しています。
SNSにおけるエンゲージメントとは、ユーザーが企業やアカウントに対して示す具体的な反応のことです。
これらは「どれだけユーザーに届き、心を動かしたか」を可視化する、重要な要素と言えます。
エンゲージメント指標の種類と重要度
SNSにおけるエンゲージメントの代表例には、いいねやコメント、リツイート・シェアといった拡散行動があります。その中で、Instagramでは保存やストーリーズへの返信、X(旧Twitter)ではリプライや引用リポスト、YouTubeやTikTokでは動画の視聴完了率や再生数が重視される傾向にあります。
どの指標を重視するかは、目的によっても変わるでしょう。
例えばブランド認知を広げたい場合はシェアやリポストが重要です。
一方で購入や問い合わせにつなげたい場合は、クリック数や商品ページへの誘導数が評価軸となります。
このように目的と指標を結びつけて分析することが、効果的なSNS運用の第一歩です。
エンゲージメント率とは?
それでは、よく聞く「エンゲージメント率」は、どのような意味を持つのでしょうか。この数値は、SNS上でどれだけのユーザーが投稿に反応したかを示す割合を指しています。
単にフォロワー数やインプレッション数(表示回数)だけを見るのではなく、実際にユーザーがどの程度関与したかを測定するため、エンゲージメント率が分かれば投稿の効果をより正確に把握できます。
エンゲージメント率の計算方法
エンゲージメント率を算出する方法はいくつか存在しますが、代表的な計算式は次の通りです。- (エンゲージメント数 ÷ インプレッション数)×100
- (エンゲージメント数 ÷ フォロワー数)×100
どの式を採用するかは目的やプラットフォームによって異なります。
例えば広告効果を測る際はインプレッション数を分母にする方が適しており、フォロワーとの関係性を知りたい場合はフォロワー数を分母にするのが一般的です。
エンゲージメント率の水準はSNSによって異なる
エンゲージメント率はSNSごとに平均値が大きく異なります。例えばXでは、1%未満でも標準的な数値と評価される場合があります。
Instagramは1〜3%前後が一般的であり、画像やリールなどの視覚的な投稿は比較的高い数値を出しやすいです。
TikTokのような動画中心のプラットフォームでは、再生やシェアを通じてエンゲージメントが発生しやすく、他のSNSよりも高い割合が期待できます。
ただしSNSはそれぞれ利用者の行動特性が異なるため、単純にプラットフォーム間で比較するのではなく、各SNSの特性を踏まえて判断することが大切です。
また時代が変わると水準も大きく変わる可能性があります。
実際に、全てのプラットフォームでエンゲージメント率が低下したという報告をしている、2025年2月の調査も存在しています。
エンゲージメント率の水準は業界によっても異なる
SNSのエンゲージメント率は、業界ごとに基準が異なる点にも注意が必要です。一般消費者向けのBtoC業界では、商品レビューやキャンペーン投稿に対して高い反応が集まりやすい傾向があります。
一方でBtoB業界では、専門性の高い情報を扱うケースが多く、エンゲージメント率は比較的低くなりやすいと言われています。
ただし、これらの数値はあくまで参考値に過ぎません。
重要なのは、自社アカウントの過去の実績と比較し、改善傾向を把握することです。
外部データに振り回されるのではなく、自社の成長指標として活用する視点が求められます。
SNSマーケティングにおいてエンゲージメントが重要な理由
先述の通りSNS運用では、単にフォロワー数や投稿数を増やすだけでは十分とは言えません。その理由を詳しく解説します。
アルゴリズムで高く評価される傾向にあるため
各SNSのアルゴリズムは、ユーザーに「関心を持たれる可能性が高い投稿」を優先的に表示する仕組みになっています。つまり、いいねやコメント、シェアといったエンゲージメントが多い投稿ほど、多くの人のタイムラインに表示されやすくなるのです。
特に投稿直後の反応は、拡散力を左右する重要な要素です。
初動で高いエンゲージメントを得られれば、アルゴリズムに「価値のある投稿」と判断され、さらに多くのユーザーに広がる好循環が生まれます。
このため企業や個人がSNSで影響力を拡大するには、エンゲージメントを意識した投稿設計が欠かせません。
実際の反応を示す数字のため
フォロワー数は一見すると大きな成果のように見えますが、必ずしも実態を反映しているとは限りません。アクティブでないフォロワーや興味の薄い層が多ければ、数字だけが大きくても効果的な情報発信につながらないでしょう。
近年では「どれだけのフォロワーが実際に動いているか」が重視されるようになっています。
その点、いいねやコメント、リンククリックなどのエンゲージメントは、ユーザーが実際に関心を示した証拠と言えます。
つまり表面的な数字に頼る指標ではなく、実際の反応を示す指標として、エンゲージメントが重視されているのです。
ブランド認知から売上につながると期待できるため
エンゲージメントが高いユーザーは、ブランドや商品に強い関心を持っている可能性が高く、将来的な顧客化やリピーター化につながりやすいです。単なる一時的な反応ではなく、長期的な関係性構築の第一歩となります。
また、エンゲージメントの積み重ねはブランド認知の拡大に寄与します。
高い関心を持つユーザーは自然に口コミやシェアを行ってくれる可能性が高いので、結果的に、新しい見込み顧客を呼び込むことにもなるでしょう。
最終的には売上やリード獲得といった具体的な成果へ波及し、企業の成長を後押しする存在となると考えられます。
SNS別・エンゲージメントの特徴
「SNS」と一口に言っても、プラットフォームによってユーザー層や利用目的、反応の仕方には大きな違いがあります。そのため同じ施策を行っても、成果の出方はそれぞれ異なるでしょう。
各SNSの特徴を理解することで、より適切な戦略を立てられるようになるはずです。
ここでは、各SNSにおけるエンゲージメントの捉え方を詳しく解説します。
※参考:総務省.「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 (概要)」.
https://www.soumu.go.jp/main_content/001017240.pdf ,(参照2025–08-20).
X
Xは拡散力に優れたSNSです。リポストや引用リポストを通じ、投稿が一気に広がる可能性を持っています。
しかし1投稿当たりの反応率は他のSNSと比べると低い傾向にあり、フォロワー数に対してエンゲージメント率が1%未満でも、健闘していると評価されるケースがあるのが特徴です。
XでのSNS運用なら、リアルタイム性に強い点を生かし、ニュースや時事ネタ、キャンペーンの即時告知などを行うのが効果的でしょう。
初動の反応がその後の拡散につながりやすいため、タイミングを意識した施策であることが重要です。
特に視覚的に訴えるコンテンツは反応を得やすく、商品やサービスの魅力を伝えるのに有効です。
Instagramの中で、近年はリールやストーリーズといった新機能が注目されています。
これらを活用するとアルゴリズムに評価されやすくなり、より多くのフォロワー以外のユーザーへ情報を届けられるため、戦略的に取り入れることが成果向上につながると考えられます。
特にビジネス向けのBtoBマーケティングや、地域密着型のコミュニティ形成で活用されるケースが多いのが特徴です。
また年齢層が高いユーザーが一定割合居ることから、若年層向けSNSとは異なる層へリーチしやすい点も特徴的です。
企業ページやグループ機能を利用すれば、コミュニティの形成や長期的な関係の強化につながるでしょう。
TikTok
TikTokは短尺動画を中心に急成長したSNSで、動画の完視率やシェアが大きな影響力を持ちます。アルゴリズムによるレコメンド機能が強力で、フォロワー数に関係なく拡散される可能性を秘めているのが魅力です。
普及当初はZ世代を中心に人気を集めているSNSという印象が強かったですが、現在では幅広い年代に利用が拡大しています。
企画性のある動画や音楽に合わせたコンテンツが好まれるため、エンターテインメントとしての見せ方を重視した運用をすると、高いエンゲージメントにつながるはずです。
LINE・その他プラットフォーム
LINEは国内で非常に高い利用率を誇り、既存顧客との関係構築に強みを持っているSNSです。LINE公式アカウントを活用することで、メッセージ配信やクーポン配布など、ユーザーとの直接的なコミュニケーションが可能になります。
メッセージ配信においては開封率・クリック率が比較的高く、情報を確実に届けられる点が特徴です。
またPinterestやLinkedInといった他のSNSもそれぞれに特性があるため、目的に応じた選択によって、マーケティングの幅を広げられるでしょう。
SNSのエンゲージメント率を高めるための施策
SNSで成果を上げるためには、質の高いコンテンツを用意するだけではなく、運用方法の工夫も必要です。投稿内容を改善するだけでなく、ユーザーとの双方向コミュニケーションやキャンペーンの実施、配信タイミングの最適化など、複数の有効な施策を組み合わせて実行すると、エンゲージメントを着実に高められます。
具体的な、5つの施策をご紹介します。
投稿内容(質と形式)の工夫
エンゲージメント率向上の基本は、投稿内容そのものの質にあります。文字だけではなく写真や動画、インフォグラフィックといったビジュアル要素を取り入れると、目を引きやすくなり、反応が増える傾向にあります。
また単なる情報の羅列で終えるのではなく、ストーリー性や感情に訴えかける表現を用いると効果的です。
共感を得られるコンテンツは、シェアやコメントといったユーザーの積極的な行動につながりやすいです。
ユーザーとの双方向コミュニケーション
SNSは情報発信の場であると同時に、ユーザーと直接コミュニケーションを取れる場でもあります。コメントへの丁寧な返信や、アンケート機能を用いた意見収集、DMでの個別対応など、双方向のやり取りを意識することが信頼構築に直結します。
一方通行の投稿を繰り返すだけでは、フォロワーの関心は薄れてしまうでしょう。
会話を重ねるような姿勢を持っていれば、ユーザーは「自分ごと」としてブランドを捉えやすくなり、結果としてエンゲージメント率の向上につながると考えられます。
キャンペーン・ハッシュタグ活用
参加型キャンペーンは、ユーザーの自発的な投稿やシェアを促す効果があります。特にハッシュタグを活用すると、キャンペーンにユーザーとの一体感が生まれ、拡散力を高められるでしょう。
また、ユーザー自身が作成するコンテンツであるUGC(User Generated Content)は、他のユーザーにとって信頼度の高い情報となります。
企業側が自社のSNSアカウントでUGCを積極的に紹介すれば、ユーザーの参加意欲がさらに高まり、自然とエンゲージメントが拡大していく可能性があります。
投稿タイミングと頻度の最適化
どれほど質の高い投稿であっても、ユーザーが見ていない時間帯のSNS投稿は、反応を得にくくなります。フォロワーが最もアクティブな時間帯を分析し、彼らのタイムライン上で目に入りやすい時間を狙って発信することが大切です。
また投稿の頻度にも注意が必要です。
多過ぎると飽きられ、少な過ぎると存在感を失ってしまいます。
適切な頻度を見極め、継続的に発信すれば、安定したエンゲージメントを確保できるでしょう。
インフルエンサー・動画活用
インフルエンサーとのコラボレーションは、新規ユーザーへのリーチを広げる効果があります。信頼されている人物がブランドに触れることで情報が拡散され、フォロワー以外にもエンゲージメントが波及しやすくなります。
また動画コンテンツは、SNS全般で高いエンゲージメントを生みやすい形式のため、積極的に活用することをおすすめします。
特にTikTokやInstagramリールなどでは、短尺動画がシェアや再生を通じて拡散されやすく、多くのユーザーの関心を集めます。
こうした手法を戦略的に取り入れることで、エンゲージメントの底上げが期待できます。
エンゲージメントを測定・分析する方法
SNSで成果を高めるためには、投稿を行うだけではなくその効果を数値として測定し、改善につなげるような工夫も欠かせません。このプロセスを継続することで、ユーザーとの関係性を深めながら運用の質を高めていけます。
基本的な方法には以下のようなものが挙げられます。
各SNSのインサイト機能で測定・分析する方法
SNSには、公式で提供されている分析機能が用意されています。例えばInstagramのアカウントのインサイトでは、リーチ数やエンゲージメント数を無料で確認できます。
Xのアナリティクスでも、コンテンツへのオーディエンスの反応を把握可能です。
これらの機能を活用すると、費用をかけずに自社アカウントの現状を把握できます。
特に投稿単位の反応を確認し、どのようなコンテンツがユーザーに届きやすいのかを把握するのに役立つでしょう。
※参考:Meta.「インサイトを把握して、成長につなげる」.
https://creators.instagram.com/grow/insights?locale=ja_JP ,(参照2025-08-20).
※参考:X.「アナリティクス アナリティクスを活用して、テスト、確認、最適化する」.
https://business.x.com/ja/advertising/analytics ,(参照2025-08-20).
外部分析ツールを活用して測定・分析する方法
SNS公式のインサイト機能だけでは見えにくい部分を補うのが、外部分析ツールです。海外ではいろいろな総合管理ツールが広く利用されており、複数アカウントを横断的に管理できるようなものもあります。
また国産ツールも多数登場しています。
国産ツールは日本市場に特化した分析機能を持ち、特に日本語の口コミ解析やトレンド把握に長けているのが特徴です。
これらを組み合わせることで、より深い分析と効率的な運用が可能になります。
数値の比較と推移分析のポイント
エンゲージメントを正しく分析するためには、単発の数値を確認するだけでなく、複数の観点から比較・推移を把握することが重要です。基本となるのは、投稿ごとのエンゲージメント率を比較し、どのコンテンツがユーザーに響いたかを特定することです。
さらに、週次や月次などの一定期間でデータを追うことで、一時的な変動ではなく長期的な傾向や改善の方向性を見極められます。
内訳に着目すれば、例えばいいねが多い投稿は共感を生みやすく、コメントが多い投稿は対話を促進しているなど、ユーザーが求める関与の種類が見えてくるでしょう。
加えて、自社だけの数字にとらわれず、業種平均や競合アカウントと比較することも有効です。
これにより、自社の位置づけや改善余地をより客観的に把握できます。
まとめ
SNSにおけるエンゲージメントは、単なる数値の集計ではなく「ユーザーとのつながりを記すもの」です。いいねやコメントはもちろん、クリックやシェアといった具体的な行動を通じて、ユーザーがどの程度関心を持ち、ブランドと関わっているかを知るための要素となります。
エンゲージメント率を高めるには、投稿内容を工夫する他、ユーザーとの双方的なコミュニケーションを実施したり、キャンペーンなどを活用したりするのが効果的です。
また投稿タイミングや頻度を最適化し、時にはインフルエンサーなどを活用するのも良いでしょう。
なおエンゲージメント率の改善は、単発の数値ではなく比較と推移を継続的に見ることが重要です。
投稿ごとの反応を比べれば強みが分かり、週次・月次で追えば長期的な傾向が見えてくるはずです。
さらに、いいねやコメントの内訳を読み解くことで、ユーザーが求める関わり方を把握できるでしょう。
こうした測定と改善の積み重ねは、ブランド価値や顧客ロイヤルティの向上につながります。
日々の運用で小さな改善を積み重ね、焦らず継続的に取り組む姿勢が、最終的にブランド価値を高める近道となるでしょう。
Quid Monitorは、SNSのエンゲージメントを高めるためのデータ収集や多彩な分析をサポートするツールです。
自社アカウントの改善に課題を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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