SNSトレンドレポート

2021年総裁選候補をSNS分析!SNSやネットでの評判とは?

2021年総裁選候補をSNS分析!SNSやネットでの評判とは?

昨年、安倍晋三元首相の辞任に伴い実施された自民党総裁選挙で首相に選出された菅義偉氏。その任期が9月30日に満了を迎えることに伴い、9月17日告示、29日投開票で総裁選が実施されます。
今年は党員投票も行われるフルスペックの総裁選であることや、第100代目の時期総理大臣を決める節目の総裁選であることなどの理由から注目度が高くなっています。テレビを始めとしたメディアでは世論調査の結果や取材に基づく情報などをもとに総裁選を予想していますが、ネットやSNSではどのような反応があるのでしょうか。

そこで今回は総裁選に関するSNSの投稿をソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)で分析したレポートをご紹介します。また今回の分析は、すでに総裁選への立候補を表明している岸田文雄氏、高市早苗氏、河野太郎氏に加え、世論調査での人気が高い石破茂氏の4名を軸にお送りします。
昨年の総裁選のSNS分析レポートはこちらからご覧ください。

総裁選に関するできごとの時系列

まずは総裁選に関する出来事を時系列に整理しましょう。

8月26日(木)
岸田文雄氏が記者会見し党総裁選への立候補を表明
9月3日(金)
菅義偉首相が臨時役員会で総裁選不出馬を表明
9月8日(水)
高市早苗氏が記者会見し党総裁選への立候補を表明
9月10日(金)
河野太郎氏が記者会見し党総裁選への立候補を表明

現在立候補を表明し、記者会見を行っている候補は岸田文雄氏、高市早苗氏、河野太郎氏(立候補順、以下同様)の3名です。では9月10日までの1か月間における「総裁選」関連投稿の推移をみてみましょう。

最も投稿数が増えたのは、菅義偉首相が不出馬を表明した9月3日でした。その日を境に、投稿数が増加しており、総裁選への注目度が一気に押し上げられたことが分かります。また次に投稿数が多い日は高市早苗氏の出馬会見が行われた9月8日でした。

次に9月10日までの1か月間における「総裁選」に関する投稿のセンチメント(感情)をみてみましょう。

全体の71.5%がポジティブとなっており、「面白い」「良い」といった総裁選の行方自体を楽しむ投稿や、「意欲」「優先」など各候補者の姿勢や政策に対してポジティブな投稿がみられました。一方でネガティブな投稿には「どうでもいい」「飽き飽きする」といった声がみられました。

各候補者のSNSの活用状況、発信力を比較

まずは各候補者の発信力として、SNSアカウントの活用状況をみてみましょう。今回は候補全員が利用しているX(旧Twitter)の活用状況をまとめました。(フォロワー数は2021年9月14日時点となります)

岸田文雄氏(@kishida230
開設日:2020年4月、フォロワー数:5万
#岸田BOX というハッシュタグを活用して政治や岸田氏に関する意見を広く集め、YouTubeやX(旧Twitter)内で回答するなど積極的にSNSを活用しています。

高市早苗氏(@takaichi_sanae
開設日:2010年11月、フォロワー数:14.9万
これまで公式X(旧Twitter)は活用していませんでしたが、9月11日からX(旧Twitter)での発信を再開したことで、フォロワー数が急速に増加しています。投稿内容は、出演するメディア情報が中心となっています。

河野太郎氏(@konotarogomame
開設日:2010年1月、フォロワー数:241.5万
9月10日の出馬会見後に総裁選用のアカウント(@konososaisen:フォロワー数:15.1万)を開設し、自身のアカウントで宣伝を行うなどSNSを使いこなし、開設から7時間で6万フォロワーを超えるなどこちらもフォロワー数が急速に増加しています。また新たなアカウントでも一般の方とのフランクなやり取りを行うなど注目を集めています。

石破茂氏(@shigeruishiba
開設日:2012年9月、フォロワー数:20万
河野太郎氏に次いでX(旧Twitter)アカウントを長く活用している石破茂氏。普段は自身のブログを更新した際のリンク掲載先としての使用がメインとなっています。

各候補者のSNSでの評判とは?

次に、各候補者に関するSNSでの投稿数や投稿内容をみてみましょう。下記グラフは9月10日までの過去1か月間の各候補者と総裁選に関する投稿数の推移です。

菅首相が不出馬を表明した9月3日を境に、各候補の投稿数に変化が出ていることが分かります。高市早苗氏に関する投稿は9月3日以降大幅に増加しており、河野太郎氏も出馬会見を行った9月10日に向けて投稿数を伸ばしています。また最初に立候補を表明した岸田文雄氏は他候補の話題に押されて投稿数が伸びていません。石破茂氏も9月3日以降投稿数は増えていますが、立候補を表明していないこともあり投稿数は伸びていません。

上記は投稿数や投稿シェア、推定インプレッション、投稿者数を比較した表です。「投稿数」やは高市早苗氏がシェア35%とカテゴリ1位となっていますが、投稿がどれだけの人に表示され方を推定する「推定インプレッション」では総裁選を除くと河野太郎氏がカテゴリ1位となっています。また言及している人数を示す「投稿者数」では、高市早苗氏と河野太郎氏が拮抗しています。

各候補者に関する投稿内容を分析

次に過去1週間(9月4日~10日)のSNS上の各候補に関する投稿内容をみてみましょう。
各候補者に関する投稿で使用されている人気キーワードと、投稿のセンチメントをご紹介します。また候補者自身に対する評判を分析するために、対象としている4候補に関するキーワードは非表示としています。

岸田文雄氏

菅首相の不出馬表明より早く立候補を表明した岸田文雄氏。
この1週間では「森友問題」に関する「再調査」をしないと明言したことが大きな反響をよんでおり、岸田文雄氏に関する話題の中心となっています。
また自身がSNS活用で使用している「#岸田BOX」もランクインしています。

センチメント分析では、「優しい」「いい」といったポジティブな意見や「批判」「失望」といったネガティブな意見が見られます。「失望」は人気キーワードにもランクインしていた森友学園への再調査否定に関する投稿で多く使用されていました。またセンチメント傾向は昨年の調査での82.6%と比較してネガティブ比率が高まっています。

高市早苗氏

「#高市早苗さんを総理大臣に」のハッシュタグが最も人気となっており、他にも「#100代総理に高市早苗を」など支持するハッシュタグが多くランクインしています。
また「メディア」「マスコミ」「テレビ」のワードでは、メディアでの取り上げられ方に不満を持つ意見が多くなっています。
また物価安定目標の「2%」や「憲法改正」、「敵基地無力化」といった政策に関する投稿が多くみられることも特徴的です。

センチメント傾向は今回調査した候補の中では最も高く、ポジティブが70.5%となっています。「素晴らしい」「一択」といったポジティブな意見や、「避ける」「媚びる」といったネガティブな意見がみられます。

河野太郎氏

200万以上のフォロワーを誇る河野太郎氏は、「#河野さんにブロックされています」「ブロックされ」などX(旧Twitter)のブロック機能を利用していることに関する投稿が多くなっています。
また過去の発言に基づく「脱原発」「女系天皇」に関する投稿や、「出馬会見」で注目された「ブルーリボン」バッジなどに関する投稿が多くみられました。

センチメント傾向は、ポジティブが54.8%となっており昨年の調査の83.5%よりも大幅にネガティブ比率が高まっています。昨年は立候補をしていないため、立候補の有無が影響している可能性はあります。「人気」「待ち望む」といったポジティブな意見や、「嫌」「剥がれる」といったネガティブな意見がみられます。

石破茂氏

9月10日に不出馬の意向をにじませるブログを更新するなど、立候補をしていない石破茂氏は「出馬」するか否かに注目が集まっています。また「世論調査」で「人気」となっていることから、それらの数字を用いた投稿が多いことが分かります。
また河野太郎氏を「支援」する動きに関する投稿や、立候補に関する「推薦人」に関する投稿も多くなっているようです。

センチメント傾向は今回調査した候補の中では最も低く、ポジティブが45.5%となっています。「人気」「首位」といったポジティブな意見や、「困惑」「阻止」といったネガティブな意見がみられます。

一般の人の投稿に焦点を当てたセンチメント分析

ご紹介した各候補者に関する分析はニュースメディアや発信力のある認証アカウント等すべてのアカウントを対象とし、かつ投稿に対するコメントなども対象とした分析です。
一般の方がどのように受け止めているのかを調べるために、一般の方の投稿に焦点を当てたセンチメント分析もご紹介します。

こちらは同期間(1週間)における非認証アカウントかつオリジナル投稿のみに絞った各候補者のセンチメント分析結果です。全体の投稿と比較してポジティブ割合は岸田文雄氏(68.3%→61.5%)、高市早苗氏(70.5%→73.3%)、河野太郎氏(54.8%→58.3%)、石破茂氏(45.5%→53.6%)となっており、岸田文雄氏以外の候補者は上昇しています。
またセンチメントキーワードもどのような感情を抱かれているのかをより細かくみることができます。

候補者×政策に関する投稿を分析

最後に9月10日時点で立候補を表明する出馬会見を行い政策をアピールした3候補について、どのような政策に関する投稿が多いのかを分析します。今回注目されているコロナ対策/経済/外交/エネルギー/皇室関係に関する各候補者の投稿数をみてみましょう。どのような政策や方針が注目を集めているのかが分かります。

岸田文雄氏と高市早苗氏は経済に関する投稿が、河野太郎氏はエネルギーに関する投稿が最も多くなっています。2番目に投稿数が多いのは、岸田文雄氏はコロナ対策、高市早苗氏と河野太郎氏は外交となっています。

ソーシャルリスニングツールによる分析

このようにソーシャルリスニングツールでは、ソーシャルメディア上の投稿を細かく分析することができます。自社サービスに対するSNS上の評判や、トレンドキーワードに対する反応などを正確に見極めるには、精緻な分析が欠かせません。ソーシャルリスニングツールにご興味のある方や、SNS分析にご興味のある方はぜひ一度お問合せください。

本記事の監修者

プロダクト本部 副本部長 山本 豊

山本 豊 プロダクト本部 副本部長

リクルートでキャリアを開始し、マクロミルに入社。マクロミルにて、リサーチ・データ事業の拡大に従事。その後、コロプラにて、リサーチ・データ関連の新規事業の立案・推進。複数のIT企業にてデータ関連事業に関わった後、2021年7月より現職。生成AIアプリ開発ツール「Dify」、ソーシャルリスニングツール「QUID」の拡大に従事。

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