SNSトレンドレポート

新型コロナウイルス第一波と第二波の違いや第二波で関心が高まっていることとは?

新型コロナウイルス第一波と第二波の違いや第二波で関心が高まっていることとは?

2020年とともに始まり、今もその猛威を振るっている新型コロナウイルス。日本では一時終息の兆しを見せたものの、再び感染は拡大しています。1月から8月にかけてSNSでの人々のコロナに関する投稿数や、実際に言及されている内容にどのような変化があるのでしょうか。
今回は新型コロナウイルスSNSトレンドレポート第5弾として、1月から8月中旬までの投稿数の推移や、第一波と第二波の違いをソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)で分析したレポートをご紹介します。

また、ここではデータ取得や解説の都合上3月15日~5月15日を第一波、6月15日~8月15日を第二波と定義してご紹介いたします。

新型コロナウイルスSNS分析レポート一覧

感染者数とSNS上の新型コロナに関する投稿数の推移(*1)

そもそもの新型コロナウイルスに関する言及はSNSで増えているのでしょうか。
下記は日本で初めての感染者が出た1月16日から8月13日までの全国の感染者数(陽性者数)とコロナウイルスに関連する投稿数の推移を表したグラフです。

第一波では多少のずれはあるものの、感染者の増加に伴い投稿数が増加し、感染者減少に伴い投稿数も減少するなど、ある程度推移は連動していました。 しかし、第二波では、7月下旬から感染者が大幅に増加しているにもかかわらず、投稿数は大きく上昇していません。

第一波の投稿数増加に大きな影響を与えていたのは、緊急事態宣言の発令や大規模イベントの中止、一斉休校、そして志村けんさんの死去でした。第二波の投稿数が大きく増加していない原因として、第一波のときのような多くの方の生活にインパクトを与えるような政府発表がないことが影響している可能性があります。
その他にも、感染する年代層や重症者数が第一波と異なることや、長期にわたる感染拡大が続いていることで話題についてやや関心が薄れている可能性もあります。

投稿数の変化について、人気キーワードや特定のキーワードから掘り下げてみましょう。

※1月から5月にかけての感染者数の時系列について詳しくは過去の新型コロナウイルス関連レポートをご覧ください。

新型コロナに関するSNS投稿を時系列で分析5月までのSNS投稿の推移や反響を振り返る

第一波と第二波でのSNS上の反響の違い(*2)

続いて投稿されている人気キーワードを比較してみましょう。
下記は第一波と第二波でコロナに関連する投稿で使用されている人気キーワードです。文字サイズが大きいほど、投稿数が多いキーワードとなります。

第一波では、「マスク」「緊急事態宣言」「感染者」といった日々の感染者数増加や緊急事態宣言についての言及が多くなっています。その他、一斉休校や緊急事態宣言の発令により自宅で過ごす時間が増えたことから「おうち」を含む投稿が人気を集めていました。

第二波で特徴的なのは、第一波のときには人気キーワードにランクインしていない「東京」が多く投稿されている点です。Go Toキャンペーンが実施された7月中旬までの期間に、とくに東京都は他県と比較して感染者数が多くなっていたため、「東京」に関する言及が多くなっていると考えられます。
また、「検査」「クラスター」といった感染症対策に関するキーワードも多く投稿されており、関心が高いことが分かります。

第二波で投稿数が増加したキーワード

続いて第二波で投稿数が増加したキーワードをご紹介します。

重症者数

下記のグラフはコロナウイルスに関連する投稿のうち「重症者数」を含む投稿数の推移です。(*3)

重症者数

第一波ではほとんど投稿されておらず、「重症者」については関心が低かったことが分かります。そして7月上旬に大きく投稿数が増加しており、その後日常的に投稿されています。

「重症者数」に関して最もエンゲージメントを獲得した投稿は7月2日に投稿された下記の投稿です。

テレビを中心としたメディアの報道により、毎日の感染者数に注目が集まっていましたが、この投稿をきっかけに「重症者数」への関心を多くの人が持つことになりました。7月3日以降、継続的に日々「重症者数」について投稿されており、感染者数だけでなく、重症者数に興味を持つ人が増えていることが分かります。

たった1つの「実は重症者数が減少している」というSNSの投稿が、非常に多くの人への興味関心に影響を与えた事例といえるでしょう。

後遺症

続いて「後遺症」を含む投稿数の推移をご紹介します。下記のグラフはコロナウイルスに関連する投稿のうち「後遺症」を含む投稿数の推移です。「重症者数」と同様に、第二波とりわけ7月中旬から急速に投稿数が増加しています。

第一波に新型コロナウイルスに罹患した方で後遺症に苦しむ方の症状に関する投稿、世界で後遺症が報告されている旨のメディア記事報道などがSNS上で反響を集めているようです。第一波では明らかとなっていなかった新型コロナウイルスの新たな脅威として、後遺症に関連する投稿は今後も増加すると考えられます。

第二波で投稿数が減少したキーワード

続いて、第一波では関心が高かったものの、第二波では関心が下がり投稿数が減少しているキーワードをご紹介します。

世界

下記のグラフはコロナウイルスに関連する投稿のうち「世界」を含む投稿数の推移です。第一波では日本国内の感染者数の増減に近い動きで投稿数が増減していますが、第二波ではほとんど増加していません。

また下記ワードクラウドは第一波と第二波で「世界」を含む新型コロナウイルスに関する投稿の人気キーワードです。(*2)

第一波では「中国」「アメリカ」「韓国」「台湾」「イタリア」など主に感染が拡大している地域や感染封じ込めに成功している国に関する投稿が多くなっていました。これにはテレビを中心としたメディア報道が世界各国の感染状況を多く伝えていたという点も影響していると考えられます。
そして第二波では他国に関する言及は「中国」「アメリカ」のみとなっています。他国の感染拡大状況についてのメディア報道の減少や、国内でも全国的な感染拡大が発生していることで関心が国内に向いている可能性もあります。
また新たなキーワードとして、世界各国で開発が進んでいる「ワクチン」についての言及も増えています。

ワクチン接種に関するSNS調査レポートはこちら

新型コロナウイルスに関するSNSレポートは以上です。
新型コロナウイルス感染症に罹患された方の一日も早い回復をお祈りいたします。

本記事の監修者

プロダクト本部 副本部長 山本 豊

山本 豊 プロダクト本部 副本部長

リクルートでキャリアを開始し、マクロミルに入社。マクロミルにて、リサーチ・データ事業の拡大に従事。その後、コロプラにて、リサーチ・データ関連の新規事業の立案・推進。複数のIT企業にてデータ関連事業に関わった後、2021年7月より現職。生成AIアプリ開発ツール「Dify」、ソーシャルリスニングツール「QUID」の拡大に従事。

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