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新型コロナウイルス関連SNS投稿を1年間振り返る

新型コロナウイルス関連SNS投稿を1年間振り返る

新型コロナウイルスSNS分析レポート第6弾 – 過去1年間のSNS投稿の推移や反響を振り返る

これまで当社では、新型コロナウイルスに関するSNS分析レポートをご紹介してまいりました。
猛威を振るう新型コロナウイルス。新型コロナウイルスに関するSNSの投稿を調査・分析した過去のSNSトレンドレポートはこちらからご覧ください

新型コロナウイルスSNS分析レポート一覧

今回お送りする「新型コロナウイルスに関するSNS分析レポート第6弾」は2020年1月から12月にかけての新型コロナウイルスに関する投稿数の推移や投稿内容の変化と、ワクチンに対するセンチメント分析をご紹介します。

2020年1月15日に日本国内で新型コロナウイルス感染症第一例目が検知されてから約1年。この1年間で私たちの生活は大きく変わりました。2度にわたる緊急事態宣言の発令や長引く自粛生活のなかで、SNSの投稿はどのように移り変わってきたのでしょうか。

「コロナ」を含む投稿数の推移(*1)

コロナSNS投稿数の推移

まずは「コロナ」「新型コロナウイルス」を含む投稿数の推移を見てみましょう。日本で感染者が確認された1月中旬から投稿数が増加し、緊急事態宣言が発令された3月から4月にかけて投稿数が大幅に増加しています。感染者数の減少と比例するように投稿数も6月にかけて減少し、その後は感染者数の増減と比例せずに低い水準となっています。
当初未知のウイルスであったコロナウイルスについて、徐々にその実態が明らかとなってきたためや、1年という長い期間による「コロナ疲れ」「コロナ慣れ」からSNSに投稿する人が減ったためと考えられます。

期間別の人気キーワード、センチメント(*2)

続いて、期間別の人気キーワードとセンチメント傾向を見てみましょう。2020年1月から2020年12月までの1年間を四半期ごとに分析しました。

1月~3月

1-3月に多く投稿されたキーワードは、
・新型コロナウイルスが発生した「中国」
・2月上旬に船内で感染が拡大した「クルーズ船」
・緊急事態宣言前に政府が中止を要請した「ライブ」「イベント」
・新型コロナウイルス感染によりお亡くなりになられた「志村けんさん」
となっています。

またセンチメントでは、特に「怖い」といったキーワードが使用されており、コロナに対して恐怖心を抱いている人が多いことがわかります。

4月~6月

4-6月に多く投稿されたキーワードは、
・緊急事態宣言による「自粛」「緊急事態宣言」
・X(旧Twitter)を中心に広まったポジティブなハッシュタグ「#コロナに負けるな」「#おかしつなぎ」
となっています。

またセンチメントでは引き続き「怖い」「恐ろしい」「憎い」といったネガティブなキーワードが中心となっています。

7月~9月

7-9月に多く投稿されたキーワードは、
・他県と比較して感染者が多く、GoToから一時除外された「東京」「東京都」
・検査の必要性や、検査の受診可否を論じる「PCR検査」「検査」
となっています。

またセンチメントでは引き続き「怖い」といったネガティブなキーワードが中心となっていますが、1-6月と比較して一時的に感染者数が減少した時期であることから「落ち着く」といったポジティブなキーワードや、Gotoや人と会うことでストレスを「発散」したといったような投稿も出てきています。ただ「コロナいじめ」「コロナ茶番」といったネガティブなキーワードも新たに増加しており、コロナに対する認識や価値観の違いが現れ始めていることが分かります。

10月~12月

10-12月に多く投稿されたキーワードは、
・再び感染が拡大したことによる「感染拡大」
・感染者の増加が目立つ「大阪」「東京」
・海外での接種や、国内での接種スケジュールのめどが報じられたことによる「ワクチン」
となっています。

感染者数が急拡大する11月から12月にかけても、センチメント傾向は大きくは変わりません。「怖い」「憎い」といったキーワードが引き続き投稿されている中、10-12月で新たに登場したのは「飽きる」といったキーワードも投稿され始めています。約1年間コロナウイルスの感染拡大と自粛生活を続ける中で「飽きる」という感情を抱く方が一定数出てきているようです。

「ワクチン」に対するセンチメント分析(*3)

続いて世界各国で接種が開始している「ワクチン」に対するセンチメント分析をご紹介します。日本におけるセンチメント分析と、すでに接種が開始しているイギリスにおけるセンチメント分析で比較しました。

日本の「ワクチン」に関するセンチメント分析

センチメント

日本では自国内での承認がまだ出ていないことから、海外での動きをポジティブに捉えている人が多くなっています。また、全体の7割程度がポジティブに捉えており、効果や解決に期待しています。またネガティブな声としては、ワクチン自体への「怖い」といった感情や、世界に対して日本への導入が「出遅れる」ことへのネガティブな感情が投稿されています。

イギリスの「ワクチン」に関するセンチメント分析

センチメント

ワクチン接種が進んでいるイギリスでは、センチメント傾向は約65%がポジティブとなっています。日本では「嬉しい」といった直接的な喜びの表現は少ないですが、イギリスでは「excellent(素晴らしい)」「happy(嬉しい)」「fantastic(素晴らしい)」といった喜びや素晴らしさを表現するポジティブなワードが並んでいます。イギリスでも日本と同じ割合で「warn(危険)」「worried(心配)」といったネガティブなキーワードが投稿されており、受け止められ方は日本と近い傾向です。ただし今後日本でも接種が開始した際には、センチメント傾向に違いが出てくる可能性もあります。

自粛期間中どこに「行きたい」と考えている?(*4)

最後に緊急事態宣言中の人々の願望を覗いてみましょう。2回目の緊急事態宣言により、不要な外出を控える要請が出ています。移動や娯楽が制限される中で、人々はSNSでどこに「行きたい」と投稿しているのでしょうか。
下記は過去コロナに関連した投稿の中で「行きたい」という言葉を含んでいる投稿の、人気キーワードと投稿している人の性別・年齢の分布です。

どこに行きたいか

キーワードを見ると、「落ち着いたら」「早く」「収まったら」といったような時期に関する投稿が目立ちます。また行きたい目的地は、「ライブ」や「イベント」「旅行」「飲む」「カラオケ」といった移動や人との交流を伴うため現在制限を受けていることが多く投稿されています。
また「行きたい」を含む投稿は女性の割合が全体の約72%と多くなっています。コロナウイルス関連の投稿全体では女性の割合は約56%となっているため、SNSに「行きたい」という願望を投稿している方は女性の割合が非常に高いことが分かります。

新型コロナウイルスに関するSNSレポートは以上です。
新型コロナウイルス感染症に罹患された方の一日も早い回復をお祈りいたします。

【出典】
*1 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020年1月1日から2021年1月23日
*2 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020年1月1日から2020年12月31日(四半期ごとに掲載)
*3 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020年12月1日から2021年1月23日
*4 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020年1月7日から2020年1月27日

本記事の監修者

プロダクト本部 副本部長 山本 豊

山本 豊 プロダクト本部 副本部長

リクルートでキャリアを開始し、マクロミルに入社。マクロミルにて、リサーチ・データ事業の拡大に従事。その後、コロプラにて、リサーチ・データ関連の新規事業の立案・推進。複数のIT企業にてデータ関連事業に関わった後、2021年7月より現職。生成AIアプリ開発ツール「Dify」、ソーシャルリスニングツール「QUID」の拡大に従事。

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