2020年6月18日に告知され、7月5日に投開票が行われた東京都知事選挙。
今回の東京都知事選挙でSNSとりわけX(旧Twitter)ではどのような選挙戦が展開されていたのでしょうか。ソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)でSNS上のユーザーの声を分析し、各候補者の傾向や投稿数と投票数の相関についてまとめました。対象期間は告示日6月18日から投票日前日7月4日までの17日間と、投票日当日7月5日の1日間。選挙期間と選挙当日でどのようなことが話題になっていたかもご紹介します。
ソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)とは
Quid Monitor(旧NetBase)はリアルタイムに膨大なソーシャルメディアデータを分析できるプラットフォームです。圧倒的な実行スピードと多彩なフィルタリング機能で何百万ものソーシャルメディアにあふれる投稿を分析します。多彩なフィルタリング機能により、スラング(俗語)や略語、コンテキスト(文脈)が曖昧なものから正しい洞察を導きます。
リアルタイムに膨大なソーシャルメディアデータを分析することで、すべてのビジネス領域において活用することができます。
ソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)とは
告示日から選挙前日までの投稿数推移と人気キーワード(*1)
投稿数推移
「都知事選」を含む投稿数は、投票日前日が最多となっています。そのほか政見放送が行われた6月24日~6月27日でも投稿数の増加がみられます。
人気キーワード
また告示日から投票日前日までの期間における人気キーワードでは「桜井誠」「山本太郎」など特定の候補者名が上位となっています。また選挙活動に関連する「討論会」「政策」「街宣」といったキーワードもランクインしています。
候補者名とともにつぶやかれているキーワード
次に「都知事選」に関連する投稿の中から各候補者名とともにつぶやかれている人気キーワードをご紹介します。各候補者名と一緒にどのような言葉が投稿されているかを分析することで、候補者への印象や候補者に対する関心事を推測することができます。
目立つのは他の候補者名です。本人に対する言及よりも、他の候補者に関する投稿の中で引き合いに出されているためと考えられます。そのほか多かったキーワードは「討論会」「質問」「都民」です。
「#宇都宮けんじさんを都知事にしよう」といった特定のハッシュタグを使用し、統制のとれたSNSの選挙活動を行っています。また「小池百合子」さんに対する「公開質問状」や「討論会」を求めたことで話題となっています。
政策やキャッチフレーズのハッシュタグが多くランクインしており、組織的な選挙活動がうかがえます。また街頭演説を中心に選挙活動を展開したことから「街宣」「街頭演説」などが多く投稿されています。
キャッチコピーの「#東京を切り開く」がランクインしているものの、それ以外では他の候補者名が多く、大きな話題となった言葉はありません。経歴の「副知事」は上位100に入ったものの、「熊本県」はあまり取り上げられていないようです。
政党名にも含まれる「日本」が最も多く投稿されています。またネット中心に選挙活動を行ったことから、YouTube動画掲載の際に投稿される@YouTubeがランクインしています。
小池百合子さん、小野泰輔さん同様、他の候補者名が多く投稿された言葉となっています。また政党名に含まれる「nhk」「ホリエモン新党」「N国」が投稿されています。
政党名「幸福実現党」が最も多く、次いで「撤退」が多く投稿されています。また撤退理由として語られた「マスコミ」「主要5候補」などの言葉が多く投稿されており、撤退について関心が高いことがうかがえます。
注目を集めた「政見放送」が最も反響を得た言葉となっています。その他「皇歴」「西暦」といった表現や「コスプレ」した「ポスター」が話題となっており、最もSNSで多角的に話題となった候補者といえそうです。
ほかの候補者名が多くを占めています。特定の候補者が多く投稿されているのではなく、あらゆる候補者とともに投稿されています。
本名より「スーパークレイジー君」についての言及が多くなっています。また選挙活動で使用した曲名がいくつかランクインしています。そのほか政見放送を受けて「思ったより」「まとも」といった感想も投稿されているようです。
投票上位5名のSNS投稿数比較
続いて投票上位5名に限定し、告示日から投票前日までの期間のSNSの投稿数や推定インプレッション、投稿数の推移を分析したデータをご紹介します。
最も投稿数が多く、選挙日前日も最も投稿数が多かったのは都知事選5位の桜井誠さんです。そして都知事選3位の山本太郎さんが続きます。この2名は投票日までの全期間においても「都知事選」を話題にしている投稿で最も多く言及されていた候補です。
この2名に宇都宮健児さんを加えた3名は、前日に向けて大きく投稿数が伸びており、SNSでの選挙活動が活発に行われた候補といえるでしょう。
一方小池百合子さん、小野泰輔さんは投票日前日に向けた投稿数の伸びは大きくなく、組織的なSNS活動は見られませんでした。
投票日当日の投稿数推移と人気キーワード(*2)
選挙活動をしても良い期間は、投票日の前日までと定められています。そのため選挙当日は特定の候補者ではなく、投票を呼び掛ける投稿が多くみられました。
投稿数
20:00の投票締め切りと同時に当確が出たことで20:00が盛り上がりのピークとなり、その後投稿数の盛り上がりはほとんどありません。現職の再選や、当選順位に大きな波乱がなかったことが要因でしょう。
人気キーワード
「投票率」や投票を呼び掛けるハッシュタグが多く投稿されています。特に「18歳」や「若い」世代に対しての呼びかけが多くみられます。また当日の選挙活動は禁止されているため、候補者名の投稿数は前日までと比較すると少なくなっています。
東京都知事選挙に関するSNSの投稿は、候補者の広報や支援者による選挙活動に力を入れている候補者とそうでない候補者で傾向に差が見られるため、実際の選挙結果とは異なる傾向となりました。今回は東京都知事選挙に関する全体の傾向をご紹介しましたが、さらに詳細なデータ分析を行うことも可能です。
SNS活動は選挙活動中のいつのタイミングに行うとより多くのインプレッションシェアを獲得するのか、どのようなユーザーに投稿が閲覧されているのかといった詳細な分析も、ソーシャルリスニングツールでは行うことができます。
より詳細なSNSデータ分析にご興味のある方や、自社や競合に関するデータ分析にご興味のある方は是非一度お問合せください。
【出典】
*1 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020年6月18日から2020年7月4日
*2 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020年7月5日
※一部過激なキーワードに対しぼかし処理を加えています。
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