SNSマーケコラム

【2024最新】ソーシャルリスニングツールおすすめ16選を徹底比較!導入メリット・選び方を解説

【2024最新】ソーシャルリスニングツールおすすめ16選を徹底比較!導入メリット・選び方を解説

SNSや口コミサイトなどが普及した現在、顧客の本音を集める手法としてソーシャルリスニングが注目されています。このソーシャルリスニングに欠かせないのがソーシャルリスニングツールです。

本記事ではソーシャルリスニングツールとは何か、注目される背景、活用目的や機能、メリットなどの基礎知識を紹介します。続いてソーシャルリスニングの効果的な使い方、導入事例、おすすめのツールなど実用的な内容を解説します。ツール導入の参考にしてください。

ソーシャルリスニングツールとは

ソーシャルリスニングツールとは、ソーシャルリスニングを効率化するツールです。ソーシャルリスニングとは、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSや、Web上にある口コミ・レビューサイト、ブログなどに投稿された一般消費者の声を収集・分析して、マーケティングに役立てる手法です。例えば、ブランディング戦略の立案や、商品・サービスの改善などにつなげられます。

自社で本格的にソーシャルリスニングをしようと考えた場合、ソーシャルリスニングツールは欠かせません。なぜなら、SNSやWeb上の投稿データは膨大で、マーケティングに役立つデータをみつけるだけで大変な作業になるからです。さらに、データを収集できたとしても、集計作業や分析作業に膨大な時間がかかってしまうでしょう。これらの人間の負担を大幅に減らしてくれるのがソーシャルリスニングツールです。

ソーシャルリスニングでできること

ソーシャルリスニングは、個人のリアルな声をリアルタイムで収集することが可能です。ソーシャルリスニングでは、ネガティブな意見も含めて率直な意見、感想を集められます。こうしたデータ分析は、従来のアンケート調査やリサーチ会社への依頼などでは実現できません。

ソーシャルリスニングによって収集、分析したデータは、以下のように、さまざまなマーケティングに応用可能です。

  •  顧客のインサイト・ニーズを発見できる
  •  プロモーションの成果を測定できる
  •  商品やサービスの開発、改善のヒントを得られる
  •  競合他社の商品・サービスの動向や評判を把握できる
  •  自社に対するクレームをいち早く察知できる

このように、ソーシャルリスニングを導入すれば、顧客視点でタイムリーな施策が打てるようになるのです。上記の内容については、ソーシャルリスニングツールを活用する目的の項目で、後ほど詳しく解説します。

対象となるSNSやサイト

ソーシャルリスニングの対象となる主な媒体は以下のとおりです。

  •  SNS:X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、TikTok、YouTube、Threads、など
  •  レビューサイト:食べログ、ぐるなび、楽天ビューティ、HOTPEPPERビューティ、じゃらん、トリップアドバイザー、アットコスメ、大手ショッピングモールの口コミ欄、など
  •  掲示板:Yahoo!知恵袋、教えてgoo、5ちゃんねる、など
  •  ニュースサイト:新聞社のサイト、雑誌社のサイト、大手Webメディアサイト(Yahoo!ニュース、MSN ニュース、ニコニコニュースなど)、プレスリリースサイト、など
  •  ブログサイト:Weibo、Tumblr、Amebaブログ、はてなブログ、楽天ブログ、など

SNSはユーザー数、投稿数が多く、リアルタイム性も非常に高いため、ソーシャルリスニングに適しています。また、ユーザー属性や関連する投稿を絞り込みやすいメリットもあります。

SNSの中でも、X(旧Twitter)はテキストデータ中心で情報量が多いため、多くの企業がソーシャルリスニングの対象にしています。X(旧Twitter)と競合するとみられているメタ社のThreads(スレッズ)も、今後重要な媒体になるかもしれません。

なお、上記の媒体はすべてのソーシャルリスニングツールで収集できるとは限りません。ツールを選ぶ際には、対応できる媒体を確認しておきましょう。

ソーシャルリスニングツール有料と無料の違い

ソーシャルリスニングツールは、無料ツールと有料ツールの2つに分けられます。また、有料ツールはキーワードベースでデータを分析できるソーシャルリスニングツールと、SNSアカウントの分析に強みを持つタイプの2種類に分けられます。それぞれの特徴をみていきましょう。

無料のソーシャルリスニングツール

無料ツールは、基本的に媒体側が提供しているツールです。例えば、X(旧Twitter)ならX(旧Twitter)アナリティクス、InstagramならInstagramインサイトがあります。

媒体側が提供しているだけに、自社のアカウント情報や投稿内容、フォロワー数などの基本的なデータを簡単な手順で取得できます。機能がシンプルですので、非エンジニアでも扱いやすいのは、無料ツールのメリットといえるでしょう。

一方、アカウント運用と無関係なデータも分析する、広範囲のソーシャルリスニングには向きません。また、他のSNSや口コミサイトなど、他のデータソースへのアクセスもできません。GoogleトレンドはWeb検索、ニュース検索、Googleショッピング、YouTube検索をリサーチできますが、いずれもGoogel系列のサービスです。

有料のソーシャルリスニングツール

有料ツールは、大きく分けるとキーワードベースでデータ分析できるタイプとSNSアカウントの分析に強みを持つタイプの2種類に分けられます。

キーワードベースのソーシャルリスニングツールは、豊富なデータソースからデータ収集・分析できるのが特徴です。このため、市場・競合の動向調査やプロモーションの効果測定、リスク対策まで幅広く活用できます。

一方、SNSアカウントの分析に強みを持つタイプは、アカウント単位にデータ収集・分析をするのが特徴です。具体的には自社や競合アカウントの投稿数、フォロワー数、リプライ数などを比較分析できます。したがって、アカウント運用の成果を高めるためにソーシャルリスニングを活用する場合に向いています。

なお、このタイプは予約投稿機能やX(旧Twitter)広告キャンペーンの自動実施など、アカウント運用を支援する機能も搭載されているのが一般的です。

【無料で利用できる】ソーシャルリスニングツールおすすめ4選

まずは無料で利用できる代表的なソーシャルリスニングツールを紹介します。無料ツールは、特定の媒体、範囲でのみ利用できるのが特徴です。

1.無料ソーシャルリスニングツール①Googleキーワードプランナー

Googleキーワードプランナーは、本来、Googleのリスティング広告のキーワードを選定する際に使われるツールです。Googleキーワードプランナーは、特定のキーワードがどれくらいの検索ボリュームを持っているか調べられます。併せて、キーワードと一緒に使われる関連キーワードも調べられます。

しかし、Googleキーワードプランナーを、簡易的なソーシャルリスニングツールとして利用することも可能です。

例えば自社名を入力して検索すれば、どれくらいの人が自社に興味を持っているか、おおよその数値を予測できるでしょう。認知度向上のための広告を配信した前後で検索数の変化を調べれば、簡易的な成果測定にもなります。

また、Googleキーワードプランナーはオウンドメディアやブログの記事などのコンテンツを制作する際のキーワード探しとしてもよく用いられています。

2.無料ソーシャルリスニングツール②Googleトレンド

Googleトレンドは、特定のキーワードの検索ボリューム数を簡単に調べられるツールです。Googleトレンドを、簡易的なソーシャルリスニングツールのように使うことも可能です。

「調べる」枠にキーワードを入力すると、指定した地域、期間、カテゴリ(エンターテイメントやスポーツなど)、媒体(Web検索、ニュース検索、Googleショッピング、YouTube検索)の検索ボリュームが、時系列で表示されます。これらの結果を顧客ニーズの把握やプロモーションの成果測定などに役立てられます。

また、キーワードやトピックを登録しておけば、トレンド情報をメールで受け取ることも可能です。簡易的なアラート通知機能として活用できるでしょう。

そのほか、カテゴリごとに公開されている検索トレンドランキングも参考になります。世の中で何が話題になっているか調べる際に便利に活用できるでしょう。

3.無料ソーシャルリスニングツール③Twitterアナリティクス

X(旧Twitter)アナリティクスは、X(旧Twitter)の自社アカウントのフォロワーへの理解を深めるために活用されるツールです。一例を挙げれば、以下のような内容をリサーチできます。

  •  ツイートした回数
  •  獲得したフォロワー数
  •  自社のユーザー名がツイートされた回数
  •  最も多くのインプレッション数を獲得したツイート
  •  指定した月に獲得したフォロワーのうち、最もフォロワー数が多いアカウント

上記をみてわかるように、X(旧Twitter)アナリティクスは主に自社のアカウント運営の成果や反応を分析するのに便利なツールです。自社の商品・サービスがどのように受け取られているか、炎上の兆候がないか、などを調べられます。

したがって、より広範囲のソーシャルリスニングをしたい場合は、X(旧Twitter)アナリティクスではなく、後ほど解説する有料のソーシャルリスニングを活用するのが一般的です。

4.無料ソーシャルリスニングツール④Instagramインサイト

Instagramインサイトは、Instagramの自社アカウントのフォロワー全体的な傾向と、コンテンツへの反応を分析するためのツールです。一例を挙げると、以下のような内容をリサーチできます。

  • インプレッション数(何回コンテンツを見られたか)
  • コンテンツを1回以上見たアカウントの数
  • 投稿したコンテンツのうち、パフォーマンスがよかった投稿
  • プロフィールに対して行ったアクションの数(プロフィールへのアクセス、電話するの・ボタンのタップ数など)

Instagramインサイトは、Instagramでアカウント運用をする際に便利な機能です。フォロワーの反応をうかがいながら、投稿内容を調整できます。ただ、自社アカウントに関連しない情報をリサーチする機能は充実していません。広範囲にソーシャルリスニングしたい場合は、有料のツールを利用するとよいでしょう。

【有料で機能が充実】ソーシャルリスニングツールおすすめ13選

ここからは、有料のソーシャルリスニングツールを13製品紹介します。有料ツールは、複数の媒体からデータを取得可能で、分析機能が充実しているのが特徴です。本格的なソーシャルリスニングの導入を検討しているなら、これから紹介する代表的なツールから検討することになるでしょう。

1.有料ソーシャルリスニングツール①Quid Monitor(旧NetBase)

Quid Monitor(旧NetBase):https://quid.tdse.jp/lp/

Quid Monitor(旧NetBase)は日本の大手企業の多くが採用している、代表的なソーシャルリスニングツールの一つです。主要なSNS、ブログ、ニュース、掲示板、レビューサイトなど豊富なデータソースから膨大なデータ量を収集できます。

例えばX(旧Twitter)では、最大2006年までさかのぼって分析でき、1カ月程度のデータであれば数秒でデータ収集から分析までが可能です。さらにAPIによってBIツールも連携できるため、リアルタイム分析して、迅速に意思決定につなげられます。

また、分析機能も充実しており、本記事でも紹介してきた基本機能はすべて網羅しています。そのほか写真のコンセプト機能や、ポジネガのレベルをバブルチャートで表示する情熱度分析など、多彩な分析機能が搭載されています。

これほど多機能だと使いこなすのが大変そうだと感じる人もいるかもしれませんが、Quid Monitor(旧NetBase)はサポートも充実しているため安心です。追加費用なし、回数無制限で専門スタッフからのサポートを受けられます。

2.有料ソーシャルリスニングツール②Rivai IQ

Rivai IQ:https://quid.tdse.jp/rivaliq_lp/

Rivai IQは、自社と競合のSNSアカウントのデータを簡単に比較分析できるツールです。自社および競合のSNSアカウントを登録するだけで、フォロワー数、投稿数、リツイート数、エンゲージメント数を比較できます。

SNSはX(旧Twitter)、Instagram、Facebook、YouTube、TikTokに対応しています。複数のSNSを同時並行でモニタリングできるため、複数のSNSでアカウント運用している企業におすすめです。

例えば、「自社と競合のブランドイメージの違いを把握したい」「広告出稿時の反応を競合と比較したい」など、差別化戦略の立案に活用できます。また、ネガティブな投稿を検知して、リスク管理に役立てたい場合にはアラート通知機能も利用できます。

Rivai IQはQuid Monitor(旧NetBase)と同じTSDEが提供しているサービスです。したがって、追加費用なし、回数無制限で専門スタッフからサポートを受けられるメリットも同じです。

3.有料ソーシャルリスニングツール③モニタリングDX

モニタリングDXは、SNS投稿・口コミのモニタリングに強みがあるソーシャルリスニングツールです。手動でのソーシャルリスニングで問題になりがちな、サイトの巡回チェック、投稿の目視確認、仕分けなどの作業負担を大幅に改善します。モニタリングDXの公式サイトによると、3名の担当者で3日(72時間)かかっていた作業が、3分で完了するようになった事例もあります。

この効率的な分析を支えているのは、高性能のAIです。各投稿がどのようなテーマ、トピックであるかAIが自動判別して、カテゴリごとに仕分けできます。さらにセンチメンタル分析まで自動で完了します。

なお、モニタリングDXは、IT導入補助金の対象製品です。条件を満たせば、費用の半額の補助が出ます。

4.有料ソーシャルリスニングツール④Zanroo

タイに拠点を持つIBG社が提供しているZanrooは、アジア圏を対象としたソーシャルリスニングに優れたソーシャルリスニングツールです。日本、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポールなどのアジア圏の言語に対応した、独自開発の文字認識エンジンを搭載しています。

日本国内とアジア圏のSNSをまとめてソーシャルリスニングしたい企業におすすめのツールといえるでしょう。対応しているSNSはX(旧Twitter)、Instagram、Facebook、YouTubeなどです。

Zanrooがユニークなのは、チャットボット機能とAI画像認識を使った顧客対応機能(簡単な書類の確認や、本人確認など)も提供しているところです。コールセンターの人員不足に課題のある企業などは、導入メリットが大きくなるでしょう。

5.有料ソーシャルリスニングツール⑤Keywordmap for SNS

Keywordmap for SNSは、主にX(旧Twitter)のアカウント運用に活用するソーシャルリスニングツールです。おおまかにいえば、X(旧Twitter)アナリティクスの機能を拡張したツールといえるでしょう。

例えば、「フォロワーを増やすために投稿コンテンツの成果測定をしたい」「X(旧Twitter)キャンペーンに反応したユーザー属性や、拡散起点を知りたい」といったシーンに活用できます。

ソーシャルリスニングの結果を、シームレスでアカウント運用に活用できるのもメリットです。投稿作成・管理機能や、X(旧Twitter)キャンペーンの当選者に対するDM(ダイレクトメール)などがあり、同一ツール上でアカウント運用もできます。

Keywordmap for SNSでは、1週間の無料トライアルもありますので、使い勝手がよいか試してみるのもよいでしょう。

6.有料ソーシャルリスニングツール⑥Brandwatch

Brandwatchは大企業向けのソーシャルリスニングツールです。包括的なソーシャルリスリングを目指す場合や、広範囲にデータ収集してビジネスインサイトを発見したい企業に向いています。Brandwatchを採用している大手企業は、トヨタ、ライオン、朝日新聞などです。

BrandwatchはX(旧Twitter)、Instagram、Facebook、TikTokなどの主要SNSと、ニュース、ブログ、レビューサイトを合わせて1億以上の豊富なデータソースにアクセスできます。また、BrandwatchはX(旧Twitter)のオフィシャルパートナーであるため、X(旧Twitter)の完全なデータにアクセスできるのが強みです。

7.有料ソーシャルリスニングツール⑦Tofu Analytics

Tofu Analyticsは独自の分析技術によって、ソーシャルリスニングを自動化できるツールです。ハッシュタグやキーワード、過去投稿データの全量取得や、リーチ数、エンゲージメント数などの計測を実現します。

Tofu Analyticsはインフルエンサーマーケティングの支援事業を展開している株式会社misosil(ミソシル)が提供していることもあり、インフルエンサーマーケティング機能が充実しているのが特徴です。

特にInstagramにおけるインフルエンサー特定の精度は高く、2次・3次拡散以降の投稿も分析対象とすることで、インフルエンサーのみならず、マイクロインフルエンサーまで発掘できます。また、インフルエンサーと継続的に良好な関係を築く「ブランド親善大使(アンバサダー)プラン」というユニークなプランも提供しています。

8.有料ソーシャルリスニングツール⑧Social Insight

Social Insightは、SNSアカウント運用と、それにともなうソーシャルリスニングを支援するツールです。メインの機能は、SNS上でのRTキャンペーンやハッシュタグキャンペーンなどの自動実施や、予約投稿機能などです。

ソーシャルリスニングの機能としては、自社と競合のSNSアカウントを一括比較する機能に強みを持っています。自社や競合アカウントのフォロワー数、投稿数、ファン属性などを比較できる機能があります。

Social InsightはBtoCで、SNSを通じて積極的にマーケティングを実施している企業におすすめのツールです。実際、飲食業、化粧品会社、ゲームメーカーなどがSocial Insightを採用しています。

9.有料ソーシャルリスニングツール⑨Buzz Finder

Buzz Finderは、SNSを通じた炎上リスク監視・対策に強みを持ったツールです。リアルタイムでX(旧Twitter)の全量データ分析ができるため、異常事態を速やかに検知できます。強固なブランドセーフティの構築を目指す企業に、特におすすめのツールといえるでしょう。

X(旧Twitter)のほかにはFacebook、Instagram、ニュースサイト、掲示板サイトなどのデータソースも、要望に合わせて追加可能です。また、ビッグデータ収集に欠かせないノイズ除去や収集条件の最適化もサポートしてもらえます。

10.有料ソーシャルリスニングツール⑩ブームリサーチ

ブームリサーチは、タイムリーな分析に強みを持っているソーシャルリスニングツールです。調べたいキーワードを入力するだけで、どれだけの人がどのように使っているか瞬時に調べられます。

「ブーム」のリサーチに強みを持つツールであるだけに、データソースはX(旧Twitter)のほかに、2ちゃんねる、Webニュース、TVデータなどトレンド分析に適した媒体が多いのが特徴です。日々刻刻と変わるトレンドを追跡したい企業に向くツールといえるでしょう。

11.有料ソーシャルリスニングツール⑪BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長

BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長は、シンプルな操作仕様が人気のツールです。

例えば、「りんご」と「みかん」のように複数のキーワードを入力すれば、トレンドグラフ(時系列分析)と、投稿数のメディア比率などが自動で出力されます。

また、それぞれの内容を「成分マップ」として表示できます。成分マップとは分析対象の話題の全体像を見える化できる機能です。各話題の先に関連する話題を芋づる式に分析したり、話題の関連性を数値化してマップ上に表示したりできます。このほか、投稿の自動仕分けや、属性分析など、よく使う基本機能が搭載されています。

12.有料ソーシャルリスニングツール⑫Insight Intelligence Q

Insight Intelligence Qは、アカウント分析や反響分析を担当するマーケター向けに開発されたソーシャルリスニングツールです。膨大なデータからユーザーのインサイトを探ったり、商品企画や顧客接点の最適化を図ったりする際の機能が充実しています。

具体的には、以下の目的別に機能を選べる仕様になっています。

  • ● 自社と競合の評価比較
  • ● プロモーションの効果測定
  • ● 話題の拡散要因の分析
  • ● 影響力のあるメディアの調査
  • ● 自社と親和性の高いインフルエンサーの発掘

したがって、どの分析機能を使えばよいのか迷う場面が少なくなり、求めている有益なデータを得やすくなります。

ソーシャルリスニングツールが注目されている背景

ソーシャルリスニングツールが注目された背景には、2010年ごろからのスマートフォンユーザーの急増があります。スマートフォンユーザーの拡大にともなって、インターネットにつながっている状態が当たり前となり、SNSの利用者が飛躍的に増えました。

そしてSNSユーザーの増加によって、インターネット上に一般消費者の投稿が大量にあふれるようになっています。そこには商品購入者の感想や意見、見込み客のニーズや悩みなどの貴重なデータがあり、企業はビジネスに応用できると考えました。

しかし、膨大なデータを収集、分析する際に問題になるのが、分析の手間と時間です。そこで膨大なデータの中から必要な情報を自動的に抽出し、集計・分析・レポート出力などができるソーシャルリスニングツールが注目されるようになりました。

ソーシャルリスニングツールを活用する目的

企業はソーシャルリスニングツールを用いたソーシャルリスリングによって、何を実現できるのでしょうか。ここでは、代表的な活用目的を具体例を挙げながら5つ紹介します。

顧客のインサイトやニーズの発見

顧客のインサイト(顧客自身も自覚していない潜在的なニーズ)や、ニーズを分析するために、ソーシャルリスニングツールは活用されています。SNSやコメント欄などには、個人の正直で何気ない感想や意見が数多くあり、そこに本当のニーズが隠れているケースが多いからです。

実際、ソーシャルリスニングによって企画化、商品化された商品は少なくありません。例えば、東急ハンズが発売した「目に優しいグリーンノート」はその一つです。東急ハンズは、「視覚過敏なのでノートを見ると目が痛くなる」という投稿がSNSで拡散されていることに目を付け、いち早く商品化して売り上げを伸ばしました。

従来であれば、こうしたニーズは企業が仮説を立てた後にアンケート調査などを行ったうえで、知り得るものでした。しかし、ソーシャルリスニングツールを使えば、ダイレクトに顧客のインサイトやニーズを調べられます。

プロモーションの効果を測定する

テレビCMやプレスリリースなどのプロモーション効果を測定するためにも、ソーシャルリスニングツールが活用されています。不特定多数に情報発信した場合、従来の方法では、反響がわかりにくい部分がありました。しかし、ソーシャルリスニングで企業名や商品名のキーワードで投稿を収集すると、施策前後でキーワードの使用回数が変わります。これによって、成果測定が可能です。

また、使用されるキーワードによって、ポジティブな反応かネガティブな反応かがわかります。また、価格や性能などどの部分に反応しているかどうかも、頻出キーワードによって推測できるでしょう。さらに、SNSのアカウント情報や、コメント欄に記載された年齢、性別などのユーザー属性を調べれば、どのような顧客層がプロモーションに反応しているかまで調査できます。

こうした成果測定は、従来は大規模なアンケート調査やリサーチ会社への依頼が必要でした。しかし、ソーシャルリスリングツールを使えば、効率的に成果測定ができます。

商品・サービスの改善や見直し

商品やサービスの改善点をみつけるためにもソーシャルリスニングが活用されています。インターネット上は匿名性が高いこともあり、改善に役立てられる率直な意見が多いのが特徴です。

例えば「少し乱暴に扱ったらすぐ壊れた」「コスパが悪い」など、ネガティブな意見も数多くみられます。アンケート調査やヒアリングでは場合、相手への気遣いなどから当たり障りのない意見が集まりやすい傾向がありますが、ソーシャルリスニングならリアルな声を収集できるでしょう。

また、長年同じ商品を販売しているような企業もソーシャルリスニングツールの活用が効果的です。こうした企業は、いつの間にか消費者ニーズとのズレが生じているケースが珍しくありません。こうした弊害を減らすために、消費者の正直な意見、感想を集めて社内で情報共有している会社もあります。

競合他社の動向を把握する

ソーシャルリスニングツールは、自社関連の情報を集めるだけでなく、他社の情報も集められます。方法は簡単で、自社名の代わりに他社名でキーワード検索したり、競合のSNSアカウントのURLを追加したりするだけです。ソーシャルリスニングツールのほとんどは月額利用制のサービスですので、利用制限なく何社でも調査対象を増やせるでしょう。

例えば、競合他社が新商品を発売したときや、キャンペーンを開催したときなどに、プロモーションの反応を測定します。反応がよかったら、何が顧客に受け入れられているか分析し、逆に反応が悪かったなら何が問題だったのか分析して、自社のマーケティングに応用できるでしょう。また、差別化戦略を立てるためにもソーシャルリスニングによる動向調査が役立ちます。



 

ソーシャルリスニングツールの基本的な機能

ソーシャルリスニングツールはデータ収集だけでなく、データ分析機能も備えています。ここではデータ分析の基本的な機能を8つ紹介します。

センチメント(ポジネガ)分析

センチメント分析とは、SNSやコメントなどのテキストを解釈して書き込みに込められた投稿者の感情を分析する機能です。テキストの内容をポジティブ・ネガティブ・中立の3パターンに分類するため、ポジネガ分析とも呼ばれています。

例えば、「うれしい」「楽しい」などが含まれるテキストはポジティブ、「悲しい」「嫌い」などが含まれるテキストはネガティブ、「どちらでもよい」「まあまあ」などが含まれるテキストは中立と判定してスコア化します。さらに、高度なソーシャルリスニングツールでは、使用回数が多いほど文字サイズを大きくして目立つ色で表示する「ワードクラウド」グラフを作成可能です。これによって分析者は、顧客の感情を直感的に把握できます。

センチメント分析は、ソーシャルリスニングが実現できるようになってから考案された新しい手法です。2012年の衆議院選挙の予測で使われたことで注目を浴びました。企業活動ではブランディングの成果測定や、商品に対する消費者の心理などを推測するために活用できるでしょう。

時系列分析

ソーシャルリスニングツールの時系列分析とは、特定のキーワードに注目して時系列で登場回数の推移を調べる機能です。多くのソーシャルリスニングツールは、ツール内に蓄積したデータをもとに指定した期間で時系列分析ができます。例えば、プロモーションの前後で時系列分析すれば、プロモーションの効果を測れるでしょう。

また、時系列分析はトレンド分析にもよく使われます。短期間で急増したキーワードは、多くの人の関心を集めているトレンドワードである可能性が高いため、ビジネスに応用できないか検討できます

このほか、周期性がないか調べるときも時系列分析が有効です。例えばあるキーワードの1年間の登場回数を時系列分析すれば、季節的な要因との関連性がわかるかもしれません。

インフルエンサー分析

インフルエンサー分析とは、多くのフォロワーを持ち、影響力が強いSNSのアカウントを発掘できる機能です。具体的には、フォロワー数や、いいね・リプライなどのエンゲージメント数、投稿回数などの条件を指定すると、条件にマッチしたアカウントをソーシャルリスニングツールが抽出してくれます。

また、インフルエンサーの本質的な影響力も測定できます。ツールによって仕様は異なりますが、例えば2次拡散、3次拡散への関与を調べて、本質的に影響力を持ったインフルエンサーかどうかスコア化できるツールがあります。

API

ソーシャルリスニングツールの機能としてのAPIは、他ツールとの連携機能を指します。ツールによって機能は異なりますが、例えばTableau、DOMO、Datorama、Power BIなど、各種BIツールとの連携が代表的です。

BIツールとは、大量のデータを分析して人間がわかりやすい形で見える化し、意思決定を支援するツールです。分析担当者が表計算ソフトを使ってグラフや表にまとめていた作業を、BIツールで代替できると考えるとわかりやすいでしょう。

もともとBIツールは、経営層が膨大な情報資源を把握して経営に役立てるツールとして考案されました。しかし、膨大なデータを扱うソーシャルリスニングとも相性がよいため、一部のソーシャルリスニングツールにはBI連携機能が搭載されています。

GPS分析

ソーシャルリスニングツールのGPS分析とは、SNSの位置情報付きの投稿を収集し、地図上で確認できる機能です。興味のある場所からのみの投稿を効率的に収集できます。また、投稿が多かったエリアにピンが表示されるため、視覚的に投稿が多い場所を把握できます。

GPS分析が便利なのは、実店舗を新規オープンした際など特定のエリアの反応を調べたいケースです。どのエリアまで顧客が広がっているか視覚的に確認でき、今後のプロモーション活動などに役立てられます。

ただし、GPS分析ができるのはSNSで位置情報の公開を許可しているユーザーのみです。また、エリアを絞り込みすぎてしまうと、投稿数が少なすぎて精度の高い分析ができない場合があります。

ソーシャルリスニングツールの導入で得られるメリット

ここでは、ソーシャルリスニングツールを用いたソーシャルリスニングのメリットとして、顧客の本音を得やすいこと、リアルタイム性があること、潜在ニーズを発見しやすいことを紹介します。他の手法にはないメリットを理解しておくと、施策に落とし込みやすくなるでしょう。

ユーザー・消費者の本音が理解できる

ソーシャルリスニングはユーザー・消費者の率直な意見、感想を収集、分析できるのがメリットです。SNSや口コミサイトへの投稿は、誰かに強いられたものではなく、個人の意志で自由に気軽に投稿されています。

もちろん、一つひとつの投稿は個人的な意見であるケースが多く、信頼できないケースも少なくありません。しかし、ソーシャルリスニングツールで数多くのデータを集めると、ユーザーの心理や行動に一定のパターンがみつかり、本音を発見できるのがメリットです。

企業のアンケート調査の場合、呼びかけに応じてくれた人だけが対象となるため、この時点で偏りが生じる可能性があります。例えば、自社に関心がない人や不満を持ってもらう人の割合が少なくなり、好意的な意見だけが集まるかもしれません。また、アンケート回答にインセンティブを与えて回答数を増やしても、データに信頼性が持てないケースもあります。こうしたアンケート調査の弱点を補えるのが、ソーシャルリスニングのメリットです。

プロモーションの効果をリアルタイムで把握できる

ソーシャルリスニングはリアルタイム性が高いのがメリットです。大手企業ならプレスリリースと同時にSNSで情報拡散されるケースが珍しくありません。また、実店舗のキャンペーンなら、その場で感想や意見を投稿する人も多いでしょう。

リアルタイムで情報把握できれば、プロモーションを軌道修正できるようになります。例えばWeb広告の訴求ポイントに対する反応が薄いようなら、キャッチコピーを修正して出稿し直せます。逆に反応が多ければ、広告配信を増やすなど、攻めのマーケティングに切り替えられる場合もあるでしょう。

従来のリサーチ方法では「プロモーションの実施→成果測定・検証→次のプロモーションで改善策を実施」というサイクルをとるのが一般的でした。しかし、ソーシャルリスニングツールを活用すると、一連のサイクルを同時並行的に進められるのがメリットです。

潜在ニーズを発見できる

ソーシャルリスニングは潜在ニーズをみつけやすいメリットがあります。理由の一つは、店舗やカスタマーセンターにわざわざ伝えるまでもないようなコメントを集めやすいからです。例えば、「説明書がわかりにくかった」「接客態度がそっけなさすぎる」といった内容は、アンケート調査ではなかなか表面化しないかもしれません。しかし、ソーシャルリスニングではささいな感想や意見も数多く集められます。

もうひとつの理由は、付帯情報を入手しやすい点にあります。例えば、自動車メーカーが子育て世代をターゲットにした自動車を開発したい場合、ターゲット層が子どもを連れてどのような場所に出掛けているか、買い物の内容は何かなどの付帯情報を入手できます。こうした自社商材と間接的につながっている情報から潜在ニーズを推測し、自動車のコンセプト作りに役立てられます。

ソーシャルリスニングツールの効果的な使い方

ここではソーシャルリスニングツールを効果的に活用するポイントとして、目的の明確化、キーワードの選定、客観的な分析の3つを解説します。これらのポイントは、ソーシャルリスニングツールを上手に活用できない落とし罠にもなる内容ですので、特徴を理解しておくとよいでしょう。

活用目的を明確にする

ソーシャルリスニングツールを活用する際には、まず目的を明確にしておきます。ソーシャルリスニングツール自体はマーケティングの正解を導き出すツールではありません。データ収集を自動化して、人間が判断しやすいようにデータを加工するためのツールです。

したがって、目的が不明確であれば、データから有益な情報を抽出することができません。そればかりか、データの収集範囲が広がりすぎて、コストと手間がかかる割には結論が得られないようなケースもあるでしょう。

特に高機能のソーシャルリスニングツールを導入すると、データの入手先やデータ量が増えるため、膨大な情報を扱いきれなくなってしまいかねません。「プロモーションの成果を測定をする」「自社のブランドイメージを明らかにする」など、具体的な目的を決めておくとよいでしょう。

キーワード選定を適切に行う

ソーシャルリスニングツールを活用する際は、キーワード選定がとても重要です。一般的には業界名、自社・競合の企業名、店舗名、ブランド名、商品名などが必須のキーワードとなります。

しかし、より高度なソーシャルリスリングを行いたいときは、消費者が投稿するワードを推測する必要もあります。投稿内容に決まったフォーマットはなく、口語やスラング、トレンドワードなどが混じるため、柔軟にキーワードを切り替える必要があるのです。例えば、気になるクレーム投稿をみつけたら、投稿内で使われたキーワードを新たに登録するなど対策をとります。

また、事業の規模が大きくなるほど、単ワードでの抽出は難しくなります。「企業名+商品名」のように、複合キーワードを活用していくとよいでしょう。

消費者の声を今後の商品開発の参考にする

ソーシャルリスニングツールを活用すれば、多様な意見が集まります。自社商品を買いたいと述べている投稿や、好意的な意見を述べている投稿などポジティブな意見があるとわかります。反対に競合商品のほうがよいと述べている投稿や、否定的な意見を述べている投稿など、ネガティブな情報も簡単に集まるでしょう。

このためソーシャルリスニングで重要なのは、消費者の声を中立的、客観的に分析して、今後の商品開発の参考にすることです。分析者の主観が交じれば、過度に楽観的あるいは悲観的な分析結果になってしまいかねません。

客観性を確保するには、ソーシャルリスニングツールの分析機能やレポーティング機能をフル活用するのが効果的です。これらは統計的な考えに基づいて設計されているため、客観的な分析をサポートしてくれます。


自社に合ったソーシャルリスニングツールの選び方・比較のポイント

ここでは、これからソーシャルリスニングツールを選定する担当者に向けて、選び方・比較のポイントを解説します。

対応しているメディアは豊富か

データの入手先として選択できるメディアや媒体が豊富か確認しておきましょう。有料のソーシャルリスニングツールの多くはX(旧Twitter)やInstagramなどの主要SNSには対応していますが、無料のツールは特定の媒体のみのものが一般的です。

情報収集したいメディアに対応している場合も、どのフォーマットを分析できるのかまで調べておきましょう。高機能なソーシャルリスリングツールでは、写真のコンセプトを分析する機能も搭載しており、例えば海辺の風景写真を「ビーチ」のようにテキスト化してくれます。近年は写真によるSNSの投稿も増えているため、対応フォーマットもチェックしておくとよいでしょう。

また、ブログ、ニュース、掲示板、レビューサイトなどの対応状況も確認します。これらのメディアはSNSだけでなく幅広い媒体から情報を集めたい場合に重要です。また、できれば自社が実施したアンケートやレビューのデータをアップロードして分析できる機能があるとよいでしょう。既存のリサーチとソーシャルリスニングを統合できて便利です。

リスク対応機能があるか

リスク対応機能とは、先に紹介したアラート通知機能があるかどうかです。例えば、自社でSNSアカウントやブログなどを運用しており、情報発信に注意する必要がある場合に、リスク対応機能が必須です。また、飲食業やサービス業など、一般消費者とダイレクトに接しており、ネガティブな投稿による悪影響が生じやすい業種の場合もリスク対応機能があったほうがよいでしょう。

リスク対応機能は、リアルタイムのトレンド検知にも効果的です。例えば、アパレル関連やオウンドメディアの運営のように、トレンドに沿った施策が重要なビジネスでは、リスク対応機能でトレンド検知することによって、いち早く顧客ニーズに応えられます。

分析機能は充実しているか

自社に必要な分析機能を備えているかどうかも重要な選定ポイントです。ツール選定の際には、自社の分析目的と方法を検討しておき、必要な機能があるか調べたほうが効果的です。例えば、「影響力のあるインフルエンサーを発掘したい」「一般消費者のセンチメントを分析したい」など、具体的な活用シチュエーションを想定しておきます。

とはいえ、ソーシャルリスニングは手法の特性上、後から、違った角度から検証したくなるケースが多々あります。そのため、はじめから多彩な分析機能が搭載されているほうが安心です。

また、忘れてしまいがちなのがデータソースの保存期間です。高機能なソーシャルリスニングツールでは、過去10〜20年ほどさかのぼってデータ検証できますが、ツールによってはもっと期間が短くなります。例えば、長期スパンで時系列分析する際には、データ保存期間が長いほど有効な検証ができるでしょう。

SNSアカウント運用機能は充実しているか

SNSアカウントを運用するなら、アカウント運用機能が搭載されたソーシャルリスニングツールを選ぶ方法もあります。アカウント運用機能はSNSマーケティング(SNSを活用して販促活動を行うマーケティング手法)を効率化したい場合におすすめの機能です。

アカウント運用機能を搭載したソーシャルリスニングツールでは、SNSのデータを収集、分析するだけでなく、投稿管理もできます。また、SNSの施策立案や成果測定など、アカウント運用の業務をサポートする機能が付いているのが特徴です。

こうしたソーシャルリスニングツールの中には、競合のアカウント運用と比較する機能を持ったタイプもあります。例えば、自社と競合のフォロワー数、投稿数、エンゲージメント数などを横並びで比較可能です。これによって、手間がかかりやすい比較分析が、ツール上で自動的に完結できます。

分析速度は十分か

膨大なデータを扱うソーシャルリスニングでは、分析速度も大切な選定ポイントです。一般的に、分析速度は収集するデータ数に応じて長くなります。自社で必要なサンプル数と分析速度のバランスを考える必要があります。

もし分析速度が遅ければ、ソーシャルリスニングのリアルタイム性のメリットがなくなってしまいかねません。炎上対策やトレンド発見などを目的にソーシャルリスニングを行う際は、分析速度のスペックにこだわったほうがよいでしょう。高性能なソーシャルリスニングツールでは、1カ月程度のデータであれば、数秒で収集・分析できます。

ただし、システムの処理時間はあくまで分析時間の一部です。分析速度を考える際は、フィルタリング機能やAIの精度や、分析機能、BIツールの連携(API機能)など、トータルでの分析時間を考える必要があります。業者に自社のリサーチ規模を伝えて、どれくらいの時間で分析できるか問い合わせてみるのがよいでしょう。

コストが見合っているか

ソーシャルリスニングツールを導入するには、初期費用とランニングコストが必要です。ソーシャルリスニングで得られるメリットとコストが見合っているか検討しましょう。

多くのソーシャルリスニングツールはクラウドサービスとして提供されているため、初期費用はそれほど高額ではなく、無料のサービスも一般的です。しかし、月額利用料の相場は数千円〜数十万円と幅広いため、オーバースペックの製品を選んでしまうとコストがかさんでしまいます。

ただし、カタログだけで費用対効果を見積もるのは難しい面があるかもしれません。このため、できればトライアルや無料プランで運用を試してみたいところです。現場で実際に使ってもらうことで、コストに見合うツールなのか、見極めやすくなるでしょう。

ソーシャルリスニングツールの導入事例

ここでは、ソーシャルリスニングツールの導入と活用シーンを具体的にイメージできるように、実際にあった企業の成功事例を3社紹介します。

1.TOTO株式会社

TOTO株式会社では、顧客ニーズを効率的に把握するために以前からソーシャルリスニングツールを活用してX(旧Twitter)のデータを収集してきました。しかし、検索結果にノイズが多く、有益な投稿を抽出できない問題がありました。

そこで、TDSEのソーシャルリスニングツール「Quid Monitor(旧NetBase)」への移行を決断します。Quid Monitor(旧NetBase)は多彩なフィルタリング機能とAI技術によってノイズを除去でき、以前から問題だったサッカーくじのtotoやペット名のtotoなどのフィルタリングが可能になりました。

この結果、現在は自社に関する有益な投稿を的確に拾い出せるようになっています。これらの投稿は商品の改善や開発に役立てられています。

出典:TDSE株式会社「ソーシャルリスニング活用事例」

2.日本航空株式会社

日本航空株式会社はソーシャルリスニング文化を熟成する目的で、TDSEのソーシャルリスニングツール「Quid Monitor(旧NetBase)」を導入しました。日本航空株式会社のサービスは、顧客と直接触れ合う部分も多いですが、直接お褒めの言葉をもらったり、率直なクレームを受けたりする従業員は限られています。そこで、ソーシャルリスニングで集めたSNSの投稿の中から、コレはと思う顧客の声を担当者がピックアップして、全社員にシェアしています。

また、炎上対策としてソーシャルリスニングツールが役立ったこともありました。ある動画に機内に持ち込めないはずの荷物が写り込んでいたのです。この際はソーシャルリスニングツールで問題を指摘した投稿を検知し、すぐに動画を修正しました。この素早い対応によって、炎上リスクを未然に防ぐことができたといいます。

出典:TDSE株式会社「ソーシャルリスニング活用事例」

3.セブン-イレブン(7-Eleven)

セブン-イレブンでは、シャーベット状ソフトドリンク「スラーピー」の新フレーバーをリリースし、売り上げ拡大を図りたいと考えていました。しかし、商品認知を広げるのは簡単でないことが、前もってわかっていたといいます。

そこでスラーピーの熱心なファンにターゲットを絞りました。一般的にロイヤルカスタマーは他人に商品を勧めようとする傾向があるため、SNSでの拡散効果が見込めると考えたからです。

セブン-イレブンはまずTDSEのソーシャルリスニングツール「Quid Monitor(旧NetBase)」を活用して熱狂的なファンを特定し、独自のオーディエンスリスト(広告配信リスト)を作成しました。これによって、ユーザー属性(年齢・性別・場所)によるターゲティング配信では期待できなかった高い広告効果を得たと言います。その結果、キャンペーンのリーチを300万人に拡大、過去のキャンペーンの12倍のエンゲージメント率を獲得するなど、大きな成果を挙げられました。

出典:TDSE株式会社「ソーシャルリスニング活用事例」

効果的なマーケティング戦略にはソーシャルリスニングツールの導入がおすすめ

スマートフォンの普及によってSNSが普及し、個人の声がインターネットに大量に存在するようになりました。それにともないソーシャルリスニングの重要性が高まってきています。

膨大なデータを効率的に収集し、有益なデータを得るにはソーシャルリスニングツールが欠かせません。自社に合ったソーシャルリスニングツールを活用していきましょう。

キーワードベースのソーシャルリスニングツールでは、Quid Monitor(旧NetBase)をおすすめします。豊富なデータソースや分析速度の速さ、多彩な分析機能が特徴です。また、SNSアカウントの分析に強みを持つタイプのおすすめはQuid Compete(旧Rival IQ)です。自社と競合のアカウントURLを登録するだけで、SNSアカウントのデータを簡単に比較できます。興味をお持ちの方は下記リンクより詳しい情報をご覧ください。

Quid Monitor(旧NetBase)の詳細・資料ダウンロードはこちら
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本記事の監修者

プロダクト本部 副本部長 山本 豊

山本 豊 プロダクト本部 副本部長

リクルートでキャリアを開始し、マクロミルに入社。マクロミルにて、リサーチ・データ事業の拡大に従事。その後、コロプラにて、リサーチ・データ関連の新規事業の立案・推進。複数のIT企業にてデータ関連事業に関わった後、2021年7月より現職。生成AIアプリ開発ツール「Dify」、ソーシャルリスニングツール「QUID」の拡大に従事。

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