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新プランX(旧Twitter) APIの有料化とは?特徴や料金・各種ツールに与える影響

新プランX(旧Twitter) APIの有料化とは?特徴や料金・各種ツールに与える影響

2023年3月30日よりX(旧Twitter) APIのプラン有料化やAPI仕様の大幅変更があり、X(旧Twitter)を利用するビジネス環境は大きく変化しています。X(旧Twitter)と自社アプリケーションを連携したい場合、新プランへの移行や、新バージョンのAPIへの対応は必須です。移行がうまく行かず、大きなトラブルに遭遇してしまったサービスも決して少なくありません。

そこで今回は、新たなTwitte APIの特徴や、新プランの特徴・料金、新プランへの申請手順などを解説します。また、新たなプランやAPIの移行にともない、どのような問題が起きているかについても紹介します。

X(旧Twitter) API とは

そもそもX(旧Twitter) APIはどのようなサービスなのでしょうか。ここでは、X(旧Twitter) APIのサービス概要や近年の変更点などについて簡単に紹介します。

X(旧Twitter) API の特徴

X(旧Twitter) APIとは、X Corp.(旧Twitter社)によって提供されており、X(旧Twitter)のデータにプログラムレベルでアクセスできるサービスです。APIは「Application Programming Interface:アプリケーション・プログラミング・インターフェイス」の略で、X(旧Twitter)のシステムと外部アプリケーションを接続する仕組みです。

X(旧Twitter) APIを利用すると、例えば特定のツイートを取得して自社サイトに独自のデザインで表示できます。また、X(旧Twitter)上にある膨大なデータのなかから、特定のハッシュタグを付けた投稿を収集することも可能です。

X(旧Twitter) APIを用いて提供されている代表的なツールは以下のとおりです。

  • ● ソーシャルリスニングツール
  • ● 投稿予約ツール
  • ● アカウントの投稿分析ツール
  • ● X(旧Twitter)キャンペーン管理ツール(応募者データの収集・抽出、当選者への連絡など)
  • ● 診断系アプリ(性格診断や仲良し度診断などのコンテンツ)
  • ● ゲーム

このようにX(旧Twitter) APIを利用すると自社アプリケーションとX(旧Twitter)を一体化したアプリケーションを構築できるようになります。

X(旧Twitter) API の有料化はいつから?

X Corp.は2023年2月にX(旧Twitter) APIの有料化を発表しました。そして、2023年3月30日には、新しい料金プランが公開され、BasicとEnterpriseの有料サービスがスタートしています。その後、2023年5月25日には有料の新プラン「Pro」が追加されました。

2023年6月現在、無料で利用できるプランは「Freeプラン」のみです。後ほど詳しく解説しますが、Freeプランは機能がかなり限定されたプランですので、企業レベルの利用には向きません。多くの企業は、有料でX(旧Twitter) APIを利用することになるでしょう。

X(旧Twitter) API 旧プランと新プランの違いとは?

X(旧Twitter) APIの旧プランで利用されていたAPIは「X(旧Twitter) API v1.1」でした。v1.1はツイートの投稿・取得・フィルタリングや、ダイレクトメッセージのイベントの送受信、ウェルカムメッセージ送信、メディアのアップロードなどの機能を実現できます。

新プランになってからは、APIのほぼすべてが「X(旧Twitter) API v2」に変わりました。v2の大きな変更点は「レート制限」が総じて厳しくなった点です。

レート制限とは、データリクエストの回数や量を制限する仕組みです。レート制限の目的はX(旧Twitter)のシステムへの負荷を減らし、開発者コミュニティが安心して利用できる信頼性、拡張性に優れたAPIを提供することにあります。例えばBasicプランは個人やプロトタイプ開発用の機能しか作成できないようになっており、ツイート投稿数や取得数の上限が限られています。

一方、v2では新機能も追加されました。例えば、conversation_idを用いて会話の流れを追跡できる機能や、学術用データの取得機能などです。新プランスタートにともない、開発ポータルが一新されて使いやすくなったこと、プランの移行の手続きが不要になったこともメリットです。

X(旧Twitter) API新プランの特徴・料金

X(旧Twitter) APIの新プランは、「Free」「Basic」「Pro」「Enterprise」の4種類です。これによって旧プランの「Essential」「Elevated」「Managed」の3プランは廃止となりました。

新プランの内容を知っておくと、自社に合ったプランを選びやすくなります。それでは、各プランの特徴や機能、料金などをみていきましょう。

【無料】Freeプラン

無料のFreeプランは非常に小規模な企業向けのプランです。

  • ● 機能:X(旧Twitter) API v2によって自分のツイートを投稿・取得・削除、メディアのアップロードが可能
  • ● ツイート操作:1,500ツイート/月(アプリあたり)
  • ● アプリID:1つ
  • ● 料金:無料

Freeプランではアカウント操作の一部を自動化する程度しかできません。現実的な使い方としては、Botでの自動投稿を管理する程度になるでしょう。また、1つの認証済みユーザートークンに対して月間1,500ツイートまで作成可能です。これにはX(旧Twitter)へのログインも含まれます。

なお、認証済みユーザートークンについての明確な基準は明らかになっておりません。安定して長期運用したい場合は有料プランも検討したほうがよいでしょう。

【有料】Basicプラン(v2)

有料のBasicプランはホビー開発者向けに位置付けられているプランです。Freeプランよりもツイート投稿数が増えています。また、自社以外のツイートにもアクセスできます。

  • ● 機能:X(旧Twitter) API v2により、基本的な機能を利用可能
  • ● ツイート操作:投稿5万回/月(アプリあたり)・3,000回(ユーザーあたり)・取得1万回(アプリあたり)
  • ● アプリID:2つ
  • ● 料金:100ドル/月

Basicプランは分析用のデータ取得や各種の自動操作ができますが、旧プランのEssential、Elevatedと比べると投稿数や取得数が少なくなります。また、X(旧Twitter)キャンペーンやリアルタイムでの投稿取得、1週間以上前の投稿取得などができません。新プラン移行でBasicプランを選ぶと、場合によっては機能的に不足するケースがあるかもしれません。

【有料】Proプラン(v2)

Proプランは、X Corp.が「ビジネスを拡大するスタートアップ向け」と位置付けているプランです。

  • ● 機能:X(旧Twitter) API v2により、リアルタイムにフィルタリングされたエンドポイントへのアクセスが可能
  • ● ツイート操作:投稿30万回/月(アプリあたり)、28万8,000回(ユーザーあたり)、取得100万回(アプリあたり)
  • ● アプリID:3つ
  • ● 料金:5,000ドル/月

Proプランは機能が充実しており、ツイートの投稿・取得の数も大幅に増えます。しかし、スタートアップ企業向けとしては5,000ドル/月の料金が高すぎるという意見も少なくありません。また、1,000ドル/月程度のプラン新設を求める声も出ています。いずれにしましても、高額なProプランを選ぶ際は費用に見合った成果が出るか慎重な検討が必要です。

【有料】Enterpriseプラン

Enterpriseプランは大企業向けの有料プランです。高度なデータ分析や、大規模なAPIアクセスが必要な場合に向きます。

  • ● 機能:X(旧Twitter) API v2により、リプライやエンゲージメント、バックフィル、その他のすべての機能にアクセス可能
  • ● ツイート操作:非公開(Small・Medium・Largeの3パッケージがあり、それぞれでツイートの投稿・取得制限が異なるといわれている)
  • ● アプリID:非公開
  • ● 料金:月額契約だが詳細は不明

上記に加えてEnterpriseプランでは、X Corp.のチームによって手厚いマネージドサービスを実施するとアナウンスされています。自社に必要な機能やソフトウェアについて、適切なアドバイスを受けられるでしょう。

Enterpriseプランはほとんどの情報が非公開ですので、プラン加入を検討する際は直接問い合わせるしかありません。

新プランと旧プランそれぞれの比較表

新プランと旧プランの比較表は次のとおりです。なお、下位プランでできることは上位プランでも可能、上位プランでできないことは下位プランでも不可能です。

<新プラン>

<旧プラン>

新プランX(旧Twitter) APIの申請手順

X(旧Twitter) APIの新プランに移行するには、大きく分けて3つの申請手順があります。「Freeプランに入る場合」「APIの利用経験がなく有料プランに入る場合」「APIの利用経験があり有料プランに入る場合」ごとに手順を説明します。

Freeプランの場合

X(旧Twitter) APIのFreeプランに加入したい場合は、以下の手順で申請します。

  1. 1.「X(旧Twitter) Developer Portal」にアクセス
  2. 2.「Find the right access for you」のFreeプラン下にある「Get started」をクリック
  3. 3.画面に従って必要事項を入力(利用目的、利用規約への同意など)
  4. 4.「Submit」(送信)をクリック
  5. 5.審査開始
  6. 6.承認が下りたら利用の開始が可能

必要事項の入力は原則として英語です。とはいえ、定型的な質問が多いため、翻訳ソフトを用いたり、インターネットで例文を調べたりすれば対応できるでしょう。

X Corp.の審査期間は一概にはいえません。人によるチェックが入った場合には、数日〜数週間かかるケースもあるようです。

有料プランの場合(API利用経験なし)

現在、Twitte APIのプランに加入しておらず、有料の新プランに入りたい場合は、以下の手順で申請します。

  1. 1.「X(旧Twitter) Developer Portal」にアクセスする


  2. 2.「Find the right access for you」から加入したいプランを選ぶ


  3. 3.「Subscribe now」(Basic、Pro)または「Apply now」(Enterprise)をクリックして申請手続きへ


  4. 4.画面に従って必要事項を入力(利用目的、利用規約への同意など)
  5. 5.クレジットカード情報を入力して「Save payment method」をクリック

承認されれば登録完了

Enterpriseのプランに加入する場合は、レート制限や料金などについて詳細な情報を公開してもらい、条件面での交渉を行うことになります。このため、交渉担当者が申請手続きをしたほうがスムーズに進められるかもしれません。

有料プラン(API利用経験あり)

すでにX(旧Twitter) APIの旧プランなどに加入している場合は、手続きが比較的簡単です。以下の手順を参考にしてください。

  1. 1.「X(旧Twitter) Developer Portal」にアクセス
  2. 2.X(旧Twitter) APIのアカウントにログイン
  3. 3.プランを選択して「Upgrade」をクリック
  4. 4.画面に従って必要事項を入力(利用目的、利用規約への同意など)
  5. 5.クレジットカード情報を入力して「Save payment method」をクリック

審査に通れば登録完了

すでにX(旧Twitter) APIを利用している際は審査落ちになる可能性は低いといえます。しかし、上位のプランに移行する場合は審査が厳しくなるケースも想定しておいたほうがよいでしょう。審査落ちの理由としては、質問内容と回答が対応していない、内容に具体性がないなどが挙げられます。

X(旧Twitter) API 新プランへの移行で各種ツールに与える影響

X Corp.がX(旧Twitter) APIの新プランをスタートさせて以降、サードパーティー製のX(旧Twitter)アプリやWebサービス、ソーシャルリスニングツールなどに大きな影響が出ています。以下、サービス提供企業のツイートを紹介します。

このように、利用承認を受けていないサードパーティーのサービスが停止したり、不具合を生じたりするケースが相次いでいます。背景にあるのは、APIがv2に更新され、アプリケーションが誤動作するようになったためです。また、新プランのレート制限を超える規模や機能を利用していたために、サービスを提供できなくなったケースもあります。

もちろんトラブルが少なくなるようにX Corp.は特別措置も用意していました。利用承認を受けているツールであれば、有料化がスタートした2023年3月30日から90日間は動作保証するとアナウンスしています。実際、レート制限や機能を満たす新プランに速やかに切り替えたことで、今までどおりサービスを継続できている企業もあります。

しかし、プラン変更だけではなく、X(旧Twitter) API変更へのコーディングレベルでの対応が必要になる場合もあり、予期しない不具合が起きやすい状況です。これから選定するのであれば、サードパーティーのツール導入は慎重であるべきでしょう。

リスクを避けるには、X(旧Twitter)のオフィシャルパートナーのツールを導入する方法があります。X(旧Twitter)と連携しているオフィシャルパートナーのツールなら、今回のX(旧Twitter) API変更および新プラン移行による影響は起きません。

『Quid Monitor(旧NetBase)』はX(旧Twitter) API新プランの影響を受けずに分析が可能

X(旧Twitter) APIは大幅なバージョンアップが行われ、新プランに移行しました。

この移行期においては、サードパーティー製のX(旧Twitter)アプリやWebサービス、ソーシャルリスニングツールなどに大きな影響が出ています。これらのツールを利用してサービスを提供する場合、リスクが高い状況といえるでしょう。

X(旧Twitter)の公式パートナーである「Quid Monitor(旧NetBase)」のソーシャルリスニングツールならAPIの変更による影響がないため、このような心配はありません。今回のX(旧Twitter) API変更以後も全量ツイート分析、X(旧Twitter) アカウント分析などの機能を変わらず提供しています。「Quid Monitor(旧NetBase)」にご興味をお持ちいただいた方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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本記事の監修者

プロダクト本部 副本部長 山本 豊

山本 豊 プロダクト本部 副本部長

リクルートでキャリアを開始し、マクロミルに入社。マクロミルにて、リサーチ・データ事業の拡大に従事。その後、コロプラにて、リサーチ・データ関連の新規事業の立案・推進。複数のIT企業にてデータ関連事業に関わった後、2021年7月より現職。生成AIアプリ開発ツール「Dify」、ソーシャルリスニングツール「QUID」の拡大に従事。

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