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美容産業におけるベストプラクティスガイドレポート2020

美容産業におけるベストプラクティスガイドレポート2020

イントロダクション

化粧をすることで世界が変わるわけでも、人生が変わるわけでもありません。しかしそれは他の方法では発見できない自分自身を知る、最初の一歩になるかもしれません。化粧をすることで世界や自分の人生が変わるとは言いません。でも、今まで知らなかった自分自身を見つける第一歩になるかもしれません。もし失敗しても、今日はメイク上手くいかなかったなって笑うくらいでいいと思うんです。
―ケヴィン・オークイン

美容や化粧品のマーケットは巨大で、2017年には市場価値が5,324億3,000万ドル、2023年には8,056億1,000万ドルに達すると予測されています。(*1) これらの数字はもちろん売り上げによって伸びているのですが、消費者が購入に至る理由というのはさらに多様な観点から分析することができます。

例えば「化粧品」というカテゴリーの一般的な革新性を考えてみましょう。
口紅、マスカラなどの商品カテゴリは古くから存在していますが、それらは常にスタイル、用途、成分など新しいものへ進化しています。(*2)

さらに、多くのブランドが従来の広告に頼るだけでなく、インフルエンサーやアンバサダーのマーケティングアプローチを選択しています。(*3)
美容ブロガー、インスタグラムのスター、そしてソーシャル上のニッチなインフルエンサーについて考えてみましょう。これらは全てエンゲージメントと売上の両方を促進する存在です。(*4)

消費者はブランドとインフルエンサーが提携していることを知っているので、一定の信頼性を保つことが重要になっていきます。インフルエンサーがフォロワーとどういった情報ほどのような形で共有しているのかが消費者との信頼性を築く上で重要です。ブランドは提携するインフルエンサーの信頼性、情報の透明性、売り上げのバランスを保つことが必要とされます。(*5)
そのため美容ブランドは、信頼性、透明性、売上のバランスを保つことが求められています。

次のページから、カテゴリー別のトレンドや、業界の特徴の観点から美容のマーケットを分析していきます。今回触れきることのできない多くのトピックがありますが、今回ここではいくつかのタイムリーなトピックに触れていきます。

春のファッションシーズンに向けて、美容マーケティング担当者向けに、ソーシャルインサイト収集を強化するための具体的な戦術をご紹介します。

目次

急速に進化し続けるマーケットで結果を出すには効率的で反復性のある戦略を用いることが大切です。化粧品マーケットに特化した知識だけでなく、全体のアプローチの仕方などを他の業界での分析へ反映させることができます。

こんな方におすすめです

・消費者のセグメントを深く掘り下げて分析したい分析専門家
・次のトレンドや注目を集める製品成分を発見したい商品開発チーム
・新しいインフルエンサー、アンバサダー、有名人のスポークスマンを探している代理店

ニッチなコミュニティやセグメントを通じた
深い消費者行動分析

ソーシャルメディアの活用度を調べる際、分析に時間と労力をかければかけるほど、価値のあるインサイトが見つかると思います。なので反対に、少ない調査時間で貴重なインサイトが発見されるとそれに着目し分析を進めることは自然な流れです。そのような場合は特定の領域に焦点を絞って分析する、簡潔化されたオーディエンス・セグメンテーションを行うことができます。次に紹介する例はサブ・レディットでのオーディエンスを簡潔にセグメント分析した例です。

Q&Aをオーディエンスの視点に変える

オーディエンスのセグメントを分析するにあたり、フォーカスグループ、パネル調査など従来の方法を思い浮かべる方も多いでしょう。ユーザープロファイル、趣向、性格からセグメンテーションを作り上げる例もあるでしょう。どちらのアプローチでも有益なインサイトが得られます。しかし、簡潔化されたオーディエンスの分析をすることでインサイトを見つけるまでの時間を短縮することができます。

しかし、単純化されたオーディエンスのコンセプトに基づいて作業することで、インサイトに至るまでの時間を短縮することができます。

ここでサブ・レディットの例に戻ります。レディット内の“ヘアケアの科学“のスレッドを見てみましょう。ヘアケア商品の成分や内部の仕組みに興味がない人がこのスレッドに参加している確率はとても低いです。その事実だけでも、あなたの分析はすでに問題セグメントのコア部分をスタート地点としていることがわかります。このプラットフォームでは、”ヘアケアオタク”、ヘアケア製品に大変興味を抱いている人、質問や製品への不満があるオーディエンスが会話をしています。

まずは「r/HaircareScience」(ヘアケアの科学)の過去2年間のトレンドラインを見てみましょう。2018年2月から、週ごとの投稿数は順調に伸び続けています。
より具体的に言うと、2018年から翌年2019年の間にメンション投稿が35%増加しています。さらに細かく分析すると、ユニークな個人ユーザーによるエンゲージメントが32%増加しています。これらの2つの基本的なメトリックスだけでも、すでに:(1)全体的に増加傾向にある、(2)ユーザーは投稿、会話に積極的である、(3)消費者はヘアケア製品への興味関心が高い、というセグメントに関する情報が得られます。

(*1)https://www.marketwatch.com/press-release/cosmetics-products-market-2019-global-industry-trends-share-size-demand-growth-opportunitiesindustry-revenue-future-and-business-analysis-by-forecast-2023-2019-07-11
(*2)https://www.prnewswire.com/news-releases/the-2019-face-makeup-market-worldwide-industry-trends-share-size-growth-opportunities–projections-300883493.html
(*3)https://www.businessinsider.com/beauty-multibillion-industry-trends-future-2019-7
(*4)https://www.businessinsider.com/beauty-multibillion-industry-trends-future-2019-7
(*5)https://streamline-marketing.com/top-beauty-influencers/

次に、スレッドで頻繁に会話される問題点やトピックは何か、またその題材は時間とともに変化しているのかを見ていきます。ユーザー投稿の感情と、それに伴い頻繁に使用されるキーワードを分析するワードクラウドに着目します。
ワードクラウドの内容が月ごと、年ごとに変化が少ないと、大事なトレンドやセグメントは読み取れない、と見落としてしまう人も多いかもしれません。今回の例では、オーディエンス層を読み解こうとしているので、この一見変化が見られないデータがとても重要な手がかりになっていきます。
つまり、このセグメントは会話内容に一定の一貫性があり、深い科学的な会話が多いことも考慮すると、消費者がヘアケア製品に満足していないことがわかります。繰り返し使われるキーワードを調べると、何が問題点でどんなニーズが求められているのがわかります。ここ数年では特に、油っぽい/髪のベタつきという消費者の不満と、それを改善すると宣伝された製品への期待が大きなギャップを生み出していることが読み取れます。
ここ数年では「オイリー」な髪の毛の問題を解決するための製品には明確な差があります。

これらのネガティブな投稿で繰り返し使われるキーワードを掘り下げると、ストレイトヘアーや細い髪の毛を持つ人の方が他の毛質の人より頻繁に油っぽさに悩む傾向にあることがわかります。それに加えて、地肌や頭皮の問題が油っぽさを含む多くの悩みと繋がっていることがわかります。そういった問題を抱える消費者がとる行動は次の二つに大きく分かれます。(1)問題が改善されないと製品を使うことを諦めてしまう、(2)いつか良い製品が見つかると信じ多数の商品を試していく。どちらのケースでも消費者が諦めるか多額の費用を費やすことで不満に思っていることがわかります。

「アドバイス」や「どうすれば..」といったタイプの言語を分離すると、具体的な質問内容や、推奨されているブランドがあるかどうかを簡単に確認できます。昨年最もエンゲージメントの高かった人気の投稿は、前述の髪の悩みを一つにまとめたような投稿でした。その投稿は油っぽさの悩みについて語り、アドバイスを求めています。また髪に関する大きなサブトピックの一つである「髪の毛の薄さ」についても言及しています。

最後に、オーディエンスの全体像を掴むためにも、人口統計に関する調査をすることもおすすめします。興味深いことに、女性ユーザーの3分の2しか占めておらず、予想されるほど大きな男女差はないかもしれません。それよりもはるかに興味深いのは、男女間で使用されている言葉の違いです。女性は「シャンプー」などの一般的な言葉の他に、「ヘルプ」や「改善方法」などのキーワードが上位を占めています。「商品の効果をもっと知りたい」、「自分の悩みの解決策を探している」など女性は積極的に知識を求めていることがわかります。

逆に男性の場合は、同じキーワードを使用していますが圧倒的に頻度が少ないのです。
また、女性が「油っぽさ」に関連する悩みを重視していることに対して、男性は「乾いた状態」の髪の問題に焦点を当てる傾向があることがわかりました。

サマリー

オーディエンスのセグメンテーション分析は大変な作業なので、簡単なヒントを見落とさないようにしましょう。ここではサブ・レディットというプラットフォームに焦点を当てていますが、コンセプトは同じで、特殊なフォーラムにも簡単に適用できます。分析アプローチにフォーラム間のわずかな違いはありますが、インサイトを見つけるためのアプローチは応用することができます。

1.小さな矛盾に固執しない
研究材料として同じ問題を主に議論している2つの異なるフォーラムを比べる場合、比較対象が必ずしもそろって対比することができないからと言って、どちらか一方のフォーラムを考慮から外さないよう気を付けましょう。

2.他の調査方法で検証する
多くの場合、学術的研究やサードパーティーによる研究資料があるはずです。有益な情報を見つける為には、他の研究材料でも検証してみましょう。

ヘアケア製品の例のポイントとしては、過去にピンポイントで特定するのが困難だったセグメント分析に対して、フォーラムを基盤とした分析アプローチを活用してみましょう。

「クリーンビューティー」という
消費者の嗜好に基づいた商品群の変化

クリーンビューティーは決して新しい概念ではありませんが、欧米を中心に確実に盛り上がりを見せています。全体的にこのカテゴリーは、ナチュラル、オーガニック、作られる過程の透明性の高い製品などで定義されています。
また、最初に説明した事例と同じように、製品の背後にある科学に関する関心が高いトピックです。美容製品の中の一種ですが、クリーンビューティーは大量の会話がされており、高レベルでの分析を行い、意味のある情報を見つけるのは簡単なことではありません。
ざっくりと全体を見た高レベルの分析でもちろんいくつかトレンドを見つけることは可能でしょう。しかし、特定の製品に対する分析をするとなると、さらに掘り下げて分析をする必要があります。

製品ラインのブレークダウン

まずは、美容の話題の二大トピックである「ヘアケア」と「スキンケア」を比較してみましょう。分析の結果、過去半年間の販売総数ではスキンケアがヘアケアをはるかに上回っていることが明らかになりました。トップラインの洞察を見つける場合以外では、幅広い分野を掘り下げることに長時間かけることはおすすめしませんが、販売総数を見ただけで、スキンケアには消費者にとって大きな提案価値があることが見てとれると思います。

先に進む前に、バロメーターとして、スキンケアとヘアケア両方のサブ製品分野を見てみましょう。
シャンプーやマスカラなどは特に注目すべきデータがありませんでした。しかし、口紅に関する投稿の量が他の3つのサブ製品の合計よりも多くの会話を占めているという事実から消費者の製品に対する考え方、興味を垣間見ることができます。
さらに重要なのは「成分」が 2 番目に最も議論されている会話のテーマであることです。これは“クリーンビューティー”と”肌に良い成分”の関係性を考えれば理にかなっています。

最初のサブセットとして成分を深堀してみると、美容ブランドが活用できる明確な洞察をみつけることができます。
それは①成分に関する知識が欠如していることと、②植物由来を求める傾向です。

まず成分に関する知識の欠如を分析すると、否定的な感情は①効果への疑問、②クリーンビューティーに転向した理由の2つを中心に混在していることが分かります。

例えば、「扱いづらい成分」や「曖昧な」といったフレーズは、消費者の不安を煽るものばかりでした。
消費者の中には成分の有用性を理解していない人や「クリーンビューティー難しすぎる」と言っている人も多く存在しました(標準的な美容製品では、何を期待して購入するのかが消費者にとって明確でした)。
逆に、「よくない」「薄くなった」「かゆくなった」などのキーワードは、クリーンビューティに転向する前に抱えていた肌トラブルを説明する為に高い頻度で使用されていることが分かります。

「クリーンビューティーに変える前のスキンケア方法はうまくいかなかった」や「多くの製品を使ってみたけどダメだった」という人の多くが「うまくいかない」というフレーズをよく使っていたので判断材料として使います。シンプルな言葉ですが、人々は明らかに改善へのアドバイスを求めていました。
ブランド側は消費者の基礎知識を高めることで、製品への不安とニーズのギャップを埋める必要があります。そのためには、具体的な製品の利点をアピールするだけではなく、分かりにくい成分について消費者の「なぜ」について答え、商品の価値をしっかりと伝える必要があるのです。

第二に、植物由来を求める傾向のトレンドでは「保湿・うるおい」と「滑らかな肌」は、ブランドと消費者の両方が言及している重要なキーワードでした。それらを踏まえて、関連する購買行動と投稿のハッシュタグを繋げることは難しくありません。例としては #vegan、#cruelty、#holistic、#withoutcompromise などがあがります。
どのような具体的製品の効果を宣伝するべきか、それをどんな消費者層に向けて発信するべきなのかが明らかになります。ハッシュタグやキーワードを効果的にソーシャルメディアの投稿に取り入れることで、より的確なオーディエンスに宣伝効果があります。

クリーンビューティーの例を締めくくるにあたり、口紅に関する会話に最後注目します。口紅に関する会話はメイク方法解説動画、チュートリアル、製品レビューが多くを占めていました。口紅という製品特融のトレンドではありませんが、独特なYouTubeコンテンツがありました。100万以上のチャンネル登録者を持つブロガーが多く口紅についてのビデオ投稿をしていました。このようなブロガーは製品の特長について紹介をします。一方で、一般的な消費者は製品に含まれている有毒成分や、一部の製品に対する不安を訴える投稿をする傾向がありました。消費者の理解を高めるという点に戻りますが、消費者の不安要素を払拭しつつ、製品の効果を宣伝できるブランドが成功例を多く収めているのでした。単に製品の成分を全面に押し出すのではなく、消費者側の知識レベルと製品効果への期待のギャップを縮める戦略が効果的であることがわかると思います。

サマリー

ソーシャルリスニングでは、簡単な着眼点から分析を始めることは何も悪いことではありません。そこで見つけたトップラインの洞察は実行可能なデータを見つけるための明確な方向やインサイトの側面を提供してくれます。

しかし、以下の注意点があります:
1.自社の製品ライン、宣伝内容への反響、機能/差別化要因の分析に素早くシフトし、もっとも意味のある洞察を結びつけます。

2.トレンドのハッシュタグや用語を使用して、消費者の会話のさまざまな側面に共通の関連性を持つ他の言語の手がかりを見つけ、よりスマートなキャンペーンやメッセージングを構築します。

3.ポジティブ、ネガティブ両方の会話に耳を向ける重要性を忘れないでください。否定的な意見からは特に、多くのことを学ぶことができます。投稿、会話されている内容を自社のアドバンテージにしてください。

クリーンビューティーは発展途上のマーケットです、消費者がどのカテゴリーでどのように頻繁に会話をしているかによって、核となる原則や会話の推進力が変化していくことは間違いありません。
そのため、進化する会話を常に把握しておくためには業界を牽引する用語を模倣するように、リスニングに使う材料を頻繁に修正することが重要になってきます。

#makeuptrends を含んだ投稿の発信者は
大衆消費者か“エキスパート”なのか分別して分析

「シンプルだけど意味のあるリスニング」というテーマを継続するために、次の事例では1つの用語を使って分析のカテゴリー全体を動かすことに焦点を当てます。
その言葉とは「#makeuptrends」です。このハッシュタグは、その本質に「トレンド」の意味合いが含まれており、既に化粧品カテゴリーで起こっているより広範な新しいトレンドのいくつかに、あなたを導いてくれるでしょう。

このようなハイレベルな見方と、クリーンビューティのユースケースの基本的な原則を組み合わせることで、特定の製品ラインのトレンドを見始めることができます。

さらに一歩進んで、少し違った方向性でこれらのトレンドを“一般消費者”と“アンバサダー/インフルエンサー“に分けてセグメントを分析することもできます。
インフルエンサーがトレンドを設定し、消費者はそれに追随すると仮定しています。しかし消費者がテイストメーカーとは全く異なるものに注目していることがわかったらどうでしょうか?

トレンドの違いを指摘するためのインフルエンサーフィルター

分析を進める前に、Quid Monitor(旧NetBase)には会話の中で出てくる「より分析に有用な用語」を発見するための簡単な方法があります。
その方法とは、Hide Insights フィルターを活用することです。アドホック分析を行う際にこのHide Insights フィルターを適用するか、テーマ別にフィルターをかける方法があります。このシンプルなステップにより、ワンワード キーワード検索がピンポイントで使えるという利点があります。

具体的に説明すると、ハッシュタグには”makeup”と”trends”が含まれているので、ワードクラウドでは、もちろん#trends, trending, #makeupなどが表示されます。これらは必ずしも分析において意味のある言葉ではありません。それらの用語を分析結果から隠すことで(除外するのではなく)、より意味のある言葉をワードクラウドの表に表示させることができます。

まずは、一般消費者に焦点を当てます。まず、Hide Insights テーマを適用し、フォロワー/ビジターフィルタを適用して、0 から 5000 のフォロワーを持つ人々をフィルタリングします。一般的に0 から 5000 のフォロワー層は一般消費者のセグメント抽出する上で効果的な値です。設定が完了したら、次は消費者ベースのトレンドを探してみましょう。
設定が完了したら、次は消費者ベースのトレンドを探してみましょう。

ワードクラウドを見るとすぐに表面化する2つの会話は①再現したいスタイルのポイント、②嫉妬やメイクの目標です。

初めに、スタイルに関するトレンドには、いくつかの興味深い傾向がありました。 一つは「赤のレトロなリップ」です。これは一般の消費者がインフルエンサーの模倣をしていることがわかる重要なトレンドです。何故インフルエンサーの模倣をしている判断ができるかというと、投稿者が「SS20(2020年春夏)」のような専門用語を使っていたからです。何かしらのガイダンスがなければ、消費者が単独でこれらの専門用語を使用することはあまりないでしょう。

もう一つのスタイルの特徴は「キャットアイ」です。このハッシュタグのバリエーションが頻繁に出現し、チュートリアルやビデオの言及に結びつけられていることが多くありました。消費者はこのメイクを簡単に再現する方法が分からないので、自分が望むスタイルを実現するためにインフルエンサーを頼っていました。

「嫉妬」の会話は、makeupporn、#makeupgoalsのような一般的なフレーズとともに消費者が特定のスタイルやルックを自分で再現する能力を求めていることによって駆動されました。同時に、それらの投稿は、学習への意欲を示すコンテンツに多く関連付けされていました(チュートリアル、ビデオ、トークなど)。
消費者はメイクアップ アーティストのスキルを再現することを目標にしたり、それを試してみて自分バージョンのメイクを楽しんでいます。ブランドにとって、この様な情報は様々な理由で役立ちます。

1.「キャットアイ」は新しいトレンドではありませんが、このトレンドがまた特定の週に再浮上する場合は、ソーシャルメディア投稿に反映させたり、製品を使ったキャットアイチュートリアルなどのコンテンツをプッシュすることができます。

2.「赤いレトロなリップ」のインサイトを活用することで、有名なレトロ文化を代表する人物をフィーチャーしたレトロなルック関連のコンテンツを流行らせることもできます。

結論として、分析をしながら消費者のトレンドと同調することが大切なのです。消費者が製品の購入に関心を持つタイミングでトレンドスタイルをタイムリーに作成する必要があります。

消費者に注目した分析に対して、インフルエンサーやアンバサダーを使ったマーケティング戦略にも注目しましょう。
上記の例と同じアプローチでインサイトを隠してフォロワーフィルターを適用します。
今回はフォロワーフィルターを10万から1億に設定することでインフルエンサーの投稿を抽出することができます。もちろん分析したい対象に応じて他の値でフォロワー数を調整することもできます。
例えば、ローカルなインフルエンサーをより多く取り込みたい場合にはフォロワー数を下げ、有名人やニュースアウトレットだけを取り込みたい場合にはフォロワー数を上げます。

フィルターのパラメータを見ると、最も一般的に使われている用語の中にはニュース志向のように聞こえるものがあるだけでなく、消費者への宣伝目的で使われているキーワードもあることがわかります。
一般的に、インフルエンサーはより大きいトレンドについて発信する傾向がありますが、特定のコンテンツへのリンクを設定し、他のコンテンツ、サイト、製品、サービスへと誘導していることも多いことがわかります。

インフルエンサーは大きいトピックならなんでもよくて、ただ消費者にそういった多様なトピックを発信しているというわけではありません。
例えば、”春のメイクアップ アイデア”を見てみましょう。このワードを掘り下げたとき、それに関連付けられている明確なメッセージは”自分でできるメイクアップルック”でした。

上記の消費者分析で見たように、消費者の学習意欲を刺激するメッセージを明確に伝えようとしています。ブランドはインフルエンサーを通して、消費者とより深いレベルでつながりたいと考えています。ブランドが意図したスタイルやトレンドを消費者が再現できるようにインフルエンサーの力を借りて製品をプッシュするというアプローチが見てとられます。

最後に、投稿者について素早く評価してみましょう。
総投稿数、フォロワー数、またはエンゲージメント数で定義したインフルエンサーのリストを作成することができます。そうすることで、誰が最も発言力があるか、最も目につく人か、最もターゲットオーディエンスに魅力的なのかがわかり、あるいはそれらの組み合わせかを決めることができますそれらの要素を組み合わせてインフルエンサーを発掘することができます。

また、#makeuptrends + サブカテゴリの分析ではなく、#makeuptrendsの全体的なデータを見ているために気づかなかった可能性のある、製品固有のインフルエンサーがいるかどうかを確認するために、追加のテーマフィルター(例えば、口紅やマスカラなどの製品ラインをブレイクアウトする際に上記で行ったようなもの)を使うことも検討してみてください。
このアプローチに従うことで、より専門的でニッチなインフルエンサーを発見することができるでしょう。

サマリー

インフルエンサーによる傾向は小売業特有のものではありません。上記で説明したプロセスは、さまざまな業種に適用されます。美容製品マーケットは専門性が高いほうですが、ブランドとしての価値提案の推進に役立つ新しい視点を掘り起こす場合には、紹介したアプローチをつかって柔軟に対応してみてください。

1.まず消費者の声に耳を傾けましょう。
彼らは流行の仕掛人ではありませんが、あなたのブランドにとって最大の顧客です。彼らが何か言っているのであれば、そのニーズを満たすようにしましょう。

2.より大きなトレンドにつながるインフルエンサーや明らかに消費者を巻き込むようなコンテンツを作成しているインフルエンサーを特定しましょう。

3.この2つを結びつけましょう。
インフルエンサーを通して、消費者の理解度を高めるような、知識欲をみたすコンテンツを提供することで、消費者のブランドに対する認識を深めることができます。

結論

美容業界には多くの興味深い側面があり、ソーシャルリスニングに適した特性を持っています。
掘り下げたいことがたくさんあるからこそ、情報収集のアプローチに創造性を発揮することができるのです。

今回のレポート全体の大きな背景にある、クリーンビューティと成分に関する投稿をもう一度見てみましょう。
その傾向は爆発的に高まっており、消費者だけにとどまりません。2019年以降ブランド側の決算会議でクリーンビューティーへの注目が急増しています。

これだけ多くの人がこのトレンドに注目しているので、上記の方法(およびそれ以上)を適用して、できるだけ多くの価値を引き出すことは論理的なことです。

ただ覚えておいてください。
1.カテゴリーの調査は複雑になる必要はありません。レディットのサブドメインなどを分析した例などにあるように、シンプル概要レベルの分析でも豊かな洞察を得ることができます。(木の天辺にある果物じゃなくても、届く所に実った果実でも美味しいのです)

2.インフルエンサーとは、あなたが作る人のことです。
確かに有名人やフォロワー数の多い人が最も理にかなっているかもしれません。しかし、ニッチなトピックが日常的な消費者インフルエンサーに適している場合は、どのようにして彼らを戦術に組み込むかを考えてみましょう。

目の前にあるインサイトにとらわれて考えすぎないようにしましょう。できるときに簡単に分析情報が抽出できるときはそれを使い、プロセスの効率化と時間の節約にも常に気を配るようにしましょう。

本記事の監修者

プロダクト本部 副本部長 山本 豊

山本 豊 プロダクト本部 副本部長

リクルートでキャリアを開始し、マクロミルに入社。マクロミルにて、リサーチ・データ事業の拡大に従事。その後、コロプラにて、リサーチ・データ関連の新規事業の立案・推進。複数のIT企業にてデータ関連事業に関わった後、2021年7月より現職。生成AIアプリ開発ツール「Dify」、ソーシャルリスニングツール「QUID」の拡大に従事。

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