2020年12月1日(火)に新語・流行語大賞の年間大賞とトップテンが発表されました。今年の年間大賞は新型コロナウイルス感染拡大を予防するための言葉「3密」が受賞しました。
今年の新語・流行語大賞やトップテンはどのように受け止められたのでしょうか。また、流行語自体の関心は年々どのように変化しているのでしょうか。
今回は「流行語」「流行語大賞」に関するSNS上の投稿を、ソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)で分析したレポートをご紹介します。2018年、2019年、2020年の流行語大賞を総ざらい!傾向や年ごとの傾向などぜひご覧ください。また、「より詳しい分析を知りたい」「同様に他の言葉についても分析してみたい」という方には、デモンストレーションや資料をご用意しておりますので是非ご覧ください。
ソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)とは
Quid Monitor(旧NetBase)はリアルタイムに膨大なソーシャルメディアデータを分析できるプラットフォームです。圧倒的な実行スピードと多彩なフィルタリング機能で何百万ものソーシャルメディアにあふれる投稿を分析します。多彩なフィルタリング機能により、スラング(俗語)や略語、コンテキスト(文脈)が曖昧なものから正しい洞察を導きます。
リアルタイムに膨大なソーシャルメディアデータを分析することで、すべてのビジネス領域において活用することができます。
2020年のユーキャン 新語・流行語大賞TOP10
まずは2020年ユーキャン 新語・流行語大賞の大賞とトップテンを見てみましょう。見事2020年の大賞に選ばれたのは「3密(3つの密)」でした。そしてトップテンには「愛の不時着」「あつ森」「アベノマスク」「アマビエ」「オンライン○○」「鬼滅の刃」「GoToキャンペーン」「ソロキャンプ」「フワちゃん」(50音順)が選出されました。
ノミネートされた30語にはコロナウイルス関連の言葉が多く含まれていましたが、結果的にはコロナ関連の言葉は「3密」「アベノマスク」「アマビエ」「GoToキャンペーン」の4語が選出されました。
発表当日の「流行語」に関する投稿のセンチメント分析は約85%がポジティブとなっており、おおむね好意的に受け入れられているようです。
ネガティブなセンチメントにも一部含まれているように「面白くない」といった感想や、「あの言葉が入っていない」「これは流行していない」といった選出された言葉に対する賛否両論が巻き起こります。
さてノミネート発表から入賞を期待されていたキーワードや、注目度の高いキーワードはいったい何だったのでしょうか。そこで候補となる30語がノミネートされてから大賞発表前日までの約1か月間に「流行語大賞」とともに投稿されているキーワードを分析しました。
ノミネート~大賞発表までに最も反響が大きい言葉は「アベノマスク」でした。次いで「鬼滅/鬼滅の刃」「3密」「ソーシャルディスタンス」「愛の不時着」「自粛警察」「PCR検査」が多く投稿されていたようです。大賞を受賞した「3密」や、トップテンに入った「アベノマスク」「鬼滅の刃」「愛の不時着」が含まれる一方、「自粛警察」「PCR検査」などはトップテンから外れました。「新型コロナウイルス」という言葉が多く用いられていることから、新型コロナウイルス関連の言葉が多いと感じている方が多いようです。
2018年から2020年までの流行語大賞の変化
年末の恒例となった流行語大賞ですが、過去のトレンドや流行語大賞自体の注目度はどのように変化してきているのでしょうか。
下記は2018年9月以降の「流行語/流行語大賞」を含む投稿数の推移です。
2018年はノミネート発表と大賞発表で大きな投稿数の山が2つ存在していることが分かります。大賞発表時の盛り上がりは大きく、過去3年間では最も反響を得た流行語大賞となっています。2019年はノミネート発表時は2018年を超えたものの、大賞発表ではそれほど大きな投稿数の増加は発生していません。またネット流行語大賞の発表が12月15日にあったことから、大賞発表の後にも投稿数の増加がみられます。2020年は12月2日までのデータとなるため、比較はできないもののノミネート発表、大賞発表のいずれのタイミングも反響が小さくなっているようです。SNS上では流行語大賞への興味関心が徐々に失われている可能性があります。
また「流行語」に関連する人気キーワードを年ごとに比較すると、ユーキャン新語・流行語大賞以外の流行語大賞に注目が集まっていることが分かります。下記は2018年~2020年の各年のノミネート発表から大賞発表当日までの約1か月間のワードクラウドです。
2018年、2019年と比較して2020年には「ネット流行語大賞」「JCJK流行語大賞」が多く投稿されていることが分かります。
「流行語大賞」といえばテレビで多く報道されているユーキャン新語・流行語大賞を指していたものが、年々多様化してきていることが分かります。そこで年ごとに各流行語大賞の受賞ワードと1年間の「流行語」とともに投稿されたキーワード、ハッシュタグをみてみましょう。
2018年の流行語大賞
2年前の流行語大賞では平昌冬季五輪で銅メダルを獲得したカーリング女子代表チームが使用し話題となった「そだねー」が大賞を受賞。ほかにも「大迫半端ないって」もトップテン入りするなどスポーツに関する話題が多く選出されています。
2018年の1年間の「流行語」反響キーワード
SNSでは、おっさん同士の純愛を描いた田中圭さん主演のドラマ「おっさんずラブ」がキーワードとハッシュタグで最も反響が大きくなっています。他にもネット流行語大賞の「バーチャルYouTuber」「大迫」「半端ない」関連のキーワードも多くランクイン。一方大賞の「#そだねー」はハッシュタグでは使用されていますが、反響としては圧倒的に「#おっさんずラブ」が投稿数を圧倒しています。また、ハッシュタグ付きで選出された「#MeToo」は「流行語」を含むような投稿ではほとんど使用されていませんでした。
2019年の流行語大賞
2018年のJC・JK流行語大賞で1位の「タピる」がユーキャン新語・流行語大賞でトップテンに入っています。「○○ペイ」がユーキャン新語・流行語大賞と今年の新語にも選ばれていますが、それ以外はかなりばらつきがあり、各流行語大賞で共通の話題がなかった年といえそうです。
2019年の1年間の「流行語」反響キーワード
各流行語大賞でバラつきがあったことを象徴するように、「流行語」を含む投稿では2019年に入賞した言葉が少なくなっています。大賞を獲得した「ONE TEAM」や、トップテンに入った「令和」「#kutoo」などは入ってはいるものの、2019年の流行語よりも過去の流行語に関する話題が再び取り上げられたことで過去に関するキーワードの投稿数が多くなっています。
2020年の流行語大賞
2019年にJC・JK流行語大賞1位の「ぴえん」が今年の新語の大賞に選出されています。また2020年はネット流行語大賞とユーキャン新語・流行語大賞の選出がかなり近くなっていることも特徴の1つです。JC・JK流行語大賞にも「全集中の呼吸」と鬼滅の刃に関連した言葉が入っており、全体の流行語として新型コロナウイルス/鬼滅の刃が2大トレンドといえそうです。
2020年の1年間の「流行語」反響キーワード
ノミネート、トップテンともに「コロナ」関連が多かったことが影響し、最も投稿されたキーワードは「コロナ」となりました。ハッシュタグはトップテンに入るキーワードは特に使用されていないことが大きな特徴です。
まとめ
流行語に関するSNS分析をご紹介しました。流行語大賞自体の興味関心はSNS上においては低下しているものの、ユーキャン新語・流行語大賞以外の流行語の関心は年々高まっており、今後その関係性がどのように変わっていくのか注目です。また流行語を見るとJC・JK流行語大賞で上位に選ばれた言葉が、翌年のユーキャン新語・流行語大賞やネット流行語大賞に選出される例が多くなっており、来年の流行語大賞に選出されるのかも注目です。より詳しい分析や、ほかの言葉・テーマについてのSNS分析をご希望の方はぜひ一度お問い合わせください。
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