SNSトレンドレポート

2020年のアメリカ大統領選挙をSNS分析から予想

2020年のアメリカ大統領選挙をSNS分析から予想

2020年11月3日に実施予定のアメリカ大統領選挙。4年に1度のアメリカのビッグイベントで日本はじめ世界に影響が及ぶこの選挙は、連日日本でもニュースに取り上げられ盛り上がりを見せています。1年以上にわたる長期戦のアメリカ大統領選もいよいよ結果が出るまで約1週間と間近に迫ってきました。
そこで今回はアメリカ大統領選挙に関連するSNSの投稿をソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)で分析したレポートをご紹介します。アメリカ大統領選挙に関するSNSの投稿はどのような傾向があるのでしょうか。また、日本とアメリカでのSNS投稿の内容に差はあるのでしょうか。そしてSNSの傾向は選挙結果とどのように関係しているのでしょうか。

ソーシャルリスニングツールQuid Monitor(旧NetBase)とは

Quid Monitor(旧NetBase)はリアルタイムに膨大なソーシャルメディアデータを分析できるプラットフォームです。圧倒的な実行スピードと多彩なフィルタリング機能で何百万ものソーシャルメディアにあふれる投稿を分析します。多彩なフィルタリング機能により、スラング(俗語)や略語、コンテキスト(文脈)が曖昧なものから正しい洞察を導きます。
リアルタイムに膨大なソーシャルメディアデータを分析することで、すべてのビジネス領域において活用することができます。

アメリカ大統領選挙に関する投稿数の推移(アメリカ)(*1)

前日までの投稿推移

過去1年間のアメリカにおける大統領選挙関連投稿数の推移です。期間の経過とともに緩やかに投稿数は増加していますが、大きく投稿が増加した時期が2つあります。1つ目の増加はジョージ・フロイドさんの死亡事件が発生した時期である5/31~6/6です。この事件をきっかけに、BLM運動が広がりました。そして2つ目は第1回テレビ討論会の開催とトランプ氏が新型コロナウイルスに感染したことが発覚した9/27~10/3です。第1回テレビ討論会後は、投稿数は高い水準で推移しています。第2回テレビ討論会が開催された10/18~10/24は、第1回テレビ討論会開催時よりも投稿数は伸びていません。1回目と比較して穏やかな会議進行であったことや、大きなサプライズがなかったことも影響しているでしょう。

センチメント分析(*2)

センチメント分析

選挙戦が本格化した7/23~10/23の3か月間のセンチメント分析です。全体のセンチメント傾向は約58%がネガティブ傾向となっています。各候補者やその支持者に対する強い非難の言葉の応酬が繰り広げられているようです。

期間ごとの人気キーワード(*3)

トランプ氏やバイデン氏の候補者本人による投稿や、CNNやFOXといったニュースメディアによる投稿はエンゲージメントを獲得しやすく、一般の方がどのような投稿を行っているかを分析しにくいため、次にご紹介するデータはX(旧Twitter)の未認証アカウントのみを対象としています。
10/23を起点に過去3か月、過去1ヶ月、過去1週間、そして第2回討論会が開催された10/23に焦点を絞った人気投稿キーワードをみてみましょう。

ワードクラウド長期間US

長期間で見ると、候補者の名前や投票に関する「vote」「vote for」といったキーワードが多く投稿されていることが分かります。しかし徐々に期間を絞り過去1ヶ月になると、トランプ氏がコロナウイルスに感染したこともあり「Covid」に関連する言葉が増えています。

ワードクラウド短期間US

そして過去1週間になると、投稿されているキーワードの内容が大きく変わります。バイデン氏の息子である「Hunter Biden」氏に関する疑惑に関する「China」「laptop」などのキーワードが多く投稿されています。また討論会に関する「debate」「win」なども出現頻度が増えています。
最後に第2回討論会の当日の投稿キーワードを見てみましょう。ここでもバイデン氏の息子について一定数言及されており、関心が高いことが分かります。候補者への返信もしくは言及を示す@候補者アカウントの言及についてはトランプ氏の方が多くなっているようです。しかしこれはポジネガの意見を含みます。

各陣営のハッシュタグの投稿シェア(*4)

ハッシュタグ比較

最後に候補者に対する情熱度を分析するために、各候補者と副大統領候補を含むハッシュタグの投稿シェアを分析します。過去1ヶ月の分析結果では、全体の約60%をトランプ氏に関するハッシュタグが占めており、特にトランプ氏単独の「#TRUMP2020」が投稿数、エンゲージメント、センチメント傾向など全てにおいて上位となっています。
またバイデン氏のハッシュタグは、バイデン氏の「#Biden2020」と比較して副大統領候補のカラマ・ハリス氏と連名である「#bidenharris2020」が投稿数が多くなっています。カラマ・ハリス氏への注目度が高いことがうかがえます。X(旧Twitter)上における候補者への情熱度、ではトランプ氏に軍配が上がっています。

アメリカ大統領選挙に関する投稿数の推移(日本)(*5)

日本でもアメリカ大統領選挙の情報が日々伝えられており、関心が高まっています。日本ではどのように捉えられているのでしょうか。

日本での推移

アメリカでの投稿数増減と違いは2点です。1つは7月上旬にヒップホップ歌手のカニエ・ウエスト氏が大統領候補に出馬を表明したことが大きな反響を呼んだことです。そして2つ目は第1回テレビ討論会よりも第2回テレビ討論会が開催されたときの方が投稿数が増加している点です。選挙が近づくにつれ関心が高まっており、これは日本での報道数が影響している可能性があります。

センチメント分析(*6)

「羨ましい」は大統領制と議院内閣制の違いについての投稿で多く用いられているキーワードです。「酷い」「メチャクチャ」は第1回討論会に対して言及しているものが多く、ほかには候補者の言動についての意見として用いられている場合もありました。またポジネガ分析では約75%がポジティブとなっています。

期間ごとの人気キーワード(*7)


過去3か月の長い期間で見ると「トランプ」氏に関連するキーワードが多いものの、期間を絞っていくにつれ「バイデン」氏に関するキーワードも増え同等程度となっていることが分かります。過去1週間で大きくワードクラウドに変化が出ていたアメリカとは異なり、大きな変化はありません。

まとめ

世論調査では優位となっているが、本人への情熱度が低くまた息子に関連したスキャンダルが注目されているバイデン氏。支持者の情熱度は高いものの、ネガティブな投稿も多いトランプ氏。果たして2020年11月3日はどのような結果となるのでしょうか。SNS傾向との関連にも注目です。
より詳細なSNSデータ分析にご興味のある方や、自社や競合に関するデータ分析にご興味のある方は是非一度お問合せください。

【出典】
*1~*4 地域:アメリカ合衆国、言語:英語
*5~*7 地域:日本、言語:日本語
*1 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2019/10/24から2020/10/23
*2 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020/7/23から2020/10/23
*3 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020/10/23を起点にした各表示期間。X(旧Twitter)未認証アカウントのみ
*4 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020/9/23から2020/10/23
*5: Quid Monitor(旧NetBase) / 2019/10/24から2020/10/23
*6 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020/7/23から2020/10/23
*7 : Quid Monitor(旧NetBase) / 2020/10/23を起点にした各表示期間。X(旧Twitter)未認証アカウントのみ

本記事の監修者

プロダクト本部 副本部長 山本 豊

山本 豊 プロダクト本部 副本部長

リクルートでキャリアを開始し、マクロミルに入社。マクロミルにて、リサーチ・データ事業の拡大に従事。その後、コロプラにて、リサーチ・データ関連の新規事業の立案・推進。複数のIT企業にてデータ関連事業に関わった後、2021年7月より現職。生成AIアプリ開発ツール「Dify」、ソーシャルリスニングツール「QUID」の拡大に従事。

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